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天の桜が咲く頃に  作者: テイク
第三章 秋で少し休みましょう
31/69

第三十話 文化祭、祭りはどこまでも盛り上がる

 9月28日。今日は文化祭当日。体育祭と同じ時期にあったためばたばたの準備だったが何とか間に合い高校の中は活気に包まれている。生徒もやって来た人も楽しそうだ。そういう俺も……。今の格好じゃなかった楽しんでいる。


 今の現状を説明しよう。ここは1-5の教室。うん、内装は喫茶店だが自分の教室だ。俺の格好女装&メイド服。…………はあ。仕方ないとはこれはきつい。しかも店の異常性からか客が多い。さっき水原先生が大々的に宣伝してたからその影響もあるのだろう。


「ほら、六道君呼ばれてるよ」


 クラスの女子に呼ばれた。


「わかった」

「ほら、笑顔笑顔、六道君うちで一番人気なんだから」

「うれしくない」


 まったくうれしくない。


「あはは、まあまあ、お金のための生贄と思って」

「それを生贄の俺に言うのか」

「あはは」


 よく笑う女子だな。この喫茶店の店長的存在で名前は坂井命(さかいみこと)だったか。ポニーテールにした茶髪が活発そうな印象を与える。執事服を着ている。似合ってるな。ちなみに話し合いのとき黒板に書いていた学級委員女子である。


