竜退治2
僕は弓を取り出し、氷の魔法を付与して竜に向け連射した。
ゴルテールへ無数の氷矢が放たれたと同時にゴルテールは翼を大きく広げ勢いよく矢へむけて振り下ろす。
「うお!まるで竜巻だな。」
ゴルテールの翼から強風が襲い、矢はゴルテールに届かずに地面に落ちてしまった。
「やっぱりそう簡単には勝たせてくれないか。」
僕は弓では攻撃が届かないと分かり、弓を異空間へ戻し次の攻撃をどうするか考える。
ゴルテールはその隙に大きく息を吸い上げ、そのまま大きな炎を吐き出した。
僕は咄嗟にプロテクションを唱える。
だが、炎の威力が強くプロテクションにひびが入る。
「やばっ!」
僕はプロテクションが破られる前に浮遊術で上に飛び、炎をギリギリでかわす。
だがゴルテールは上に飛んだ僕目掛けて2発目の炎を吐き出す。
連射できるのかよっ!
「このやろっ!」
僕は襲いかかる炎に水魔法を唱え、大きな水流を放つ。
炎と水流のぶつかり合いとなるが、若干炎の威力が強く押されている。
さすが龍と呼ばれるだけあって凄まじい威力だな。
さて、このままじゃ僕の魔法も押し込まれちゃうな。
「ふうっ。ここなら誰もいないしいいよな。」
僕はそう呟くと、じいちゃんと暮らしていた時の特訓時に編み出した自身へのリミッターの一つを解除した。
「ファーストリリース!」
そう唱えると水流の大きさが3倍以上の大きさ、威力に変わりゴルテールの炎を完全に消し去り、ゴルテールごと飲み込む。
水流の勢いにゴルテールはそのまま地面へと倒れこんだが、ファーストリリースの威力は更に出力を増し、津波のような勢いでゴルテールを更に飲み込む。
一瞬で辺り一帯は湖と様変わりした。
僕はゴルテールの側に移動し、様子を伺う。
ゴルテールは虫の息だったがまだ死んではいなかった。
「これでも死なないなんてタフだな。でももうおしまいだよ!」
ゴルテールは水を大量に浴びている状態のため、僕はゴルテール目掛けて雷魔法を放つ。
魔法が直撃した瞬間にゴルテールは感電し大きな爆発音とともに機能が停止した。
ギルドカードを確認する。
ソウル24550!!!
これで金貨24枚以上!!
竜討伐はやっぱりとてつもなく稼げるな。
想像以上の成果を上げたので満足のためギルドへ戻ろうとおもったが、僕は何かを思いつき、少し考えた後に少し口元を緩めた。
「僕の能力値ならいけるんじゃないかな。」
そう呟き、異空間から短剣を取り出す。
自らの腕を短剣で軽く切るとそこから血が溢れ出た。
ちょっと深く切りすぎたか。
地味に痛い・・・
よし、成功してくれよ。
「契約に従い姿を現せ!ゴルテール!!」
そう叫ぶと先程まで戦っていたゴルテールを召還するのに成功した。
「おぉ!やったぁ!」
僕は小さくガッツポーズをした。
だって竜召還するとか憧れだったし。
僕はゴルテールに向かいニッコリと笑った。
「さっきはごめんね!でもこれからは僕の味方としてよろしくね!」
そう言うと、ゴルテールは雄叫びを上げ、嬉しそうに僕の側へやってくる。
よし、これで竜も召還できるし、お金は貯まるし、良い初洞窟だったな。
僕はゴルテールの召還を解いて、洞窟から抜け出した。
洞窟から抜け出す道中、何体か魔物が現れたので、倒して進んだらまたソウルが増えた。
「あっ、ユースケさん!洞窟はどうでした?」
僕は洞窟からギルドへ到着し、そのままギルドの受付にギルドカードをわたす。
「まぁ色んな魔物も倒せて、収穫もあったし良かったですよ。あっ、それと換金お願いします!」
「はい、お金と交換ですね。えっと・・・・えっ!」
ギルド受付はギルドカードを受け取りソウル数を見て驚きな表情をしている。
「ソウル25500ですか!?何をどうしたらこの短時間でそこまで貯まるんです!?」
「いやーちょっと竜を倒したら一気に増えましたね。」
僕はさらっと竜を倒した事を言ってしまったが、受付の顔を見てあーしまった!と感じたが既に後の祭りだ。
「竜!!!!?は?え、えっと、、、。」
「・・・・・・。てへっ」
「ギルドマスターーーーーー!!!」
受付はパニックになりギルドマスターを呼び出す。
その後はギルドマスターから事情聴取をされ、1時間以上も拘束された。
まぁ無事にソウルもお金と交換でき、金貨25枚を受け取る。
よっし、これで一気に金持ちだ!
そしてランクもCまで上がっていた。
さすがにランクが一番下のヤツの一日で集められる数字ではなかったってことだな。
とりあえずこれで明日の支払いは大丈夫だ。
大会か・・・
クラスのみんなも参加してくれればいいな。
そう思いながら、毎日学校で一緒にいた二人の顔を思い出す。
アツシ、ユカ・・・。
どうか無事でいてくれよ。




