AI兵器
第三次世界大戦が勃発した。
各国で最新鋭の兵器が開発され、いつ果てるともしれない闘いが繰り広げられた。
地上に核の嵐が起こり、人類は激減した。
「こんな不毛な争い、やめさせないと」
少年は一人立ち上がった。
砂漠で交戦中のAI兵器の群れを遠くから観察して、パソコン片手にウイルスを作って送り込んだ。AI兵器はことごとく機能を狂わせて砂に沈んでいった。
一言でAI兵器と言ってもその形状はピンからキリまであった。
少女が交戦の最中から抜け出して少年と出会った。
少女は少年に恋をした。
「私はあなたが…」
告白しようとして、近くにおちていた割れた鏡に目線を落とした。
これが、私?
私の姿?
醜い兵器に搭載された無垢な少女の魂は、あまりの現実に耐えられずに自滅していった。
少年は、独り、世界と闘っていた。
少女の思いは届かなかった。
今日も一日が過ぎていった。