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02-23.のんびり

 昼食を済ませた後、周囲の探索をしてみる事にした。

少しだけ、腹ごなしの運動をしようと思ったのだ。


 湖の周囲には私達以外の人の気配が無い。


 今更だけど、いったいここは何処なのだろう。


 飛行時間から推察するなら、今朝いた町からはそう離れていないはずだ。


 とはいえ、元々旅の途中なのもあって現在位置が曖昧だ。

殆どミアちゃん任せの旅だし。


 こういう所も、熱意が無いと言われてしまう原因なのだろうか。


 正直な所、旅の行く先にそれ程強い関心があるわけじゃない。


 ただ今が楽しいから、このまま過ごしていたいだけだ。



「また辛気臭い顔してるわよ」


「そんなつもりなかったんだけど。

 最近楽しいなって考えてただけだし」


「まったく。

 久しぶりの二人きりなんだから、もう少し私を意識してくれても良いじゃない」


「久しぶり?

 毎晩二人きりだよ?」


「寝る時間だけじゃない」


 まあ、それ以外は大体アイちゃんもいるけどさ。


 今私はミアちゃんと二人きりだ。

確かに、昼間にミアちゃんと二人でいるのは久しぶりだ。


 アイちゃんは旅の道中も付いてきている。

旅の最中でも、暇さえあれば修業をつけてくれているのだ。



「ミアちゃんは強くなったと思う?」


「多少はね。

 アイはその点だけは優秀だもの。

 とはいえ、アイと比べれば大差無いわ」


「ミアちゃんはもっとずっと強くなりたい?

 それこそ、アイちゃんくらい」


「ええ。なりたいわよ。

 当然じゃない」


 即答するミアちゃん。

正直予想外だ。


 最初はあんなにアイちゃんの事を迷惑がっていたのに。



「ホノカは別に良いのよ。

 修業なんて止めてしまっても」


「え?」


「やりたくないなら、やらなくていいわ。

 私が守ってあげるもの」


「……それも良いかもね」


「そう。ならアイに相談しましょうか」


「うん……でも、もう少しだけ」


「やってみる?」


「うん。飛行魔法は覚えたいし」


「そんなの必要無いわよ」


 そういえばミアちゃんは高所恐怖症だったわね。

たまに必要にかられて飛ぶ時は、根性で耐えきってるけど。



「でも、船に乗るならあったほうが良くない?」


「大丈夫よ。

 フィオが手配してくれたのだもの。

 きっと安全に送り届けてくれるわ」


「私、運には自信無いよ?

 クラーケンとか、リバイアサンとか襲ってくるかもよ?」


「なにそれ?」


「えっと、私のいた世界のおとぎ話に出てくる怪物かな?」


「なんで疑問形なのよ。

 ともかく、そんな心配は要らないわ。

 私は運が良い……ごめん。なんでもないわ」


 言いかけて途中で辞めるミアちゃん。

らしくない。


 皆との事でも思い出してしまったのかしら……。



「まあ良いわ。

 ホノカにやりたい事があるなら、止める理由は無いもの」


「うん。ありがとう」


「そんな事より、よ。

 少し狩りでもしていきましょう。

 夕食はお肉が良いわ」


 ミアちゃんはジビエも大好きだ。

そもそも嫌いな食べ物があるのだろうか。


 それと、なんであんなに食べているのに、このスレンダー体型を維持できるのかしら。

不思議。


 どう見ても、食べた物が収まっていない。

今日のお昼だって、本当に沢山食べていたのだ。

だというのに、ミアちゃんのお腹はペッタンコだ。

一体何処に消えたのだろう。



「触る?」


 私の視線に気付いたミアちゃんがお腹を見せつけてくる。

なんとなく手を伸ばして撫で回してみる。

とってもすべすべ。



「触り方がくすぐったいわ」


「もうちょっと我慢して」


 何これ。

触り心地最高ね。

ずっと触っていたい。


 旅生活なのに、どうやってこの肌艶を維持しているのかしら。

一緒に生活していて、特別な事をしている所は見た事が無い。


 これが若さ?

ぐぬぬ。

私だってまだまだ……。



「こっちもペッタンコ」


「ホノカでも流石に許せない事もあるのよ」


 いつの間にか私の手はお腹より少し高い位置に伸びていた。

いかんいかん。

あまりのつるすべお肌に夢中になりすぎた。


 私はミアちゃんの体から手を離して、また手を握り直す。



「もう良いの?」


「うん。何か悔しいから」


「なんでよ。

 ホノカなら何時でも好きにして良いのよ?

 素直に喜びなさいよ」


「ならミアちゃんは私の胸を見て羨ましくはならないの?」


「それ以上言うなら怒るわよ」


「ごめん……」

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