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ゴリラは死んだのか?
モーラスは血の付いた鞘を見ながら、そんな事を考えていた。
彼にとってはこれが初戦。
しかも相手は四天王だというのに、やけに頭の中はクリアで
しっかりと周りが見えていた。
相手に合わせてモーラスも剣を抜き、身体強化の魔法をかける。
そして、一歩踏み出すとマキリモムもつっこんで来た。
剣と剣がぶつかり火花が散る。
「いいですね、その速度。さすが勇者と言った所でしょうか。
ただね、それだけじゃダメなんですよ。そんな剣じゃね」
再び剣がぶつかるとモーラスの剣が折れてしまう。
あまりにも簡単に折れてしまった剣、
最高の物と言われて渡されたが、所詮は銅の剣である。
モーラスはすぐに後ろへ飛び、距離を取る。
マキリモムは肩をすくめる。
そこへ剣の柄をぶん投げるモーラス。
「剣は大事に扱い 」
それを手で掴んだマキリモムの目の前には、
モーラスがすでに飛び掛かっていた。
「ミグランザ」
両の拳に蓄えられた凄まじいエネルギーが炸裂する。
ドッガーン!!!!!
辺りは爆炎に包まれた。