第四十六話 lastbattle
数多くの犠牲を払い俺たちはここまで来た。
「劉斗、俺は正しかったのかな」
「さあな、だか何をしてもこれが最後だ。見せてやろうぜ天才に凡人の力を」
「ああ」
そうだ。俺に弱気は吐けない。みんなこのために力を尽くしてくれただから俺も。
「勝つ」
決意を胸に俺たちは外にでた。
「やあ、私はナンバー1、神野クロードだ」
金髪青眼の男――神野クロードが現れた。
「そちらの執事とは結構楽しめたよ」
「セバスチャンズを倒したか」
神野クロードまさかセバスチャンズを倒すとは。
「よう、勢ぞろいってわけか」
小柄な特別武装風紀委員会の最高責任者風紀委員長の切夜直人も現れた。
これは本当に最後だ。
「さあ、はじめようか最終決戦を」
****
最終決戦は現実だけでなく電子の世界でも行われていた。わたしの最後の仕事はこれを見ること。
「なかなかやる~」
狭間さんと11の歌奏さんとのハッキングの電脳戦が繰り広げられている。
せわしなく続くキーボードを叩く音。いつもの狭間さんとは思ないほど真剣な表情。
「これは! まさか」
時折驚いた表情をする。わたしは機械は苦手なのでよくわからないけどどやら結構まずい状況みたいです。
「駄目、これは本当に……」
ピーーーー。
エラーが表示されていた。
11ルーム
「…………掌握」
歌奏さんが呟いた。
「……電脳の女神もこれで終わり」
その時何かが起こった。
「……え?」
凄まじい勢いでハッキングが再開された。
生徒会室
「私の脳は限りなくコンピュータと同じ構造をしているだから直接私が接続できる」
自分の手足のようにコンピュータを操る狭間さん。
「防御プログラムも攻撃プログラムもかく乱プログラムも全部私が幼稚園の時に作ったもののコピー。これしか残してないから」
どんな園児だったんでしょうか。すごく気になります。
「こんなものないようなもの」
最後の防壁を突破したようです。
「こんにちわ~、歌奏飛鳥。私のマネじゃ勝てないよ」
どうやら通信してるみたいです。
「…………もういい」
ブツン
向こうが通信を切ったようです。
「ふう~、疲れたから寝る~」
狭間さんは眠ってしまった。
仮想の戦いは終わった。
****
校庭、最終決戦。
「では、行くとしましょう」
刹那。
ただ神野が横を通り過ぎただけ。それだけで。
「ガハッ!」
神野以外は地に倒れ付した。
「ガハッ、おいおい、何されたこの」
そう言う切夜も倒れている。
「みんな大丈夫か!」
見るともとのダメージが大きかった赤羽、劉斗、琴峰はもう動けない。かろうじて変態は動いているがあまり期待しないでおこう。
「クッ、何が」
「君たちには認識すら出来まい」
確かに認識も出来なかった。
「これが神の力だ」
「神だと」
「そうだ」
「ヘッ」
「なんだ風紀委員長」
「俺は神なんか信じてねえんだ。だから貴様の力にも何かトリックがある。まあ、そうだな」
ドンッ!!
