04-45.かんしん
「おはよ」
「……うん。おはよ。
ダフネだけ?
皆は?」
私の視界はダフネで塞がっている。
ダフネは何故か、私に馬乗りになって額を合わせていた。
「いるわよ。当然」
「おはよう。ミアちゃん。
ダフネはどうしたの?」
何故か未だに動く気配がない。
「ホノカの記憶を探ってるのよ」
「あ~なるほ……ダメなやつだよ!それ!!」
なんか本能的な危機感感じるんだけど!!
「安心なさい。
ダフネもそう判断して、私達には何も言わないつもりみたいよ」
「そういう問題じゃ!!」
「うるさ」
私の口と鼻を小さな両の手で覆うダフネ。
何で鼻まで!?
「むごー!むぐー!」
「ダフネ、塞ぐのは口だけよ。
呼吸が止まってしまうわ」
「りょ」
素直に両手を離したダフネは、今度は何故か自らの唇で私の唇を塞いできた。
「!?」
「何してんのよ」
すぐさまダフネの首根っこを捕まえてぶら下げるミアちゃん。
「こうりつ」
「ダメよ。
他の方法にしなさい」
「りょ」
ダフネは平常心だ。
本当に効率良く私の記憶を抜き出そうとしただけらしい。
「もうお終い!
事情わかってくれたんなら記憶はもう必要無いでしょ!」
「ダメ」
「しりたい」
「ぜんぶ」
「何のために!?」
「ダフネ」
「しりたい」
「だけ」
「ダメだってば!」
「……」
「そんな目で見てもダメ!!」
「ケチ」
「ミアちゃん!ダフネなんか変だよ!?
私の記憶見たせいで性格変わってない!?」
「みたいね。
まあ良いじゃない。
元々私とホノカの娘みたいなもんなんだし」
「呑気過ぎだよ!?」
「そんな事よりホノ姉」
「ひっ!?」
なんかフィナちゃんブチギレてる!?
もしかしてお説教まだ終わってなかった!?
「ダフネに許したんだから私にも許してくれるよね?」
何を!?
フィナちゃんも記憶を覗くの!?
私許してないよ!?
「ダメよ。
約束でしょ」
そして何故ミアちゃんが返事を!?
約束って何の話!?
「ホノ姉が油断してたのが悪いんだよ」
「我慢なさい」
あれ!?そういう事!?
「ミア姉が嫌なだけでしょ。
ならミア姉とでも良いよ?」
「……仕方ないわね」
「何流されてるの!?
ダメだよミアちゃん!!」
「なら」
「ダフネ」
「「!?」」
一瞬でフィナちゃんの眼の前に移動し、フィナちゃんにキスをするダフネ。
「驚いたわね。
ここまで変わるなんて」
「言ってる場合じゃないよ!?
今の転移でしょ!?
なんでダフネが使えるの!?」
『ホノカも気にするところがおかしくないかしら?』
「ダフネ~?
へん~?」
ヴィーとキアラだけは平常みたいね!
「何を馬鹿騒ぎしているんです?」
いつの間にか現れたアイちゃんが、フィナちゃんからダフネを引っ剥がした。
「幼子に妙な事を教え込むのは関心しませんね」
「違うから!
なんで私見て言うの!?」
「いえ、特に深い意味はありません」
「それより、アイ。
そっちはどうだったの?」
「ダメですね。
あれは殺されても口を割るつもりはないでしょう」
「そう。
ならこの件はどう締めるべきかしらね」
「放っておきましょう。
あの者らだけでなく、ダフネも同じ意見のようですから。
何にせよ、あなた方に害の及ぶ事でも無いのでしょう」
「随分と寛大ね。
やっぱり愛弟子の事は疑えない?」
「メレクの事を言っているのであれば、必要がありません。
あの娘がボクを裏切る事はありえません」
「なんか妬けるわね」
「もちろん信じていますよ。ミアの事も」
「あの……私は?」
「「「……」」」
無言で私を見つめるミアちゃん、アイちゃん、フィナちゃん。
「戻りましょう。
明日からまた旅を再開してもらいます。
今日はゆっくりお休み下さい」
答えてくれないんだぁ……。
「ええ。そうしましょう」
ミアちゃんまで……。
「ダフネ、後で少し」
「おけ」
フィナちゃん?
「ダメよ」
「「けち」」
何なのこの状況……。




