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天の桜が咲く頃に  作者: テイク
第二章 夏は出会いと謎と、何かが深まる季節
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第十五話 海の家の衝突で得られたのは後輩の尊敬?

 バーベキュー開始から10分俺は海の家に買い出しに行かされていた。


 水原先生の命令でいろいろ買って来いとのことだ。


 馬鹿(うましか)に行かせれば良かったんだが水原先生にスイカ割りのスイカに使われて無理だから俺が行かされたのだ。……よい子はマネするなよ。


「早すぎるだろ。てか、こんな辺鄙な場所に海の家なんてあるのか――ってあったし」


 あった。ちょっと離れた位置に。


「こんなとこにあって繁盛してるのか?」


 してなさそうだ。


「行くか」


 その時誰かの叫び声が聞こえた。


「そこの人~!! 退いてくれ~!!」


 振り返った瞬間誰かが俺に突っ込んできた。かなりの速さで突っ込んできたらしく俺は突っ込んできた誰かと一緒に吹っ飛んだ。咄嗟に突っ込んできた誰かを抱きしめ地面に激突する衝撃を殺す。


「グハッ!!」


 息がとまりかけた。


「おい、大丈夫か?」


 突っ込んできた奴に言う。


「ああ、私は大丈夫だ。そ、それよりその離してくれないか」

「ああ!、悪い」


 離して立ち上がる。


 見ると突っ込んできたのは青みがかったショートヘアの黒髪の女の子だった。ブラウンのショートパンツに黄色のTシャツを着ている。何やら大きな荷物を背負っている。


 全体的に活発そうな印象をうける。


「本当に申し訳ない。怪我などしてないか?」

「いや、大丈夫だ砂浜だったからな。それより何で走ってたんだ?」


「本当に申し訳ない。怪我などしてないか?」


 突っ込んできた女の子が言った。


「ああ、大丈夫だ砂浜だったからな。それより何で走ってたんだ?」

「私は電車賃がなくてな桜夕町から走って来た」

「はあ!? ここがどんだけ遠いと思ってんだよ」


 新幹線で二時間の場所だぞ。


「うむ、確かに二時間半かかった」


 化物かコイツは。


「で、お前――」

「お前ではない琴峰空(ことみねそら)だ」

「あ、ああ。俺は六道隼人だ。それで琴峰いったい走ってまで何しに来たんだ?」

「今年で中学も卒業だからな思い出作りだ」


 ってことはコイツ今年受験じゃないのか?


