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天の桜が咲く頃に  作者: テイク
第一章 始まりは春のあの日から
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第七話 ライバル登場!? それはお嬢様

 翌日、やはり待っていた桜崎としぶしぶ坂を上っていると、途中で馬鹿がやって来た。


「おはよう、隼人、桜崎さん」

「ああ」

「あはようございます」

「珍しく早いな」

「ふふふ」


 馬鹿(うましか)が突然笑い出した。


「僕は気づいたんだよ! いつもより早く学校に来れば劉斗に轢かれることもないと!!」

「気づくのが遅いな」

「ふふふ、もう轢かれてたまっかよ!」


 まあ、無駄と思うがな。後ろに黒光りするリムジンが見えている。とりあえず馬鹿(うましか)から離れることにする。


「ちょっと、なんで離れるのさ」

「桜崎も離れとけ危険だ」

「はい」

「ちょっと、劉斗はいないんだよ! 何も危険なんかないよ!」


 いまだ気がついていない馬鹿(うましか)。何でMSに乗ったらあんなに強いんだよ理解不能だな。


「それでも危険だからだ」

「そんなわけ――ヒブデッ!!」


 馬鹿(うましか)がリムジンに轢かれて気持ち悪い笑顔えびぞりで地面に叩きつけられた。


(オレ)がお前の行動なんて読めなくてどうする」


 リムジンから降りた劉斗が言った。なんて無駄なことをやってるんだとしか思えない。


「劉斗! 貴様ー!」


 馬鹿(うましか)が叫んでいるが劉斗は無視している。


「僕だって殺るときは殺るんだ!」

「字が違うぞ」

「はあああぁぁぁ!」


 馬鹿(うましか)が劉斗に殴りかかった。狙いは顔面だろうな。


「遅いと言ってるだろう」


 馬鹿(うましか)の左の拳は空を切る。ワンステップで交わした劉斗


「まだだ!」


 馬鹿(うましか)が右足を踏ん張り右の拳を劉斗の顔面に放つ。勢いの乗ったストレートだ。


「バカが!」

「!?」


 劉斗も右の拳を放つ。


「うおおおぉぉぉ!!」

「らあああぁぁぁ!!」


 両者の拳が激突した。


 馬鹿(うましか)と劉斗の拳が拮抗する。


「やるな劉斗、でも、同じ右ストレートなら勢いの乗ってる僕の方が威力が大きい!」


 馬鹿(うましか)が更に踏み込む。


「貴様が倒れるのが先だァー!!」

「……つくづくバカだな」

「え!!?」


 劉斗が力を込める。


「同じ技を放った者同士の戦いで勝つのはな……」


 ミシ……。


「ぐはあッ!!!」


 馬鹿(うましか)の拳が砕けトマトケチャップが吹き出す。


「拳の頑丈な方だ」


 馬鹿(うましか)が劉斗から距離をとる。


「クソ! なんて固い拳なんだ!! 仕方ない」


 馬鹿(うましか)が懐から“爪楊枝”を取り出した。


「遠距離技に切り替えたか。避けられないとでも思っているのか?」

「避けられるものならよけてみろ!! 避ければ劉斗の後ろにいるセバスチャンさんや隼人に当たるぞ!!」

「!」

「!!」


 馬鹿(うましか)の奴、俺を利用しやがったな!


「喰らえ!!! 必殺爪楊枝アタック!」


 馬鹿(うましか)が爪楊枝を高速で投擲する。本気でやりやがった! 後で殺す。


 高速で爪楊枝が飛翔する。劉斗が避ければ俺達に当たる。まあ、確実に劉斗は避けるだろうな。何も考えないで。


「大丈夫です」


 セバスチャンが俺に言った。そうだな、この人が防ぐな。


「フッ」


 ひょい


 予想通り劉斗は無数の爪楊枝を避けた。


 爪楊枝が俺達に迫る。セバスチャンが盾になるように前にでた。


 そして爪楊枝が爆発した。


「ええ~っ!!」


 馬鹿(うましか)が劉斗が避けたことを驚いている。そっちか驚くのは! 爆発したことを驚け。


「バカな! セバスチャンさんと隼人と桜崎さんを見殺しにするなんて!! 貴様鬼か……うん、鬼だったね」

「劉斗ー!」

「やっぱり生きてたか隼人」

「セバスチャンがいなけりゃ死んでたぞ!」

「計算のうちだ」


 駄目だ、コイツに何を言っても通じない。とりあえず馬鹿(うましか)をあとで殴ることで手を打とう。


「おっはよ~!!」


 どうしようもなくなったとき綾崎の声が響いた。


「がはらッ!!」


 恒例の綾崎の飛び蹴りを喰らって吹き飛ぶ馬鹿(うましか)