切夜に何かが叩きつけられ切夜は意識を失った。
「さて、残りはお前だけだ生徒会長」
クッ、なんだコイツは。なんだコイツの能力は。認識すらできないだと。ふざけるな。
「ふざけるなよこの野郎!!」
ふざけるな。こんな理不尽を許してたまるか。
「天才に凡人がかなわないと誰が決めた!」
『そうね』
「え!?」
『少しだけ手伝ってあげる』
俺の意識が誰かに押された。
****
どうもウメちゃんです。来てみたら物凄い状況です。隼人君の左目が赤くなってます。なんなんですかこれ。
「ふう~。あ~、ようやく完璧に出てこれたかなうん」
「立ち上がるとは貴様なんだ」
「あ~、私は××××よ。まあ、そんなのはどうでもいいじゃない」
「何?」
「隼人じゃ駄目そうだったから私が出てきただけだから。それに君はミッシングリンク。それもかなりの上位の」
「ほう、わかるのか」
「ええ、それくらいのレベルならごまんと見てきた」
「ならわかるだろう、貴様では勝てぬことが」
「ああ、勘違いしたのなら謝るけどいつ勝てないと私がいった?」
隼人君の口で隼人君ではない誰かが言う。なんでしょうどこか懐かしい気がした。
「何?」
「私はそのレベルをごまんと見てきたとはいたけど負けたとは一言も言ってないし勝てないとも言ってない」
「なんだと!!」
「アンタは自分より上のレベルの人間にあったことはないようね。それなら見せてあげましょうか。アンタがどんなレベルの者かを」
「舐めるな!!」
神野君が動く。
「終わりだ!!」
不可思議の認識不能な攻撃が襲う。
「フッ」
だが、隼人君は微笑み。ダンスでも踊るかのごとく動いた。
「なに!?」
驚愕に染まる神野君の顔。隼人君の左目が赤く妖しく輝いている。
「どうした? 私はただ動いただけよ」
「ありえない。なぜ避けられる」
「認識できないものを認識するのがこの××××の力よ」
「何を言っている」
「まあ、あなたは知る必要のないことよ。さて、正直言ってあなたを倒すなんて簡単なんだけどまだやる?」
「その余裕の化けの皮をはいでやる」
神野君が攻撃するがそれら全てをわかっているかのように動きかわしていく隼人君。
「あらあら少し雑になったわね。まあ、しょうがないか。ん、さて、時間もないことだしさっさと終わらせることにしましょうか。ふう」
右手に黒い何かが集まっていく。
「××××」
黒いないかが放出され神野君を突き抜ける。
「ぬあああああああああ!!」
「さて、そろそろ時間ね。ふう、少し力を使いすぎたかしら。ちょっと出てこれないわね。まあ、大丈夫ねこの先に危険は見えないし」
赤く輝いていた瞳が落ち着き黒に戻っていった。
****
「はっ!!」
なんだ今まで俺は何をしていた。意識が押されたと思ったらいきなり意識を失ってそれからどうしたのか。わからない。
「そうだ、神野は!」
見ると神野はボロボロで倒れていた。
「俺がやったのか?」
だが、どうやって?
「今はみんなを病院に」
「それには及ばないぞ」
「水原先生!!」
「フッ、貴様たちの仲間は全員病院に搬送した。お前もすぐに行くことだ」
「は、はい」
「待て!!」
神野が立ち上がった。
「クッしぶとい」
「このままコケにされたままだまって負けを認めてなるものか!」
「はあ~。お前の負けだ認めろ神野」
「教師ふぜいが黙っていろ」
「ふう、まったく六道」
「は、はい」
「ちょっと離れていろ」
「え!?」
その瞬間水原先生の姿がぶれた。
ドゴッ!!
「ガハッ」
「おとなしく眠ってろ」
次の瞬間には神野は気絶していた。
「さてっと」
神野を抱えてこちらに戻ってくる水原先生。どんな筋力してんですか。
「さあ、帰るぞ」
そんなわけで俺たちの戦いは終わった。
結果から言うと何も得るものはなかったいや、ひとつだけあった。どんなに勝ち目のない戦いでも仲間がいれば乗り越えることが出来ることがわかった。
幸いみんなの怪我は南雲財閥系列の病院の医師により後遺症もなく治るとのことだった。
「はあ~」
「どうしたんですか?」
病院の屋上で桜崎がとなりに座っていった。
「ああ、これでよかったのかと思ってさ……まだ、他にも誰も傷つかない方法があったんじゃないのかって」
「……」
「駄目だな」
「はい、隼人君は駄目駄目です」
「酷いな」
「結果的にみんな助かったんです。それ以上何を望むんです?」
「そうだな」
「隼人君は一人で悩みすぎですよ。もう少しみんなに相談してもいいと思います」
「そうだな。おせっかいな奴が多いからな」
「はい♪」
そうだな、壁にぶち当たったらみんなと仲間と一緒に乗り越えればいいんだな……。
「ふう、面白いほど俺のシナリオどおりだ」
「そうですかね、佐藤帝」
「それはどういうことかなウメちゃん?」
「何にもありません」
「そう、まあ、なんにせよこれで俺の計画は第二段階へ進んだ、喜ばしいことだよ」
佐藤帝が笑う。
「あははっ、あ~、もうすぐだね~、もうすぐだよ。六道隼人君。君の……君である君がための計画、輪廻計画がついに第二段階に進んだ。さあ、運命は次の扉を開ける」
佐藤帝、その身に何を望むのか。




