戦闘開始
誰かに体を揺さぶられるような感覚がある。怒鳴り声も聞こえる。誰だろう。寝起きでまだぼんやりとした目で相手を見る。......グルド?よし、まだ夢を見ているようだ。寝よう、と寝ようとした瞬間鉄拳が飛んで来た。いてぇ。
「寝ているのだからもう少し優しく起こしてほしいものだな。午後の授業はまだ時間があるだろう。夜這いか?俺はそんな趣味......」
「ふざけているんじゃねぇ!アッヘンバッハが何者かわからない黒ローブに拐われた!」
「なんだと?誰か使い魔を使って居場所がわかる奴はいるか?」ベットから急いで起き上がり身支度をし始める。
「家に伝わる石を探しにあいつの家に行ったはずだ。俺は戦おうとしたが、一撃で......」なるほど、グルドを一撃でダウンさせるほどの魔術師か。
「お前の情報なんていらないから。黒ローブはどんな模様が描かれていた?」
「えっと確か十字架に蛇が二頭巻き付いていたような」
「くそ、双頭蛇十字教の奴らか。めんどいやつがきたな。」
「その双頭蛇十字教って何ですか?」
「そんなのは後で説明してやる!行くぞ!」と身支度が整ったところで家を出る。
双頭蛇十字教とは、東洋系の宗教を進行している団体で、二つの頭を持った蛇を崇めている。その宗教においては二つの頭には意味が込められているようで、「ヴァジュラダラ」のような意味を持つ。どうにかしてその双頭蛇を降臨させようとして、日々やばい研究をしていると聞いたことがある。なら”あの石”の所在がわかったのならすぐ手を出すはずだろう。
ツキミの家は確か一キロぐらいの近さだったはずだ。脚力強化の魔術を施し全力で走る。グルドはなんとかついて来れているみたいだ。なんだかんだ優秀なやつだ。間に合え!
家に着いた頃、ちょうど黒ローブが家に入っていこうとしている状態だった。
一切スピードを緩めることなく敵二人にドロップキックを叩き込む。どうやら地面に頭をぶつけ軽い脳震盪を起こしているみたいだ。そしてツキミの首元にナイフを突きつけているやつに振り向く今も与えず後ろから首元に直にスパークを叩き込む。流石の俺でもスパークぐらい無詠唱で使える。直に当てたことで、威力は少なかったが相手は痺れ倒れこませることに成功した。
ツキミは取り戻した。あとは3人を始末するだけだ。
「先生!助けに来てくれたのですか!」ツキミが涙目で喜んでいる。
「とりあえず喜ぶのは後だ。残りの3人をやるぞ」
「はい!」
残りの3人は無事倒し(後からきたグルドも参戦してくれたおかげであっさり勝てた。)ロープで縛る。さて、こいつらはどこまで吐き出してくれるだろうか。