「おはよう結衣」

「おはようございます」


 何事もなかったように挨拶する綾崎と桜崎の二人。ある意味こいつらすごいんじゃないか?


「行きましょ」

「あ、でも」


 倒れている馬鹿(うましか)を無視して先に行こうとする二人。


「哀れだな」

「僕は、あきらめな……い」


 本当に哀れだ。馬鹿(うましか)に勝てる見込みはない。


 とりあえず馬鹿(うましか)を置いて教室に向かう。回復した馬鹿(うましか)は途中で走ってきた。


「あれ、赤羽来てないのか?」

「ああ、赤羽なら今日は休みだ」


 劉斗が言った。


「休み?」

「家庭の事情だそうだ」


 家庭の事情ね。だが、赤羽の家庭は……。


「いろいろあるからな」

「おら、お前ら席に着け~、HRはじめるぞ~」


 水原先生が入ってきたので席につく。


「連絡はあまりないな。赤羽が休みなくらいだ。あと、今日から本格的に上級生が部活勧誘に動くらしいから気をつけろ。すでに入部してるやつもな」


 そう言って水原先生は教室から出て行った。


「さっきの言葉どういうことなんでしょう?」


 となりの桜崎が言った。


「さあな、まあ、どの部活も必死なんだろうさ。俺たちには関係ないだろ。どっかの誰かさんのせいですでに入部してるんだからな」

「それもそうですね」


 それ以上は会話はなかった。関係ありそうだが目をそむけることにしよう。


 すでに桜は散り新緑が見え初めていた。

 授業も終わりHRが終わったとき。


「六道君~。やっほ~、遊びに来たよ~」

「なんで、会長がいるんですか」

「遊びに来たんだよ~」


 放課後HRが終わった途端ニヤニヤ笑いで佐藤会長が俺の教室にやって来た。突然の来訪に俺のクラスの連中が騒いでいる。生憎桜崎達はさっさと部室に行ってしまっていた。薄情な奴らだ。