「琴峰お前今年受験だろ」

「そうだが。それがどうかしたか?」

「大丈夫なのか」

「大丈夫だ」


 自信満々に言う琴峰。


「聞くがどこ受けるんだ?」

「彩上高校だ」

「よりにもよってうちかよ」


 いくら馬鹿(うましか)でもとおるからと言っても夏休みは勉強しないと受からない。


「ん? まさかあなたは彩上高校に通っているのか?」

「ああ。そうだ」

「なら、先輩と呼ばなくては!!」


 気が早すぎだろ。


「いや、別にまだお前の先輩じゃないから」

「いや、年上は敬わなければいけない。それにぶつかってしまったからな」

「それで何で先輩なんだよ」

「誰だって人に様付けでで呼ばれるのは恥ずかしいだろう? その点先輩は嫌がられることなく年上を敬うことができる」

「様で呼ぶ気だったのかお前は」

「当たり前だ。だが、そういうのが嫌そうだったから先輩にしたのだ」


 意外に考えてやがった。


「そうか。なら、俺は用事があるから目的を果たせよ」

「いや、お供させて貰おう六道先輩! 不肖この琴峰空、命を賭けてあなたに慕えよう」


 どこの時代劇だ。そんなのはいいよ。疲れそうだからな。


「いやいい。どうせそこの海の家で少し買い物するだけだ」

「あの売れてなさそうな海の家か。うん了解した。荷物持ちでも何でもやるぞ」

「いやいいよ。やらなくて」

「それじゃあ私の気が済まない。絶対について行くぞ」


 何言ってもついて来そうだな。


「わかったよ勝手にしろよ」

「うむ。それならこれを言わないとな」

「?」

「琴峰空が仲間になった」

「どこのRPGだ!」


 とノリツッコミをやりながらも海の家へ。


 海の家には誰もいなかった。


「すみませ~ん!」

「は~い!!」


 物凄い速さで返事が返ってきて店の人が出てきた。


 エプロンをつけた灰色のセミショートの髪の女の子だ。


「よかったわ。ようやくお客来てくれたわ! このまま来んかったらあのオッサンどないしてくれようか考えとったところや!」


 テンションが高い女の子だ。それに泣きそうなほどうれしがっている。


「まあ、いっらっしゃい。なんでも言ってええでうちが腕によりをかけて作ってやるさかいな」

「あんた店の人か?」


 俺と同い年位に見える。


「いや、うちはアルバイトや。あのオッサンがかなり儲かる言うとったから来たんやけどあのオッサン逃げやがったんや! 買い出し行くとか言って。仕方あらへんからうちが店番しとったらあんさんらが来たんや。もうほんま感謝や!」


