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「ルリに会いたい……」

 店を出て、人ごみの中華街を抜け、また海の近くにやって来た時、私は泣きながら立ち尽くしてしまった。

「ルリに会いたいよ……会いたい」

 私は涙を流して声をしゃくりあげて泣いた。まるで迷子になった幼い子供のように。

「ハナちゃん」

 ナルがそんな私の背中をそっと抱く。

「俺も、会いたいよ」

 ナルの、お酒を飲んだときのちょっとかすれた声が耳に聞こえる。

 ナルはルリを愛していた。ルリもナルを愛していた。そして私は……

「ナル……」

 ナルの胸からそっと離れて、その切ない顔をじっと見上げる。

 少し背伸びをして目を閉じて、ゆっくりと唇を近づける。

 ナルの温かな唇が私の唇にかすかに触れた。

 そんな私たちの重なる姿を、月が優しく見守っている。

 あの夏の日と同じ月。でもその月明かりを浴びる私は、あの頃と同じだけど少し違う。

 ナルとキスをした後に見上げた月は、今夜も美しい満月だった。

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