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先生の実力 後編

 魔術の発動原理

 魔術は普通、詠唱を行い、魔法陣を出現させ、魔術を発動させる。才能あるものは無詠唱で行う者もいるが、これは繰り返し魔術を発動させることによって体の感覚で発動させることか可能になったからだ。魔法の種類でも魔法陣を出現させる事はできでも発動時間が遅かったり早かったりするのも訓練すれば発動速度を早めることが出来る。

 


 先生は残りたいやつは残れと言っていたが、あのような光景を見せつけられた後で帰る人はいなかった。しかも今回の講義は、誰よりも話が聞きたいって人が大勢いたため、最前列の取り合いとなった。

 「さて、今回の戦いを振り返ろうか。グルド、お前から見た状況を説明してくれ」

 「はい、先生......」意識を取り戻した後のグルドは雰囲気が変わっていた。なんというかおとなしくなた気がした。


 「俺は一番得意なブリザード・ブラストを発動させました。この魔術は魔法陣を出現させてからすぐ発動できる魔術だったので、勝てると思いました。」

 「たしかに発動時間は驚異的なものだった。あそこまで早く発動できるものはなかなかいないだろう」

 「ありがとうございます。この時勝利を確信していましたが、爆風が収まった瞬間後ろから首筋に衝撃があって、そこから記憶がありません。」

 「どうやらちゃんと覚えているようだな。他のものからはどのように見えた?」

 先生は私達を見渡した。その時目があった。

 「ツキミ、お前からはどう見えたか?」やっぱり私だった。

 「グルドと同じです。」

 「うむ、他に二人と違うように見えていたやつはいるか?いるなら手を上げろ」と先生が質問を投げかける。しかし、手を上げるものはいなかった。


 「そうか、ステラなら気づいていただろう。あれは魔術の応用だ。お前らもコツを掴めばすぐ出来る。」

 「先生!姿を消すことが出来る魔術は聞いたことがありますが、それはAランク魔術のはずです。Cランクの魔術までしか使えないと言うのは嘘だったのですか?」と、黒縁メガネがトレードマークのアイドが質問する。

 「あれはDランク魔術の組み合わせだ。今から解説する。」といい、説明が始まった。


 「まずブリザード・ブラストを避けた方法だが、足だけを軽い強化魔術を使い跳躍することにより回避した。」

 「アンチマジックで消去しなかったのはなぜですか?」私は気になったので質問した。

 「アンチマジックは魔力使用量が多いからな。疲れる。」なんて理由だ。想像していた答えと違いすぎて驚いた。学生にアンチマジックは大人げないとか、使うまでもなかったとかだとてっきり思っていた。

 「まあ、それにアンチマジックを使用するよりも足を使ったほうが断然早い。魔術ばっかに頼っているのはいけないことだ。覚えていて損はないぞ」あ、いいこと言った。


 「ここまではいいな、次に透明化と言うのは間違えで、自分から見えている方向から見える俺の後ろ側の景色見せる。つまり、俺の前にスクリーンで後ろ側の映像を後ろ側を写し出しているということになる。」

 「それは、ほとんど透明化になっているというのではないですか?」アストが尋ねる。

 「透明化に似ているといえば似ているかもしれない。しかし本質が異なる。俺がしたのはさっき言った通りだが、透明化は自分の体を透明にする。つまり、大魔力を使い体を完璧に消すのに対して、迷彩服を着て森のなかで隠れているぐらいの差だ。理解してもらえただろうか?」

 「はい!先生ありとうございます!」授業では寝ていたやつが急に、真面目になってる......それだけさっきの決闘は生徒に影響を与えたのだろう。自分の力が足りなかったせいで生徒になめられていたのが、自分の力を示すことで生徒に信頼を得たのだ。これも計算のうちなのだろうか。

 

 「それじゃ次に進めるぞ。使う魔術はDランク魔術トレースとミラーだ。このように、魔術を構築して発動させる。」先生はチョークで黒板に絵を書き始めた。棒人間の周りに鏡をかき、自分の目に反射したまわりの風景が入るように鏡を配置する。その目に入ってきた風景をトレースにより自分の周りに発動させる。

 「ミラーは大量に発動させるのはかなり魔力を使うと思われるが、少しずつ鏡をずらして数を減らしていき使用魔力を減らすのも手だが、その分見破られやすくなるのが弱点だ。まあお前たちのような学生には容易いことだろうな。」

 小細工と先生は言うが、これは新しい魔術ではないのじゃないのかと思わされるぐらいの魔術だこれは。たぶんAランク相当の。

 「それでグルドの背後に回り込み、手刀で首筋を叩き、意識を落とす。これが今回の叩きだ。」と、先生は言うとふぅと息をついた。


 「最後に覚えてほしいことだが、Dランクの魔術でも応用するとなんとかBランク相当の力を発揮することが出来る。これからお前たちは高みを目指して成長していくと思う。しかし、必ず壁があると思う。そのようなときは生まれ持ったものだけに頼らず、応用を利かして壁を乗り越えていってほしい。このことを忘れるな。以上!これで講義を終了とする!時間ももう遅いから気をつけて帰れよ。」といい、教室を去った。


 真っ暗な帰り道。私は今日起こったことを思い出していた。そして彼が言った最後の言葉に引っかかるものを感じた。どんな弱い魔力でも組み合わせ方で強い魔術になる、小さい頃家庭教師に教わったことがあった。その家庭教師と彼はいっていうことが似ていた。私は一度彼に会ったことがあるのではないか?そんな疑問が私の頭でぐるぐると回っていた。

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