「はあ、まあ、売り上げには貢献するよ」

「よっろしく~!!」


 ああ言ったものの気乗りしないが。


『こっちいいかい?』


 客がきたので行くことにする。


「は~い!!」


 きちんと声変えて俺だとばれないように明るく。なんか赤羽に見られているがもうやけだこの野郎。

「はあ~」


 ようやく休憩時間。クラスの人数が多いので俺は見て回れる。坂井が手を回してくれたらしい。売り上げに一番貢献できたからというのが大きいらしいが。


「さて、行くか」


 きちんと制服に着替えて俺は教室を出た。


 どこも盛り上がってるな。見た感想はそれに限る。生徒会は基本始まる前と後が忙しいので当日はほとんどなにもしない。企画の司会進行はまあ、的確な奴に任せてきた。


「さて、どこから回ろうか」


 パンフレットを見るとどこも面白そうなことをやっているみたいだな。


『あっち回ろうぜ』

『あれ、面白そうじゃない?』


 生徒の会話などが溢れている。


 パチン。ピシィッ。


『持ってかれたー!!』


 財布だよな。財布が持ってかれたんだよな。


「とりあえず西園寺達とかのを見ていくか」


 西園寺のクラス1-3は。


「へ~、絵を展示してるのか」


 絵がうまい奴が多かったのかな。


「あら、六道隼人来たんですの」


 教室の前に立っていた俺を西園寺が見つけた。


「ああ」

「それなら見て行ってくださいな」

「そのつもりだ」

「では入場料200円ですわ」

「金はきっちりとるんだな」

「当たり前ですわ」


 金を払い中に入る。


「中々うまいな」


 飾られている絵は風景画や人物画など様々な種類があった。その中で俺の目を引いた絵があった。


「綺麗な絵だ」


 それは緑の丘と空を描いたものだった。澄み渡る青と緑の色。特別なものは何もないだけどそれに引き寄せられた。


「その絵が気に入りましたの?」

「西園寺か、なんとなくな。書いたのは誰だ?」

「それは……」


 西園寺が持っていたメモを確認する。


斉藤美咲(さいとうみさき)ですわ。今はいないみたいですわ」

「そうか、残念だな」

「また、いらっしゃいな、その時いれば紹介してあげますわ」

「ああ、よろしく頼む」


 そう言って俺は1-3の教室をあとにした。


「さて、次は佐藤のとこでも言ってやるか」


 佐藤の1-4は教室でマジックショーをやっていた。


「おお、隼人来てくれたんか?」

「まあ、様子見にな」

「そうか~」

「お前は客引きか」

「そうや、じゃんじゃん来てくれてるで」


 確かに適任だな。


「本当なら隼人も入れてやりたいんやけど……」

「ああ、いいよ」


 長蛇の列だ。なんとなく佐藤の宣伝能力の高さが伺える。


「ホンマすまんな~」

「いいって、じゃあまた来る」


 さて、それなら謎な新聞部のところに行こう。俺は何もやっていないのだが広い教室を貸切何かをやっているらしい。いったい何をやっているのだろうか。


 その教室にやってきた。


「狭間先輩入りますよ~」


 一応断ってはいる。


 中にはなにやらよくわからない機械で埋め尽くされていた。一応部室よりはスペースがある。中央にはコンソールがある。


「一体これは」

「あ~、隼人君~」

「狭間先輩これは?」

「仮想体感システム~」

「え?」

「正式には人の意識を電脳空間に移行させる装置」


 いや、まったく意味がわかりません。


「ん~。簡単に言えば仮想体感ゲームの試作品」

「マジですか!」

「マジ」

「何作ってるんですか!」

「基礎理論まで出来たから後は作るだけ南雲君にいろいろ協力してもらった」


 ああ、劉斗ね。


「でも、まだまだ。人間は電気信号で体を動かす。仮想でもそれは同じ。その電気信号を装置で変換してやらないと仮想に入っているうちも体動く」

「それは危ないですね」

「うん、だからこんな大型になる。もっと技術が進めば小型化できる。それこそどこからでも仮想にいけるくらいに」

「それはまた夢がありますね」

「うん~。後はより人間に近いAIの開発。とりあえずプロトタイプは完成」

「AIって人工知能のことですよね」

「うん、人間のように考えて学習するAI。でも、このままじゃこれで終わり進化しない」


 話が難しすぎてわけがわからない。


「既存のコンピュータじゃ限界新しいハードが必要。これは私の仕事じゃない」


 いやいや、話がわかりませんって。


「ふう、じゃべり疲れた。とりあえず実験実験」

「まさか! ここで展示してたのって実験のため!?」

「あたり~」

「うわ!」


 押し倒されコンソールに寝かされてヘッドギアをつけられてしまった。


「いい夢を~」

「ちょっま!!」


 どこかに引っ張られる感覚の中俺の意識は落ちていった。


「うっ!」


 再び目を開けるとそこは見慣れない幾何学模様の空間。


「ここは一体?」

「大丈夫~?」


 どこからともなく狭間先輩の声が聞こえてくる。


「え? あ、はい、大丈夫みたいですけど」

「実験成功~」

「……」

「歩いてみて」


 歩くったって。この幾何学の空間で歩くね。歩いてみる。床らしきものはあるらしく堕ちるなんてことはない。


「うん、よさそう」

「これでどうするんです?」

「とりあえずデータはとれたからもういい、戻る?」

「じゃあ、戻して下さい」

「わかった~」


 引っ張られる感覚を感じながら意識は戻った。


「ふう」

「何か違和感は?」

「特にないです」

「そう、良かった」

「じゃあ俺は他のを回って来ます」

「うん、待たね~」


 ふう、あの人は一体何をしているのだろうか。まあ、楽しそうだからいいんだけど。


「さて、いつの間にか昼か」

「あら、隼人こんな所にいたの? びっくりね」

「赤羽か俺はお前の格好にびっくりだよ!!」


 赤羽の格好はモコモコした羊の着ぐるみだ。容姿的にはかなりの破壊力でやばい。だが、イメージ的には何を企んでいるのかわからない。怖さを感じる。


「かわいいでしょ」


 確かにかわいいよ。いつもの赤羽は可愛いと言うより綺麗だからなかなり新鮮だ。


「何を企んでいる」

「別に何もないわよ」


 もしかしてコイツ可愛いもの好きなのか。ありえるな。


「じゃあ行くわ」

「唐突だな」

「頑張ってね」


 何やら意味深な感じで言って赤羽はどこかに行った。


「何をやってるんだよ」


 その時。


「隼人ー!!」


 メイド服の馬鹿(うましか)が走って来た。


「ラリアットー!!」

「ふげあっ!!」

「ふう」

「ふう、じゃないよ!! 何するんだよ!!」

「変態が走ってきたからな」

「仕方ないじゃないか!! 制服なんだから。それより早く来て!!」

「待て何があったんだよ」

「隼人目当てのお客さんが暴動を起こしそうなんだよ!!」


 気が遠くなった。


「行かない」

「駄目だよ、坂井さんも必ず連れて来いって言ってたから」


 逃げたら暴動行ったら地獄。駄目だどっちも最悪だ。


「さあ、行こう」

「嫌だー!!」


 俺は無理矢理連れて行かれてしまった。教室の前には長蛇の列。


「いや~ごめんね~。六道君目当てのお客さん多くてね」

「まったくうれしくないな」

「あはは、まあ、そう言わずに頼むよ」

「まあ、クラスのためだ。やってやる。それにここで暴動でも起こされたら困る」


 俺はいやいや(ここ大事)着替えて接客に回った。ん? 何か接客の人数が多くないか?


