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King of the forest ~Improved version~  作者: 龍門 
【 森 】 ~ 邂逅 ~
6/21

Meaning of life and death

短いです。

まぁ、うん。この話から一気に書こうと思ったのだけれど、長くなるしぃ~。って事で次回へ。





 ナイトメアーと少年&狼達が兵士を奇襲する数分前。

 【森】の中から兵士達を見ていた。


『火を放ちやがって………喰い殺すぞ』

 狼が殺気立ちながら顔を歪める。


「………その前にだよ」

 少年は兵士達から視線を外し、腕を上げる。


 ナイトメアーは何をしているか解らず、尋ねようとした瞬間、囲まれる。

「!!? ………狼」

 周りに、100程の狼が彼女を睨みながら唸っていた。


 すると、その狼の群れの中から尻尾に鎖を巻き付けた一頭の狼が前に出る。

 その狼を見た瞬間にナイトメアーは気付く。

「………二頭目の『不確かな狼ゴーストウルフ』………」


『さっきから何か臭うと思ったら、人間の臭いか』

 小馬鹿にしながら笑う狼。


「こんなに大量の狼が近くに居たのに気付かなかったなんて………あぁ、獣臭くて逆に気付かなかったのかしら?」

 挑発し、微笑む。


『んあぁ? 舐めてるのかゴラァ!!!』

 狼は簡単に挑発に乗る。


 すると、その狼の後ろから白い狼が現れる。

『落ち着きなさいよ?そんな簡単に挑発に乗ってどうするの?』


「なっ!? 白い『不確かな狼』!!?」


『あら? 白いのを見るのは初めて? ………あぁ、白じゃなくとも初めてよね』

 そう言いながら白い狼は少年を見る。

『どうします? 此所でこの子を噛み殺しますか?』


『ハッ! 当たり前じゃねぇーか!!』

 狼が叫ぶ。


『バルデト。少し黙れ』

 最初から居た狼が叫ぶ狼を睨む。

『んあぁ?テメェー誰に命令してんだゴラァ!!!』


『本当に少し黙りなさいよ』

 白い狼は溜息を吐く。


『クィスまで………解ったよ! 黙れば良いんだろッ!!』

 そう言い、バルデトと呼ばれた狼が拗ねる。


『さてさて、煩いのが黙った所で………どうするのですか?』

 再度白い狼、クィスは少年に尋ねる。


 少年は何も言わずに、ナイトメアーを見ていた。

 その場に異様な空気が流れる。


 ナイトメアーは額から流れ出る汗すら拭える余裕は無い。

 動けば殺される。その様な錯覚に襲われているからだ。


 すると、少年が口を開く。

「………尋ねる」


 その言葉に無言で彼女は頷く。

「貴様は死を恐れるか?」


「死を………恐れる?」

 その問いの真意が解らず、彼女は考える。


 だが、少年は答えを聞かずに続ける。

「貴様は生を恐れるか?」

 少年は淡々と尋ねる。

「貴様は何を求める?」


 問いの意味を理解出来ない。

 すると、少年が短剣を腰から抜き、ナイトメアーに向ける。


 硬直。鎌を造り出そうとしたが、周りには『不確かな狼』が三頭も居る。下手に動けば瞬殺だ。

 その為、唯々短剣の刃先と少年の顔を交互に見つめた。


「答えろ。貴様にとっての生死を」

 そう少年が言った瞬間、少年から殺気が放たれる。


「ツッ!!!?」

 一瞬目の前が真っ暗になり、倒れそうになったのを必死に堪えた。

 少年は光の宿らない目で彼女を睨む。


 彼女は必死に考えていた。

 どう言えば助かる?何を言えば殺される?


「どうした? 貴様にとっての生死を尋ねているのだぞ?」

 少年が言う。


 その言葉に、彼女は気付く。

 そう、こんな問いの答えなど尋ねた者のさじ加減でどうにでもなるのだ。

 そんな答えが疎らな問いに、完璧な答えなど無い。


 彼女は唇を軽く噛む。

 そして、少年を見据える。

「………私にとっての生死は意味を探す事さ」


「意味?」


「あぁ。まだ、人間は完璧な生死の意味を理解していない。人の命を軽く見ているのも、それはどうして人が産まれるのかを理解していないからだ。私自身もそうだ。もし、人は神が産み落とした神秘と言うならば、人は人を殺さないだろう。だが、そんな事は有り得ない。だから人は殺し合う。私自身それでも十分だと思うんだけどね。でも、私は理由も無しに殺されるのはまっぴら御免なんだよ。私はまだ自分が産まれた意味を理解していない。そして、奪う意味も。だから死ねない。これが私の考える曖昧な生死さ」


