転生した
ん、んー。
ここはどこだろうか。
最後にある記憶は歩道を歩いている俺に突っ込んで来る大型トラックが目の前には来たところだ。
俺はどうなったのだろうか。
こう考えれているということは一応死んではいないのか。
しかし体は動かない。
まさか植物人間にでもなったか。
なんか俺の人生は呆気なかったな。
2年前に親が死んで突然一人になって、なんか冷めてどんなことにも身が入らなくて、そんな俺に愛想つかして恋人も親友も離れていって、そして俺はのうのうと時間を貪っていた。
しかし体に違和感はある。
何かが体と擦れる感じだ。
あれ?感覚があるってことは全身不随じゃないってことか?
けれど体は思うよう動かない。
手を握ろうとしても握れない、足を曲げようにも曲がらない、しかし体を捩ろうとすれば体が何かに擦れる。
まさか、手足を失った?
充分ありえるな。
何せトラックに激突されたんだ。
ん?
ちょっと若干目が見えるぞ。
俺は体を見る。
前言撤回。
俺は手足を失ってなかった。
いや、正確にはそもそも人間の手足なんてなかった。
俺はどうやら幼虫に転生してしまった様だ。