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天の桜が咲く頃に  作者: テイク
第二章 夏は出会いと謎と、何かが深まる季節
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第二十三話 合宿最終日思い返せば遊んでばかりだった

 7月24日、合宿最終日。


「さて、今日で最終日だが、今日はおみやげでも買ってこい」


 食堂で朝食を食べ終えた後水原先生が宣言した。考えれば遊んでばっかだった気がするな。

実際そうなのだが。


「この辺に買える所とかあるんですか?」


 桜崎が水原先生に聞いた。そりゃすこしはあるだろうが。


「ああ、ここから山沿いに二十分言ったところにお土産屋通りがある。あと、ここのエントランスにも少しは売ってあったはずだ」


 お土産屋通りってなんだ? まあ、想像はつくが。なんでそんなものがこんな辺鄙な場所に作られてるんだよ。


「そうなんですか」

「なんで作られたかというとまあ、町興しだろ」


 心を読まないでください。しかし町おこしねだが、この様子なら失敗したんだろうな。


「読心術は教師に標準装備されている」

「そんな装備はいらない!!」

「まあ、危険なこと以外はなんでもやっていい。ただし規則は守れ。以上解散 帰りの電車の時間までには戻れよ」


 駅まで海沿いを歩くこと30分も歩くことになるからな遅れないようにしないと。


「じゃあ、行きましょう隼人君」


 桜崎が隣に来ていった。


「なにをだ?」

「何ってお土産を買いに行くんですよ」

「一人で行け。俺は行かない」

「駄目です。隼人君も行きましょう。せっかく来たんですからお土産くらい買わないと罰があたります」


 そんなことで罰を与える神様がいるとは思えない。いや、お土産の神様以外か。お土産の神様がいるのかわからないが。どうなんだろうな。日本には八百万の神様がいるというからな案外いるのかもしれない。


「断るといったら」

「行くというまで離しません」


 いつの間にか桜崎に腕をつかまれている。こいつこんな性格だったか? 変わったな最近。いいことなんだろうが俺に被害が来るのだけは勘弁して欲しい。


「はあ~。わかったよ。いきゃあいいんだろいきゃあ」

「じゃあ、行きましょう!!」


 そんなわけで桜崎とお土産を買いに行くこととなった。


「本当に土産屋ばっかだな」


 お土産屋通りに来た。本当にお土産屋しかない。


「いろいろ間違ってるだろこれ」


 寂れてるし。まだ営業しているのが奇跡みたいだ。


「時々観光客の一団がくるそうなのでなんとか持っているそうです」


 パンフレットを見た桜崎が言った。観光団のみなさまは物好きばかりなんだろうな。


「それで大丈夫とは思えない」


 通りがどこかの西部劇の寂れた町みたくなっているぞ。これで西部劇の撮影が出来るんじゃないのか?


「じゃあ、行きましょう」

「行くのかよこの廃墟に」

「買わないともったいないですよ!!」

「ちょっ!! ひっぱるな!!」


 近くの土産屋に入った。営業しているのが奇跡的な割りに品揃えは豊富だった。


 聞けば南雲財閥が援助してくれているとか。一体南雲財閥はなんでこんなところに援助してんだよ。


 そのあとあらよあらよと様々な店を回らせれ俺はその荷物持ちにされていた。


「おい、まだ行くのか」


 持っている土産の箱がぐらぐらゆれている。マンガでしか見たことないような荷物のつみ方が再現されている。これかなりきつい。


「ん~、こんなものでしょうか?」

「なら、そこで休憩するぞ。そろそろ崩れそうだ」

「そうですね」


 眺めのいい休憩所に向かい荷をおろした。崩れるかと思った。どこからか荷台を借りたいな。


「ふう」

「お疲れ様です」

「まったく、一体こんな量どうするんだ?」

「お土産ですよ」

「なら少しは自分で持て」

「私は選ぶのでいそがしいので」

「お前な~」


 まったく。


「あははは」


 まったく。それにしても……。


「あ、そうだ」


 考えごとをしていると桜崎言った。


「今度はなんだ?」

「いえ、忘れるといけないんで渡しておこうと思って」


 桜崎が俺に貝殻のキーホルダーを目の前に出してきた。


「なんだこりゃ?」

「何って隼人君へのお土産です」

「なんで俺に」

「いいじゃないですか。お礼です。荷物持ってくれた」

「そうかよ。あんだけやってキーホルダー一個か」

「あはは、まあ、後は気持ちってことで」

「何が気持ちだ。まったく。まあ、もらっておく」


 キーホルダーを受け取る。


「はい。大事にしてくださいね」

「ああ、たぶんな」


 そういや人からプレゼントもらったのっていつ以来だろうな。


「それならほら」


 俺はストラップを投げてわたす。


「わったた!!」


 よくわからないネコのキャラクターのストラップだ。


「うわ~、ありがとうございます。携帯につけますね」


 俺の目の前でつけやがった。


「大事にしますね」

「好きにしな」

「それにしても楽しかったですね」


 桜崎が呟く。


「本当に楽しかったです。楽しすぎて不安になるくらい」

「そうか? 騒ぎすぎで疲れた気もするが」

「でも、楽しかったですよ。これも隼人君のおかげです」

「何で俺のおかげなんだよ」

「隼人君と会わなかったらこんな体験できなかったからです」

「そうか」


 それを言ったら俺はどうなるんだろうな。お前がいなかったら俺はこんなこと出来なかったのかね~。まあ、わからないな。


「はい」

「大げさすぎだ。第一お前が自分で勝手にやったことだ、俺は関係ない」

「でも、隼人君のおかげです。ありがとうございました。さて、そろそろ時間も時間なので部屋に戻りましょう。そろそろ変える時間です」

「そうだな」


 再び荷物を持って宿泊施設に戻った。


「よし、全員揃ったな帰るぞ!!」


 来た道を戻り新幹線に乗り、俺たちは家に帰った。


 思えば遊びしかしてないような合宿とも言えない合宿だが、絆は深まったと俺は思う。


 俺は家に帰って桜崎からもらったキーホルダーを見ていた。


「とりあえずしまっておくか」


 机の中にしまった。


「さて、これから何をしようかな」


 退屈はしないさ。あいつらとならな。


うら☆てん


隼「思い返せば遊んでばかりだったな本当に」


作「そうだね~」


隼「どうしてこうなった?」


作 「だって大抵合宿を真面目にやろうとしても遊びになるじゃん」


隼「それは作者だけだ!!」


作「まあまあその話は置いて置いて次回ついにあの人が登場します」


隼「あの人?」


作「君がもっともよく知るあの人だよ」


隼「まさか!?」


作「そのまさかだよ」


隼「アイツが帰ってくるのか!!」


作「うん、そうだよ頑張ってね」


隼「待て!! 俺はどうなるんだ!!」


作「大丈夫。悪いようにはしないから」


隼「何か起きるんだな!! そうなんだな!!」


作「次回隼人の運命は如何に」


隼「どうなるんだ~!!」


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