 彼女は生死を求めている。

 産まれた意味と、死ぬ意味。そして奪う意味を。


 生死などと簡単に言うが、世界の何割の人間がその意味を理解しているのだろうか。

 自然の摂理だと片付けているのではないだろうか。

 それで納得する者も居るだろう。


 だが、彼女はそれで納得は出来なかった。

 だから彼女は死を感じる。

 その意味を求める為に。矛盾した探求。


 それこそが戦闘狂の異常さの根源。


「………傲慢だな。求める為には人を殺すのもやむを得ないと言うのか?」

 少年が睨む。


 彼女は退かず、怯えず答える。

「傲慢じゃなければ、私は既にこの世とさよならをしているよ。私は強欲なんだ。だから生きたい。だから知りたい。それを失えば、私は私ではなくなる」


 聞いただけでは彼女は唯の強欲な殺人鬼だ。

 そんな彼女の生死についてを聞いた所で、心は揺れない。


 だが、この世界は綺麗事で片付けられる程簡単では無い。

 人殺しは駄目など、解りきった事。

 それでも奪う。己の中に信じる何かが在るから。


「………そうか。それがお前の生死か。意味を求める為に死に触れる事を選んだ・・・か」

 そう言い、少年は横に居る狼を見る。


『………ハッ!! もっと綺麗事を並べると思ったんだがな。まさかこんな答えが返ってくるとは思いもしなかった』

 最初に出会った狼が忌々しそうに言う。


「ハハッ! そうだね。逆に清々しいくらいだ」

 笑いながら短剣をしまう。


 その様子を見ていたナイトメアーが恐る恐る尋ねる。

「………私は助かったのか?」


 その問いを聞いて、クィスは愉快そうに笑う。

『フフフッ。あんな風に言っていたのに、貴女は自分の命に対しても貪欲ね』


 何か言い返そうと思ったが、その通りだった為彼女は苦笑した。


「さてと、んじゃ自己紹介をさせてもらうよ」

 少年は微笑みながら言う。


「俺の名前はセンだ。そして、コイツがディガー」

 そう言い、隣に居た右側の牙が欠けている狼の頭を撫でる。


『よろしくはしないぞ? 下手な事をすれば即殺だ』

 そう言い、ニヤリと笑う。


「んで、そっちの白いのがクィスだ」

 白い狼はナイトメアー見る。

『よろしくねお嬢ちゃん』


「そしてそっちで拗ねているのがバルデト」

 そう言い、センが指さした先には未だに拗ねている狼が居た。

『フンッ! 俺は認めてねぇーよ』


「それじゃ、君の名前は?」

 そう言いセンがナイトメアーを見る。


「あっ、私はナイトメアー………だ」

 そう彼女が言うと、バルデトが吠える。

『ケッ! 偽名じゃねぇーか!! やっぱり信用出来ねぇーッ!!』


『別に本名だろうが偽名だろうが良いだろうさ!! 問題は名前が在るかどうかなんだからね』

 クィスがバルデトを見て、ナイトメアーを見ながら言う。


悪夢ナイトメアーか。随分大層な名だな』

 ディガーは鼻で笑いながら茶化す。


「良い名前じゃん! んじゃぁ~………メアって呼ぶわ」

 少年は微笑みながら言う。


「メア………?」

 彼女は突然のフレンドリーさに困惑した。


「ん? 気に入らなかった? ん~でもナイトメアーって長いじゃん」

 彼女の困惑をあだ名が気に入らないのだと勘違いするセン。


「いや、別に………何とでも呼んでもらっても………」

 頭を掻きながら彼女は苦笑した。


「んじゃま、自己紹介も終わりましたし―――」

 センの雰囲気が変わる。


 その雰囲気に慣れないナイトメアーは体を硬直させる。

「―――愚者共へ死と言う制裁と―――」


 狼達の雰囲気も一瞬で変わる。


 センは空を見上げる。

「―――絶望への導きを」


 【森】の本気が始まる―――………。







生死についてのアレは結構滅茶苦茶ですよね。

書いていて意味が良く解りませんでした。


次は前回の戦闘シーンの続きです。

それではでは・・・・

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