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その日の夜はなかなか寝付けなかった。
いろんな事があって気が立っていたのだろう。
水を飲みに部屋を出ると神官とすれ違う。
いつものように軽く会釈をして通り過ぎるが、
何かがいつもと違う気がした。
違和感が何なのかを考えなら歩いていると声が聞こえて来た。
「ウホウホウホウホウホ」
声のする方へ歩いていくと神官長の部屋があった。
何となく嫌な予感がしたので、身体強化の魔法を使って視力を上げる。
これで暗い部屋の中も簡単に見る事が出来るのだ。
そして、さっきの違和感の正体に気づいた。
名前が表示されるようになっていた。
「そんな名前だったのか」
神官長の名前なんて言う事がなく、覚えていなかった俺は少し驚き、
そして、下に居たもう一人の名前に驚く。
「プリモラス!? 」
一気に気分が悪くなり、部屋に戻ろうとして別の名前を確認した。
部屋の外でピゴラが中をのぞいていたのだ。
それに気づくと俺はトイレへ走って胃の中の物を全てぶちまけた。