 なるほど。てか、人がいなさそうなのは話聞いた時点でわかりそうだが。てか、そのオッサンは誰だよ。


「で、何頼むんや?」


 俺は頼まれたものを言った。


「ちょっと待っとってな。すぐ作るさかい」


 手際良く作り始めた。


「そうや、うちの名前は佐藤美由紀や彩上高校の一年や。ってあんさんどっかで見たことあるな~」


 ん? 佐藤?。そういやなんかあのクソ元会長に似ている気が。


「兄貴に任命された新会長!?」

「佐藤帝の妹!?」

「ん? どういうことだ?」


 琴峰を置いてけぼりにして話は進む。


「なんや~。そっかそっか~。えらい偶然やな~」

「そうだな。悪いがお前の兄は嫌いだ」


 この辺りはきちんとしておかないとな。


「うちの兄貴が迷惑かけたみたいやな。うちから謝るわすまん」

「いや、お前に謝ってもらう必要はない。今度あったらぶん殴るからな」

「さよか。なら思いっきりやってくれや! うちも昔から兄貴には酷いめにあわされたからな」

「ああ。そのつもりだ」


 うん話があうな。いい友達になれそうだ。話ながらも佐藤は注文の品を作り終えた。


「よっしゃ出来たで! それにしてもそんなん一人で持てるんか?」

「大丈夫だ私が持つからな」


 琴峰が言った。


「だそうだ」

「そうか、ならうちも手伝うで」

「助かる。だが、いいのか店は?」

「大丈夫以外ないやろ」


 確かに大丈夫いがいの何者でもないな。


「……だな」


 そんなわけで三人で運ぶ。楽だな。人がいるって。


「お~い、買って来たぞ」

「遅かったね――って!?」


 馬鹿(うましか)が後ろの2人に気がついた。


「遅いと思ったらナンパか隼人ー!!」


 説明せずに何でそこに行く。


「違う!!」

「ならその2人をどう説明する!!」

「どうってさっきそこで――」

「やっぱりナンパかぁー!!」


 説明させろ。


「話を聞けぇ!!」


 馬鹿(うましか)をぶん殴る。


「グハァ!!」


 馬鹿(うましか)が倒れた。少し強く殴りすぎたか。


「な、なあ六道先輩なにやら目の前の人が動かなくなったのだが?」

「大丈夫だ」

「そうや、こういうバカキャラは行が変われば復活するはずや」


 佐藤が言ったとおり馬鹿(うましか)は立ち上がった。わかってるな佐藤は。


「冗談は置いておいて」


 馬鹿(うましか)が言った。


「さっきまでの態度と逆だなおい」


 この変わり身が世渡りに役に立っているようです。


「で、二人は何なの?」

「うちは、佐藤美由紀、あの海の家のバイトや」

「あの今にも潰れそうな?」


 正直にいいすぎだろ馬鹿(うましか)。


「あんさん馬鹿そうな顔して凄まじい毒吐く奴やなあ。けどまあそうや」

「そしてあの帝会長の妹と」

「よくわかったなあ」

「当たり前だよ!」


 馬鹿(うましか)が胸を張っていった。


「僕は全学年の可愛い女子のことは全部わかるからね」


 プルルルルル。


 佐藤が携帯を取り出して電話をかけ始めた。


 ガチャ


「あ、お巡りさん? ここにストーカーがいます」

「いやいやストーカーじゃないから!!」


 馬鹿(うましか)が携帯を奪って電話を切った。


「チッ! けどあんたが変態だと言うことはわかるわ!」

「違うよ! 仮に変態だとしても変態という名のジェントルメンだよ!!」

「どの道変態やないかい!!」


 スパーン


 佐藤がどこからか取り出したハリセンで馬鹿(うましか)を叩く。


「「どうもありがとうございました~」」

「いや~、今日もええかんじやったなあ」

「うん、そうだね」

「何漫才やってんだ!!」


 思わずツッコまずにはいられなかった。いつの間に漫才になりやがった。


「ナイスツッコミや。これならトリオ漫才もいけるなあ」

「話聞けよ」

「そうだね」

「で、どや?」

「やるわけないだろうが!! それよりふざけるな!」

「ちょっとしたジョークやったんた堪忍してや」


 可愛くいっても駄目だぞまったく。


「それでそっちの子は?」


 琴峰をさす馬鹿(うましか)。


「私は琴峰空。六道先輩の奴隷だ」

「隼人貴様ー!!」


 馬鹿(うましか)が殴りかかってきた。


 それを避けてカウンターを放つ。


「ぎゃ!!」


 面白いように馬鹿(うましか)は吹っ飛びそして動かなくなった。


「大丈夫なのか?」


 琴峰が心配そうに言う。


「大丈夫や、次の行で復活するはずや」

「でも、動きませんけど」

「……」

「……」


 馬鹿(うましか)は動かない。


「これは、ホンマに殺ってしまったんやないやろな?」

「殺ってしまったかもな」

「ちょ! それはまずいやろ! すぐに助けを呼ばんと!!」

「今までツッコミで散々叩きまくってた奴がなに言ってやがる」

「人の生き死にでは笑えん!!」


 妙なところで常識が勝つ奴だな。珍しい奴だな。


「起こす方法はあるにはあるんだが」

「おお! ならはようやろうや」

「俺じゃ無理だ」

「なして?」

「簡単に起こす方法。それは女にしかできないからな」

「何や。それは?」

「それはこのバカにキスすることだ」

「できるかー!! あんさんならまだしも!!」

「最後なんていった?」

「なんでもない何でもないんやー!!」


