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07-42.久しぶりの喧嘩

「うわ! びっくり! ニナちゃん達見違えたね!」


「「「それはこっちのセリフです!!」」」


「本当にグロリアはどうしちゃったのよ。と言うか本当にグロリアよね? 完全に別人、いえ、別物じゃない」


 たはは~♪ 魔改造が捗っちゃって♪



「さっすがミアちゃん♪ 今のグロリアがどんな存在なのか見抜いたんだね♪」


 ニナちゃん達も変化に気付くなんてね♪ さぞや修行も頑張ったのだろう♪



「ホノカも少し変わっているわ。いったい何百年籠もっていたのよ?」


「ざっと千年くらいかな♪ 寂しかった! ミアちゃん!」


 取り敢えず抱きしめてチュッチュしてれば流せるかな?



「誤魔化そうとしないでちゃんと説明なさい」


 ばれてーら。



「見たまんまだよ♪ グロリアに精霊になってもらったの」


「有無を言わさずだったわ。酷いご主人様よね。ホノカは」


 裏切ったな!? ちょっと最近強くなりすぎたからって調子に乗ってるな!?



「あんたね……」


 いやん♪ そんな目で見ないで♪



「アイ。説明なさい」


 あれ? 諦められた? 早くない?



『ホノカはグロリアを精霊王とすべく作り変えました。思いつきで』


 なんでアイちゃんまでそういう言い方するかな?



『グロリアは全ての始まりなの。そうあるべくして作り変えられた』


 ありゃ? ローちゃんが続けるの?



『とは言えあくまで私達より後に誕生した精霊よ』


『つまり実際は新生代の精霊達の王になるって事だね』


 それでも一応ヴィーとソーカよりも格上だけどね。なんならもう私より強くなっちゃったし。そうでないとクロノスなんて倒せないもんね。まあグロリアが直接倒すわけじゃないけど。グロリアはあくまで王様だからね。



『せいれいおう』

『さいきょう』


『けど』

『あくまで』

『おう』


『へいし』

『これから』


 そうそう♪ グロリア自身は特別な力を持っているわけじゃないんだ♪ それやっちゃうとグロリアの精神が維持できそうになかったからね。あくまで力の量が多いだけ。あとは神である私との特別な繋がりも重要だね♪ これからグロリアには数々の精霊達を生み出してもらう事になる。クロノスに対する特攻を持つ事になる精霊はまた別だ。ローちゃんが生み出そうとしている時の精霊とかね♪ 千年かけて大体の構想は固まったみたいだし、近い内に披露出来るんじゃないかな♪ ふふ♪ 楽しみだなぁ♪



「つまりホノカにとって理想の母体に作り変えたと?」


 その言い方はなんかなぁ。間違ってないけども。流石はミアちゃんだ。理解が早い。



「あまつさえこれから子を仕込もうとしていると?」


 あれ? お怒り? まさかミアちゃん?



「何故私じゃなかったの?」


「ミアちゃんにそんな事出来るわけ無いでしょ!? 取り返しのつかない変質しちゃったらどうするのさ!?」


 何を言い出すのさ!!



「ちょっと! なんでそれ私には出来たのよ!!」


「私を信頼できなかったと?」


「そんな言い方しないでよ! 私は良かれと思って頑張ったのに!」


 ミアちゃんと会いたいのをずっと我慢してたのに! そんなイジケ方しなくてもいいじゃん! 本気で責めなくたっていいじゃん!



「ホノカ! 私だって頑張ったのよ! 何の為に耐えたと思っているのよ!」


「「グロリアは黙ってて!」」


「えぇ……」


「グロリアさん……」


「ニナちゃぁ~ん……」



「何が頑張ったよ! 勝手な事したのはホノカじゃない!」


「勝手な事って何さ! クロノス打倒に必要な事でしょ! そんな事ミアちゃんならわかってるでしょ!」


「グロリアの事だけじゃないわ! 気付きなさいよ! 気軽に千年も籠もってんじゃないわよ! 私以外とそんな時間過ごさないでよ! ほんと何考えてんのよ! どうせ何も考えてなんかないんでしょ! いっちょ前に言い訳なんかしてんじゃないわよ!!」


「ミアちゃん!?」


 消えちゃった!? 転移!? このタイミングで!?



「え!? うそ!? ミアちゃんの気配が!?」


 なんで!? 見つからない!?


『落ち着いてください。きっとへーちゃんです。今のホノカを出し抜けるのなんてへーちゃん以外にいる筈ありません』


 へーちゃんが!? なんで!?


『ありゃりゃ。まだパニクってるね。リアちゃん。ホノカを眠らせちゃってくれるかな』


「任せて。ローちゃん」


「っ!?」




----------------------




「ミアちゃん!!」


「なによ。大声出さなくても聞こえているわ」


 あれ? ミアちゃん?


 え? あれ? ここ家? いつ?



「まったく。へーとグロリアに感謝なさい。あなた力が溢れかけていたそうよ。気付かなかった私も私だけど」


「……ごめん」


「それは何に対する謝罪かしら?」


「……全部」


「少し甘やかし過ぎたわね」


「……ミアちゃんだって」


「今回私に落ち度はあったかしら?」


「……話聞いてくれなかったじゃん」


「先に話さなかったのはホノカでしょ」


「……ごめんなさい」


「わかってくれたようだからここまでにしておくわ。仲直りしましょう」


「……うん。もう二度としないから」


「そうね。私とっても傷ついたわ。感情的になって声を荒げるなんて何時ぶりかしら」


「ごめん……」


「安心したわ。ホノカは私の倍を生きてもホノカのままなのね」


「ミアちゃんがいない時間なんて無いのと一緒だもん」


「調子の良いこと言わないの。そんなのグロリアだけじゃなくアイ達にも失礼よ」


「……ごめん。言い過ぎた」


「それだけ身近な存在になったという事なのよね。自分の半身のように想っているからこそ、ぞんざいに扱うのよね」


「……うん。グロリアも私の一部だから」


「聞いたわ。あの子の身体を作り変えてしまったって」


「……本来精霊に人間の身体なんて必要ないの」


 今のグロリアの人としての身体は"物"だ本人の身体の一部なんかじゃない。私から与えられた道具にすぎない。その道具を依り代としている限り精霊王としてのグロリアも私に深く紐付いている。その上で当然精神の方にも紐づけはおこなっている。だから融合程じゃないけど私の一部と言っても過言じゃない。



「あの子はよくまともな精神を保っていられたものね」


「とっても頑張ってくれたの」


「ならそう言ってあげなさいな」


「うん。これからは甘やかすって決めてたから」


「千年間もお預けしてたの?」


「……どうだったかな」


「可愛そうに」


「許してくれるの?」


「だって変わらないのでしょう?」


「うん。私の一番は何時だってミアちゃんだよ」


「信じるわ」


「ありがとう」


「だから他の子達にも優しくしてあげなさい。使い勝手の良い道具のように扱ってはダメよ」


「うん。そうする」


「よろしい」


 ……えへへ。やっと抱きしめてくれたぁ。

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