「やあ、隼人君」


 佐藤帝がそこに居た。


「何しに来た」

「酷いな~。俺は純粋にお客さんとしてここに来たんだよ」

「怪しいな」

「君の俺に対する印象ってどうなってるんだ?」

「最悪です♪」


 営業スマイルで言ってやった。


「グフぅ」


 おお、吐血するほどの破壊力か。少しはストレスの解消になったな。


「ま、まあ、いい。うん、それじゃあ、メニューを見せてもらえるかな」

「ほれ」


 投げて渡す。


「クッ、俺は怒らないぞ~。こんなことじゃこの世界一器の大きな佐藤帝様は怒らないぞ~」


 佐藤帝がメニューを開いた。メニューには死になさいゴミ屑と書いてあった。


「ゴフッ」


 おお倒れた。赤羽が書いたやつだがこんなところで役にたつとはな。


「ふふふ赤羽かやってくれる。とりあえず隼人君このコーヒーとナポリタンを」

「カシコマリマシター、ゴシュジンサマー」

「めっちゃ棒読みだよね、カタカナで表示されてるよねぇ!!」

「ソレデハオマチクダサイ」

「読みずらいよ!」


 佐藤帝を無視して調理場にオーダーを伝える。


「ほう、佐藤帝か、ならこれを持っていけ」


 劉斗が何の変哲もないナポリタンを取り出した。


「もう出来てたのか?」

「これはあの赤羽が作った何が入っているのかよくわからないナポリタンとコーヒーだ」

「……そうか、持っていこう」


 曰くつきの料理を佐藤帝に運ぶ。


「お待たせしました」

「早いよ。まったくまってないよ。それに棒読みじゃなくなったよね。なんか嫌な予感がするんだけど」


 勘が鋭いな。なら。


「食べてくれないの?」


 プライドを捨ててお願いである。


「食べます!!」


 おお結構効いたみたいだな。ただ、なんか真っ赤になってるのが不愉快極まりない。


 佐藤帝が一口食べた。


「お! 割とふう……ごばあ!!」


 人の口から出るとは思えないような音が出たな。慌てて佐藤帝がコーヒーを飲むが。


「ぐへえ!!」


 コーヒーもないやら大変なことがあったらしい。テーブルに突っ伏して動かない。


「やりすぎたか?」


 さすがにこの噂が広まったらまずいがされどうしようか。と思っていたら佐藤帝が起き上がった。


「……こ、これは?」

「赤羽が作った奴だ」

「これは予想外だ。か、帰る」

「そうか、半額でいいぞ」

「そ、れじゃないと割りにあわない」

「ナポリタンとコーヒー合わせて千円だ」

「あ、ああ」


 佐藤帝は千円を払って教室を出ていった。


「あはは、あの人余分に払ったのに気がついてないよ! あはは!」


 坂井は様子を見ていたらしく綺麗な声で笑っている。実際はコーヒーは200円。ナポリタンが400円だ。劉斗が超安く仕入れてきたおかげでもある。


「それほど赤羽スペシャルが強烈だったんだろうさ」


 食べなくて良かったとしみじみ思う。


「さて、他にもお客さんはいるんだからしっかり働こう!」

「へいへい」


 気が進まないがこのだいぶ減ってきたがまだ列が出来ているこの列を何とかしない限り休むことも出来ない。


「すみませ~ん」

「ほら、六道君いってらっさい!」

「はいはい」


 呼ばれたところに行くと永城先輩が居た。


「おや、可愛いですね六道君」

「お願いですから可愛いは言わないでください」

「すみません。でも本心ですよ。可愛いです」


 さわやかな笑みで言われた。


「……」


 なんとコメントすればいいんだろう。


「それにしても帝はどこに行ったんでしょうか?」

「さっきここにいましたけど」

「おや、そうなのですか」

「ええ、さっき食べ終わってどこかに行きました」

「そうなのですか」

「はい」


 正直にどうなったのかは言えないな・


「では、注文いいですか?」

「はいどうぞ」

「では、コーヒーと紅茶とサンドイッチそれとホットケーキ。カレーライスそれからスパゲティにケーキとそうですねメニューを全部お願いします。五人前で」

「そ、そんなに食べるんですか」

「ええ、お願いします」

「少々お待ちください」


 オーダーを伝える。


「あの元副会長は大食漢だからな」

「作れるか?」

「大抵のものは作ってあるほら持っていけ」


 何でこうすぐに出来るのか知りたいと思った。


「お待たせしました」

「おや、早いですね。うん、おいしそうだ」


