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 ナルとルリは時々ケンカをした。ケンカの原因はとてもくだらないことだ。

 ナルが怒って部屋を出て行ってしまったから

「追いかけなくていいの?」

 と私が聞いた。

「ジョーダンでしょ!」

 ふてくされた顔のルリ。

 仕方なく、用意していた夕食をテーブルに出して、ルリと二人で食べた。すると突然、ルリが子供のように泣き出したのだ。

「ルリ……」

 派手な服装のルリ。お酒と煙草が好きなルリ。男の家に泊まって帰ってこないルリ。でもナルとケンカして泣いちゃったルリ。

 ルリは可愛かった。私より8歳も年上だったけど、とても可愛かった。

「ハナちゃん」

 気が済むまで泣いた後、ルリがかすれた声でつぶやく。

「一緒にナルを探してくれる?」

「うん、いいよ」

 私が言うとルリが笑った。涙を宝石のように光らせて……


 コンビニでヒマそうに立ち読みしているナルを見つけて、二人で駆け寄って、ルリが

「ゴメンね」

 とつぶやく。

 ナルはすぐに

「俺こそ……」

 と言いかけたけど、お邪魔な私を見て、照れくさそうに言葉を切った。

 コンビニでアイスを買って、3人並んで歩く。ルリとナルの真ん中になぜか私。

「なんか私ってヘンだよね?」

「全然ヘンじゃないよ。ハナちゃんはかわいい。食べちゃいたいくらい」

「キャー」

 ルリがそう言って抱きつくので、私はふざけて悲鳴をあげた。

 ナルは笑いながらそんな私たちを見ていた。


 このままずっとこうしていたい。

 夏が終わって秋が来ても、凍えるような冬が去っても……3人でずっとこうしていたい。

 こんなことを思う私はおかしいだろうか。

 真夜中の空気を思い切り吸い込む。

 月は今夜も私たちを照らし、電気がついたままのあの部屋が、闇の中にぽっかりと浮かんでいた。


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