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天の桜が咲く頃に  作者: テイク
第二章 夏は出会いと謎と、何かが深まる季節
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第二十一話 肝試し 綾崎夕菜と佐藤美由紀の場合

「じゃ、行ってくんで~!!」


 うちは知りおうたばかりの夕菜と肝試しに出発した。うん、なかなかの雰囲気や。楽しみやな~。


「さ~て、どんなのが出てくるんやろな?」

「水原先生だからあまり油断しないほうがいいと思う」

「やろな。みずっちはうちのクラスでも有名やからな」

「そうなんだ」


 みずっちはすごいでホンマに。簡単に言うとそやなレベル一でラスボスを倒すくらいすごい。


「まあ、自分らの担任やからわかってる思うけどな」

「主に洋平とかとがよくわかってると思う」


 あ~、やっぱりな~。あの学年一のバカはいろいろ問題をおこしてるいうしな。いや、世界一やったか?


「ホントばかよね洋平の奴」


 うん、これは間違いないな。うん、うちのレーダーがそういっとる。


「なあ、なあ、いままで、というか二日くらいやけど見といて思ったんやけどな」

「なに?」

「自分好きな人でもおるん?」

「な、なななな、何言ってんのよいきなり!!」


 お~、この反応当たりやな。好きな奴絶対おるで。


「いや、気になってな」

「そ、そんなわけないじゃない」

「そうなんか」


 しかも、素直やない。これはこれは重度のツンデレと見たで。


「そ、そうよ。別に洋平のことなんてなんとも思ってないんだから」

「うちは個人名は出したおぼえないんやけどな~」

「う!」


 夕菜が目をきょろきょろさせとる。決まりやな。夕菜は馬鹿(うましか)のことが好きなんやな。


「大丈夫やまだ、誰にも言ってへんし」


 まあ、全員気づいてるともうけどな。


「だだだだからそんなんじゃないって!」

「隠すことやあらへんて、恋は乙女の特権や!! 誰にも邪魔する権利はない」


 それでもまだ納得していないのかまだ、うなってる。いい加減認めたらええのに。認めたら楽になるのに。うちも面白いのに←関係ない。


「それにうちなら相談にのれる思うんやけど」


 ホンマは恋愛経験なんてあらへんけどな~。


「……あのさ、あくまで友達のはなしなんだけど」


 これは大体が自分の話のパターンのやつや。これはおもろいで。


「好きな人がいるんだけどいつもその人のことを見ると緊張して殴ったりしちゃうんだけどどうすればいいと思う? あ、あくまで友達の話だから」

「そうやね~」


 ここはうちのお笑いの血が笑いに走れといってるけど今は我慢や相談にのるって言ってしまったからきちんとせなあかん。ちなみに我慢せんかったら諦めろいうわ。


「一回深呼吸したら落ち着くんやない?」

「そうか。でも、今までいっぱい嫌がらせとかしたけど大丈夫かな~」


 もう、普通の相談やね。まあ、ここも真面目に行こう。ちなみに笑いに走るとぜんぜん大丈夫じゃないって答えるわ。絶対。


「大丈夫や、あのバカはそう簡単に人を嫌いにはならんと思うで」

「そ、そう?」

「そうや」


 それがうちが見た印象やな。まあ、たぶん馬鹿(うましか)の中では夕菜は女の子にカテゴリされてへんと思うけど。絶対化物にカテゴリされとるで。でもそれは言わへんどこ。うちの安全の為に。


「それから、たまに女の子らしいとこ見せたら好感度アップ間違いなしや」


 でも、馬鹿(うましか)なら何か企んでるんやないかって疑いそうやな。絶対疑うなうちなら。


「うん、友達に言ってみるよ」


 まだ、その設定生きとったんやな~。ええかげんみとめりゃいいのに。


「まあ、最後は勇気だけや。恋は盲目言うさかいあまり難しく考えずに行ったらええんちゃうか?」

「そっか、そうだね」


 夕菜が決意したようにうちの方を向いた。何を言うんや?


「実はさっきの質問何だけどあれ私のことなの」


 何やそんなことか。そんなん最初から分かっとったわ。でもま、そこは驚いたフリをしとこか。


「そうなんか」


 あかんあんま驚いたふりできへんかった。まあ、大丈夫やろう、恋する乙女は盲目やからな。


「うん。で、これからも相談に乗って欲しいの」

「ええで、うちでよければまた、相談に乗っちゃる」


 と話しとったらいつの間にか祠の前に着いとった。話すのに夢中でどんな仕掛けがあったのかわからんかったわ。


「あった」

「よし、エンブレムもとった。さっさと帰るで」


 さてUターンで帰るとするか。


「で、いつ告白するんや?」

「こここここここ告白!?」


 動揺しとるな。面白いわ~。


「そうや、馬鹿(うましか)にせんのか?」

「う、あ~う」


 おお、うなっとるうなっとる。


「したいけどできへんと?」

「う、うん」

「直接言えへんのやったら手紙にするとかしたらどうや?」


 それでも、馬鹿(うましか)は何かたくらんでるんやないかって疑いそうやな。これ二回目やな。


「でも……」

「失敗を恐れたらあかんで。失敗を糧にするものが成功するんや」


 それでも駄目なときは駄目やけどな。うん。


「う、うん、やってみる」

「そうや、そのいきや」


 それにしてもみずっちはでてこんな~。もう、ゴールやし。


****


 一方、その頃水原先生は――。


(恋話……出て行きにくい。なんか出て行ったら物凄く嫌な感じになりそうだ。ドン引きされそうだ。うん、出て行かないでおこう)


 遠慮していた。水原先生は空気の読める先生だった。


****


「お、帰ってきたか」


 綾崎と佐藤が帰ってきた。


「楽勝やったで。というか何も出てこんかった」

「そうなのか?」


 セッティングの水原先生は何をしていたんだろうな。遊んでたのか?


「お帰り」


 水原先生が山から出てきた。


「みずっちなにやっとったんや」

「いや、いろいろ事情があってな」


 なんだよ事情って熊でもでたのか? やっかいごとだけはやめてくれよ。


「そうなんか? まったく、ほらエンブレムや」

「確かにじゃあ、最後だ六道、狭間行って来い」


 ようやく、俺たちの番になり出発した。


うら☆てん


肝試し後


佐「いや~楽しかったな~」


隼「でも、何も出て来なかったんだろ?」


佐「ん? ああ。その話やないで」


隼「じゃあ何の話なんだ?」


佐「企業秘密や」


隼「何だそりゃ」


佐「女の子には秘密が多いんやで」


隼「企業秘密って言ってただろうが」


佐「細かいことは気にしたら負けや」


隼「あっそう」


佐「まあ、次回は告白があったりなかったり」


隼「どっちだよ!!」


佐「崖から落ちたり落ちなかったり」


隼「どんな状況!?」


佐「でも、やっぱり肝試しだったり肝試しじゃなかったり」


隼「だからどっちだよ!!」


佐「でも、やっぱり肝試しだったりして」


隼「最初からそう言えよ!!」


佐「じゃほなな~」



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