 混乱する佐藤。


「まあ、落ち着け冗談だ」

「この!」

「さっきのお返しだ。さて、じゃあ、さっさと起こすか。劉斗ー!」


 劉斗をよんだ。すぐに来た。


「なんだ戻ったか。で、その二人はなんだ」

「事情は後で話すさ。とりあえず馬鹿(うましか)を起こしてくれ」

「いいだろう」


 馬鹿(うましか)と違い劉斗は何も言わなかった。劉斗がセバスチャンを呼び何かを話している。


「さて、少し離れておくぞ」

「ん? なんでや」

「巻き込まれるからな」


 そう言って二十メートルくらい離れる。


「この辺りでいいかな」

「ああ、大丈夫だ」


 劉斗が何かのスイッチをもって来ながら言った。


「さて、行くぞ」


 劉斗がスイッチを押した。


 その瞬間、上空から光の柱が馬鹿(うましか)に降り注ぐ。


「ななななな!! なんやあれは!!」

「南雲製衛星レーザーだな」

「はあ!?」

「大丈夫ですじゃ。きちんと加減はしてありますので」


 それでも死ぬと思うんだがな。


「それに洋平があのくらいで死ぬわけない」


 その言葉通りレーザーの照射が終わると馬鹿(うましか)は立ち上がった。


「劉斗ぉぉー!!」


 そして劉斗に向かって突っ込んできた。だが、セバスチャンに止められる。


「ほらな」

「化物やなぁ」


 確かに他の人間から見たら化物だろう。


「すごいな。さすが先輩。私とは既に次元が違うのだな」


 と若干一名かなり誤解しているようなことを言った。でも、まあコイツも化物の部類だからな。


「で、この二人は何だ?」

「ああ、それは……」


 劉斗に今までのことを話した。


「そうか。化物とあのクソ会長の妹か」


 こいつ人を化物扱いしやがった。俺もした気がするがノーカンだノーカン。


「うむ、琴峰空だ」

「佐藤美由紀や」

「そうか、で、隼人早く頼まれたもの持って行ったほうがいい」

「そうだった」


 とりあえず頼まれたものを水原先生に渡す。酔っ払っている気がする。


「おお、ご苦労大儀であった」

「かなり酔ってますね」

「酔ってない」

「はあ」

「あ、おかえりなさい。隼人君」


 しかれたシートに座ってパラソルの影に入っている桜崎が言った。


「なんだ。泳がないのか?」


 既にバーベキューは終わりだな。どうやらあの二人とかなり長い時間話していたようだ。

ん? バーべキューは十分でほとんど食えたから後悔はない。


「待ってたんですよ。みんなで遊んだほうが楽しいです」


 律儀な奴だな。バカと思う。いつか損すると思う。


「そうか。なら、さっさといくか」

「はい!」


 その後みんなに琴峰と佐藤を紹介し楽しく遊んだ。案の定海の家には誰も来なかったが。


 そんなわけで宿泊施設に戻る。琴峰は金を持ってなかったので野宿すると言っていたのを説得し何とか女子と一緒に寝てもらうことになった。


 それは本当に楽しい時間になった。

・

・

・

 俺は真夜中みんなが寝静まったころ満天の星空と月を眺めていた。


「星が綺麗だ」


 都会では見れないものだ。そして生徒会長にならなければ見れなかった景色でもある。それを思うと少ししゅくだな。


「少しはいいこともあったな。それにしても……」


 眠りこけている馬鹿(うましか)たちを見て思う。


「楽しかったな……本当に」


 置いてあるお茶を飲む。


「ふう。いつごろいらいだったかな。こんなに楽しいと思ったのは……」


 月を眺めながら言う。本当に久しぶりの感覚だった。一体いつからこんな気持ちを忘れていたんだろうか。


「アイツに出会ってからだな」


 桜崎結衣。ピンクのお化け。アイツに出会ってからだな。


「ははっ、本当に、まったくだな」


 一人で笑う。ああ、飽きないな。こいつらといると。こいつらとなら……。いや、いいか。


「さて、そろそろ寝るかな。明日も早いからな」


 もう一度空を眺めてから眠りについた。


 月も星も変わらずに輝き続ける……。


うら☆てん


琴「うむ、うらてんだ」


隼「おい琴峰本編ではああいってるけど実際はかなり痛かったんだぞ」


琴「それについては本当にすまないと思っている。なにぶん走っていたのでな急には止まれない」


佐「お前は車か!!」


隼「お~。佐藤も来たのか」


佐「そうや、結衣はこれないように縛ってきたけどな~」


隼「なぜ!!」


佐「いや~、いつもと同じメンバーやったらつまらんやろ」


桜「酷いですよ~」


佐「なんや自分、抜け出してきたんか?」


桜「空ちゃんに助けてもらいました」


琴「先輩は敬わないとな」


佐「余計なことを」


隼「お前はやりすぎだ」


赤「まあ、いいじゃないの。それにしてもここは隼人のハーレムね」


隼「赤羽どうして!!」


赤「次が私の話だったと思い出したからよ」


隼「それは言うな!」


赤「いいじゃないのネタバレはしてないのだから」


隼「それとこれは別だろ」


赤「何私に意見するの? こうしてあげるわ」


隼「ちょ、やめろー!!」


桜「隼人くんが大変なことになったのでこれで終わります」


桜琴佐「「「それではまた~!!」」」


隼「終わるな~!!」


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