「迷惑なんで帰ってください」

「な!? ちょっとは上級生を敬う気はないのか」


 この会長を敬う気ないので断言する。他の先輩は別だが。


「ありません。あと今年から受験生なんですからそっちに集中してください」


 こういえば大抵は帰るんだが。


「いきなり現実を突くね。でも、大丈夫さ。俺はこう見えても成績はいいからね」


 帰らなかった。


「それなら用件を早く言ってください。目立つんで迷惑です」

「そうだな~。俺が人気者過ぎるのがいけないのか」


 それはナルシストすぎだろ。


「いえ、生理的に受け付けないだけです」

「まあ、そういうな俺としては君と仲良くしたいと思っているんだから」

「俺はありません」

「そう、まあいいや、勝手にするよ。ところでさ、君、生徒会に興味ない?」


 ないこれ以上やっかいごとは背負い込みたくない。


「ないですね」

「そう、でも、考えておいて欲しいな」

「何が言いたいんです?」


 何を企んでいる。


「いや、単に考えていて欲しいだけさ」

「興味ありません。それだけなら俺は行きます」


 教室をでてしぶしぶ部室へ向かう。


****


「やっぱり一筋縄じゃいかないか」


 佐藤帝がニヤニヤした顔ではなく真剣な顔で言った。


「じゃあね、みなさん」


 また、笑顔をでそう言って教室から出て行った。


「でも、君は逃げられないよ。夏を楽しみにしててね」


 佐藤帝は不敵に笑った。


「君のために俺は準備をしてきたんだから」


****


「たく何なんだよ、あの会長は」


 何か企んでいるのは間違いない。それに俺が関わるのはあの態度から言って間違いないだろう。


「ちょっと!」

「しかし、俺に何をさせようってんだ?」


 俺に出来ることなんてなんもないぞ。あるとすれば本家だがその話が伝わっているはずはない。


「ちょっと!!」


 あの会長には何のメリットも何と思うが。何かあるのだろうか。仕方がない赤羽か劉斗に聞いてみるか。


「ちょっと!! 聞いてるの!!」


 いきなり制服をつかまれた。振り返ってみると髪をツインテール(あまり長くない)にした金髪碧眼の女子がいた。俺とおなじ一年のようだが。


「誰だ、そして俺に何のようだ」

「さっきから呼んでいたのに無視した挙句今度はそっちから質問ですの? まったく、まあいいですわ。私は西園寺暦(さいおんじこよみ)ですわ」


 何だ、このお嬢様言葉の奴は意味わからん。さっさと用件を言って帰ってもらおう。


「で、その西園寺が何の用なんだよ」

「あなた、さっき佐藤会長と何を話していたんです?」

「別に、あいつが勝手にきて話してただけだ」


 何でコイツがこんなこと聞くんだよ。関係ないだろう。


「本当に? 嘘じゃありませんの?」

「なんで俺がお前に嘘なんかつかなきゃいけないんだ」

「あなたが生徒会長になるためですわ」

「は!?」


 コイツは何言ってんだ。俺は生徒会長になる気なんてこれっぽっちもない。


「お前、何言ってんだ」

「いいですか。私は生徒会長になるんです。そのための準備はしていますから。あなたがどんなことをしようとも無駄ですわよ」

「ちょっとまて俺は生徒会長なんかなる気なんてないぞ」


 それに、それは一年がなれるものじゃないだろう。


「あくまで白を切る気ですのね。なら、勝負で決着をつけましょう」


 駄目だコイツまったく俺の話を聞いてない。


 パリン!!


 いきなり窓から誰かが飛び込んできた。


「!?」


 今度はいったい何なんだ。


「面白そうなところに僕参上!!」


 馬鹿(うましか)だった。馬鹿(うましか)が外から三階の窓に飛び込んできた。一体どうやって飛び込んできた。


「お前何やってるんだ」

「隼人なんか面白そうなことになってるじゃないか! だから、僕が来たのさ」

「説明になってねえぞ」


 余計なお世話だ。


「ようは面白そうだからいろいろやってやろうってことだ」

「劉斗」


 厄介なことになりそうだ。この二人が関わって厄介事にならなかったことなんてほとんどてかない。


「その勝負、(オレ)が舞台を用意してやる。時間は一週間後。南雲パークでだ」


 セッティング劉斗。


「勝手に決めんな!!」

「拒否は認められん」


 劉斗お前にどんな権限があるんだよ。


「いいですわ」

「ちょ!!」

「六道隼人。決着をつけますわよ!」

「俺の話を聞けー!!」


 劉斗のせいで俺は出会ったばかりの意味不明女と勝負することになってしまった……。


「こらー!! 誰だ。窓割った奴は!!」


 今頃騒ぎを聞きつけた水原先生が走ってやってきた。


「ヤバ、逃げろ!!」


 馬鹿(うましか)が逃げる。


「お前か!! 馬鹿(うましか)!! 今日はみっちりしごいてやるから覚悟しろ!!」

「いーやーだー!!」


 馬鹿(うましか)と水原先生は走り去っていった。


「さ~て、捕まえた」


 即捕まった。早いな。もう少し逃げろよ。


「嫌だー!!」

「お前には特別な課題が用意してあるからな。覚悟しろ」

「いやあああー!!」


 馬鹿(うましか)は水原先生に引きずられて行った。


「いいですか六道隼人逃げるんじゃありませんわよ!」

「はいはい」


 あ~面倒くさい。恨むぞ劉斗。


 一週間後俺は西園寺と何か勝負をしなければいけなくなってしまったのだった。


とある戦いを再現。どうでしょう? わかる人にはわかると思います。


それにしても馬鹿(うましか)君はいつも爪楊枝を持ち歩いているのでしょうか気になります。


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