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帰ってきた俺たちは

 カタンコトンという音が何か揺られていることに気付いて聞こえて俺は目が覚めるとそこは見覚えのある電車の席に座っていた。

「え?」

 それは無限の世界に来たときに乗っていた一両編成のワンマン電車だ。使い古された感じが漂う車内の広告には無限鉄道の社員募集の広告があった。外の景色は真っ暗だ。きっと、行きと同じ地下を走っているんだ。そして、揺れる車内がゴトンと大きく揺れると肩に何か柔らかく暖かいものが当たった。

 思わずぶつかったものの方を見るとそこには浅く寝息を立てて眠っている少女がいた。不意に車内にアナウンスが流れると少女はその声に目を覚ます。

「まもなく、有限。有限」

 それは有限の世界へ向かっていることを告げていた。

 驚いた表情を隠せない少女は俺に何か言おうとする前に真っ暗だった窓の景色に光が差し込んで俺たちは目をしかめる。そこは東京駅には存在しない0番線の地下ホームだった。会社説明会に行くことが憂鬱だった俺が社会から嫌気が指してさ迷い歩いていたときにたどり着いたホームだ。電車の扉が開くと少女と俺は目を合わせて席を立って電車から降りると不意に電車は扉を閉めて進行方向とは逆の方へ進んで地下トンネルへ汽笛の音を響かせながら消えた。

「なんで私電車に乗ってるの?お兄さんが乗せてくれたの?」

「俺も電車に乗った記憶はない。倒れた少女を背負ったところまでは覚えてる」

「え?倒れた私を運んで進んでくれたの!お、重くなかった?」

「重かった」

「そこはお世辞でも軽かったって言うの!特に女の子に向かっては!」

 え?なんで怒られないといけないの?

 しかし、俺たちは戻ってきたのだ。元の世界に、有限の世界に。

 俺と少女はどちらも実感が沸いていない。

「無限の世界は私たちを元の世界に帰してくれたのかな?」

「俺たちが有限の世界でも生きていけるだけ強くなったから最後くらいは優しいところを見せてくれたってことか?」

 結局のところ不思議な世界だった。なんでも願いを望みを叶えてくれる薄ピンク色の無限の世界。

「・・・・・帰ろう」

「うん」

 俺と少女は帰るために上へと続く階段を上る。

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