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異世界への扉

「おっはよーユースケ!!」


昨日もまた同じ夢をみて、寝不足の中登校する僕に、背中から思いっきりダイブが飛び込んでくる



「うおっ!!っビックリしたなぁー、ってかいきなり飛び込んでくるなよなーアツシ!!」


僕は背中に乗っているアツシを振りほどき、アツシの頭を軽く叩く



「いたっ!へへ、だってお前めっちゃ暗いオーラ纏いながら歩いてたから、元気になるようにダイブしてやったのに!」



「へいへい、そりゃあありがとな!」



この朝から無駄に元気な男は「齋藤 敦」。

クラスでもムードメーカー的な存在で、お調子者。

僕とは小学校からの親友で、今まで一度も喧嘩したこともないほど仲良しな存在だ。



校門前でアツシとワイワイ騒いでいると後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた



「まーたやってる。アンタ達毎日、飽きないわけ?だから、付き合ってるんじゃないか!?とか変な噂が流れるのよ!」



両腕を組み、こちらを見ながら溜息混じりに声をかけてきたのは「桜井 由佳」。僕の幼馴染みで女の子らしさとは無縁な性格。

ルックスは100点で学校内でもファンクラブができるほどだが、この性格では彼氏は無理だろう。



「ユウスケ~、な~んか変なこと考えてな~い?」


ユカが僕の思考を読み取ったのか、冷ややかな目線を送ってくる。


「べっべつに!?ってか、なんだよ付き合ってるんじゃないか?って!」


僕は少し冷や汗をかきつつも、気になるフレーズについて話しをすり替えた。



「だーかーら、アンタ達が付き合ってるって説がクラスの女子の中ではもっぱら噂されてるわよ!

まっ、アンタ達、顔だけは良いから変な妄想しちゃって興奮してる女子もいるけどね。」


なんだとっ!!


やめてくれよ、そんな馬鹿げた噂されちゃ、彼女なんか作れねーじゃんかよ!



キーンコーンカーンコーン・・・



校門前で朝から3人で騒いでいると予鈴が鳴り、各々慌て出す。


「やばっ!はやく行かなきゃまた担任に文句言われるわよ!」



ユカはそう言い残し足早に教室に向かった。


「ほら、アツシ行くぞ!」


「ばっばか、いきなり押すなよ!」


僕はアツシの背中を押し教室へ向かった。



教室へ入った瞬間、一気に視界が真っ暗になった。



「なんだっ・・・」


まだ朝なのに、いきなり辺りが真っ暗になったことに、訳がわからず、ただ恐る恐る手を動かしていた。


他のクラスメイトも同様に、突然の出来事にあたふたしていた。


そこにいきなり小さな男の子の声が聞こえてきた



「みなさん、おめでとうございます!このクラスは今から異世界へ転移することが決定致しました。」



はっ???

転移??


僕は訳がわからず、その声が聞こえる方へ振り向く。



「誰だよ、意味不明なんだけど。」

「ちょっとー、私トイレ行きたいんだけどー」


クラスメイトが騒ぎだしたが、僕はその子供の声に耳を傾けた。



「みなさんが転移する異世界では大変なことが起きています。悪魔達が大暴れしていて、その世界が破滅する危険すらあるのです。」



ん?この声どこかで・・・



「ですので、皆さんはその世界を悪魔から救ってください!そうすれば、この国で言う金貨、10億円差上げます!!」



「ちょっとこの子ウケんだけど。」

「こんなヤツが10億円も持ってる訳ねーじゃん!」


周りがクスクスと笑い出すが、少年は続ける。



「まぁ、言葉だけでは信用できないと思いますので、まずは異世界へ飛ばします!あっそうそう、みんな同じ場所に移動できるわけではありませんので、いきなり目の前に悪魔がいるってこともありますのでご注意を!あと、異世界でこのクラス全員が死んでしまったら、実際の皆さんも死んでしまいますのでご注意を!」


サラッと男の子は怖いことを言い出す。


はっ!!?

どゆこと??

ってか、これって夢??



「じゃあ、いきまーす!皆さんご武運を!」



その瞬間辺りがパッと光出し、床が抜けたかのように真下へ落ち始めた。



「アツシ、ユカー!!」


僕は二人の名前を叫ぶ。



「ユースケ!!こっちだ!!」


声のする方へ振り返ると、アツシとユカが手を伸ばせば届く距離にいた。


「掴まれー!!」


そう言って俺は両手を二人へ伸ばした。

同じようにアツシとユカも目一杯腕を伸ばしたが、僕たちの近くで何かが弾け、その反動で僕らはそれぞれ別の場所へ飛ばされた。




「あの三人がキーになりそうですね。」


少年は全員が異世界へ転移したことを確認し、クラス名簿を見て、うっすら笑みを浮かべた




「あと40人・・・」

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