 全ての料理を並べる。うんよくテーブルに乗ったな。


「それではいただきます」


 すごい勢いでなくなったね。その時間10分。


「ご馳走様でした」


 会計を済ませて永城先輩は出て行った。会計12340円。


「あははっ、すごい人だったね~」


 坂井が笑うのもわかる。


「さて、じゃあまだまだ、多いからね、がんばらないと」

「すみませ~ん」

「は~い」


 俺は次の客の接客に行く。


「おお、マジで女装しとったんやなあ」

「お似合いですわよ六道隼人」

「おお、可愛いぞ先輩!」

「可愛い言うな!」


 佐藤、西園寺、琴峰が来た。


「マジで似合っとるんやからええやん」

「良くない」


 なのに客は言いというわけわからんな。


「まったく来ないと思ったらこういうことだったんですのね」


 西園寺の来ないというのは絵のことだろう。


「悪いな」

「いいんですわよ。クラスの方が大事ですので」

「俺はこのクラスはもう嫌だと思う」

「あら、才能の有効利用ではありませんか」

「こんな女装の才能はいらない」

「でも、これを考えた人はなかなか人を見る目がありますわね」


 いや、ただ面白そうだったからだと思う。


「うん、先輩可愛いぞ」

「頼む琴峰少し黙っておいてくれないか」

「しかし、本当にかわいいのだから仕方がない。それに先輩の女装はどんなものでも可愛いという準備はしている」

「いやな準備だな!!」

「家で勉強する間も惜しんで練習したからな」

「お前は本当に受験生か」

「大丈夫だ。狭間先輩の計画通りにやっているからな」

「そんなのもらったのか?」

「ああ、今日は休みだ」


 狭間先輩こういうことするならいつもやってください。


「それでご注文は?」

(わたくし)はコーヒーを」

「うちは紅茶にケーキを」

「私は紅茶とホットケーキをお願いする」

「はい、お待ちください」


 オーダーを厨房に伝える。


「出来てるぞ」

「何でだよ!!」

「見ろ」


 見るとセバスチャンと山田君(仮)と衛間宮が物凄い勢いで料理を作っていた。


「……」

「ということだ」

「……そこまでやる必要があるのか?」

「金儲けは本気だ」

「そうかよ」


 とりあえず注文されたものを持っていく。


「あら、早いんですのね」

「おお、すぐかこれが人気の秘密なんやな」

「うむ、さすがだな先輩」

「厨房は三人なんだがな」


 小声で言った。どうりで接客の人数が多いと思った。


「味も中々ですわね」


 コーヒーしか頼んでないぞ西園寺。


「これはうまいわあ、レシピ聞きたいわ」

「うむ、うまいな」


 それぞれの感想をいただきながら三人は会計を済ませてほかの場所に行った。

 その後客がいなくなったのは一日目が終わったときだった。


「つ、疲れた~」


 イスに座り込んだ。ほぼ一日中働きづめだったのだ疲れるのは当たり前だ。ちなみに着替えてるよ。


「お疲れ~」


 坂井が缶コーラを渡してきた。受け取って一気に飲みほす。


「良い飲みっぷり」

「あのな……」


 そこで坂井を見た。執事服を着替えた制服で髪を解いている。一瞬ドキッとしてしまった。


「ん? どうしたの?」

「い、いや、なんでもない」

「そう? また明日もあるし、気分とか悪いなら言ってよね」

「ああ」


 そうだった。明日もあるんだったな。だが、今日よりは楽なはずだ。


「さて、私は少し片付けとかあるからじゃあね。今日は早めに寝ることいいね」

「ああ、わかってるよ」

「あははっ、そうだね。じゃあね」


 坂井はそのまま他の人のところに行った。


「お疲れ様です」

「桜崎か」


 忙しすぎて今日ははじめたあった感じがする。


「すごかったですね」

「明日はそうならないことを祈る」

「あはは。でも、楽しいですね」

「騒ぎすぎな気がするよ」

「いいじゃなですか」

「まあ、何も問題はないな」


 俺目当ての客以外は。


「明日もがんばりましょう」

「ああ、そうだな」


 二日目への決意も新たに帰宅した。


うら☆てん


作「いえ~い……」


琴「誰もいないな」


作「……」


琴「文化祭で忙しいのだろうな」


作「今回はここで終わります」


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