いざ、魔王城へ
話し合いの後、レナノスの拠点に向かいついた頃にはもう夜だった。
「今日はもう遅いし顔合わせは明日にするか。」
「なら、私は部屋に戻る。何かあったのならばすぐに来るといい。」
「あぁ、そうさせてもらう。おやすみ、竜。」
そういい竜と呼ばれていた男は別方向へ向かって行って残されたのは俺とレナノスだけだ。
「これからお前の部屋の案内とここに来た上での注意とかを伝えるからついてきてくれ。」
レナノス達の拠点はわかりやすく言うと西洋風の城だ。
かなりの大きさだ。
そして案内されたのは10畳くらいの部屋だった。
「割と小さい部屋だがここでいいか?」
いや、10畳って広いと思う。
俺は頷きこの部屋でいいと伝える。
「まず、明日について話そう。明日朝に私が集めた私兵の6人の顔合わせを行う。ついでに全員魔人だぞ。」
「質問していい?」
「いいぞ。」
そこから俺は色々と質問する。
明らかに俺はこの世界の常識が足りない。
昔誰かが言ってた。
一晩最初に死ぬのはいつも情報不足のやつだと。
いや、本当に言ってたっけ?
「まず、魔王って何?」
「魔王とは簡単に言うと魔族の王だ。ついでにこの大陸はドーナツみたいな形で出来ていて丁度3分の1を魔族が治めている。もう3分の1は人族が、そして最後の3分の1は獣人族が治めている。」
へー。
獣人族がいるのか。
獣耳っ娘とかいるのだろうか。
「それぞれの王は魔王、人王、獣王と名乗っている。まぁ、今の魔族は散り散りになっているがな。そしてそれぞれの種族に長所と短所がある。魔族は魔法に適性を持つ者が多く身体能力も高いし、寿命も長いが出生率がダントツで低い。獣人族は身体能力が他の2つより高く肉弾戦で強いが魔法は使える者は少ない。そして寿命も若干短いが出生率はかなり高い。他の2つをたして二で割ったみたいな感じだ。」
何か聞いた感じかなりバランスが取れてそうだな。
しかし、レナノスは親の仕出かしたことの後始末中か。
大変そうだとは思うがそれを手伝うのが仕事だろう。
というかこの世界にもドーナツってあるんだ。
「動物と魔物の違いって何?」
「うーん。そこら辺は色々な考えがあるけど、広く知られているのは進化するかどうかだ。」
なるほど、じゃあ例え滅茶苦茶キュートでも進化したら魔物で明らかに危険度が高くても動物のやつもいるのか。
「魔王になった蜂型の魔物がいたってあるけどそれは?」
「それは数世代前のことだな。確か魔王蜂っていう魔物が魔王とその側近を全員操り人形にして好き放題したんだが日数が経つと操られていた魔王たちも何も異常はなかったっていう珍事件だ。」
良かった、あの時魔王蜂に進化してなくて。
その後も色々と質問をし、回答してもらった。
「じゃあ私はそろそろ部屋に戻る。まだ、やる書類があるからな。おやすみ。」
「あぁ、おやすみ。」
そして部屋からレナノスが退出するのを見てから俺はベットに倒れ込む。
あっ、夜食を頼むのを忘れてた。