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「私はボルゴ、こっちがポス。
修道士ではありますが戦う事もできますぞ」
「むしろそちらの方が得意です」
そんな事を言ってくるゴリラ二匹。
やっとゴリラともおさらば出来ると思っていた矢先にこの仕打ち、
やってくれるよ、あの司教様は。
モーラスにしてみれば自由気ままな旅を期待していたのだが、
そういう訳にもいかないらしい。
モーラスは歩きながらこの2匹をどうするかを考える。
パーティーメンバーと言うよりはお目付け役的なものと
思っていた方がいいのだろし、戦闘時にどれだけ役に立つのかは不明だ。
とりあえず道案内として役立ってもらう事にする。
「ところで、勇者様はどんなことが得意なんですかい? 」
なれなれしく聞いてくるボルゴ
「さあな、得意ってものは無いんじゃないか」
「そんな事はねえでしょうに、でもまあ、あっしらが居ればどうにかなると
思いますぜ。何かあった時は、お任せ下せい」
任せろって言ったって、こいつらがどれくらい強いのかも分からないし、
出来るなら、何かある前に助けてほしいものだ。
そしてその何かがすぐにやって来た。