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King of the forest ~Improved version~  作者: 龍門 
【 森 】 ~ 邂逅 ~
16/21

Cheap provocation is bought



お久しぶりで間違い無いですよね?

どうも、龍門です。


この先の話は考えているのですが、そこに繋げる部分を考えるのが苦手の様で。悪戦苦闘。

てか、長い。『森神樹』に会うまで何話使うの!?

と、言う事で此所からは小走り気味で行きます。


とか言いながらも全然だけどねぇ~。

まぁ、今回は少し慌ててしまった感がありますね。



書いている本人が尋ねるのもなんですが、これ主人公どれ?





 【森】『南』側。


 光届かぬ【森】の中、浮かぶ様に紅い光が蠢く。


『………ナトルト、気付いてるか?』

 低い声が響く。


『あぁ。近くだね。その近くに、センさん達の匂いもある。共に居るみたいだ』

 高めの声が響く。


 四つの紅い光は静かに動く。

 それは奇妙であり美しくもある。


『俺の嫌いな匂いを駄々漏れにしながら近づいて来る………自殺志願者か? それとも唯の屑か………どっちだと思う?』


『どうだろう………センさんと一緒の時点で後者は無いんじゃない? でも、そう考えると前者も無いね。だって、強い魔力を感じる』


『成る程な………まぁ、姿を見れば解る事だ………アルネリアはどうした?』

 低い声が尋ねる。


『あぁ………いつものアレだよ』


『カッ! 鼻と耳は何の為のモンだと思ってんだが………『中央』へ向かうぞ』


『了解』


 紅い光はスゥーと消える。


『………殺すか否か………遊んでやるよ』


 声だけが響き、静寂が訪れる。


















 【森】『中央』


「………コレは」

 ナイトメアーは辺りを見渡しながら思わず呟いた。


「そんなに吃驚?」

 その様子を見ながら笑みを浮かべるセン。


「………幻想的だな」


 広がる景色は先程とは差ほど違わない。

 同じく樹が生え、草が生え、光が届かない。


 だが、確実に違うと解る箇所がある。


「………何故光っている?」


 【森】、と言うのか、周りが白い光で溢れている。

 木々の葉が発光しているのか。地面の砂一つ一つが輝いているのか。

 数え切れない程の小さな粒状の発光体が溢れている。


「『光の雨ライト・レイン』の後だからね。確か森の外でも降るでしょ?」

 センは驚くナイトメアーを見ながら笑みを零し、同様に辺りを見渡す。


「これが『光の雨』? ………森の外でも確かに降りはするが、この様に落ちた後も光ってはいないぞ?」


 『光の雨』

 言葉通り。光輝く雨を指す。

 晴れの日が続き、雨などが一週間以上降らない時、その雨は忽然と降り出す。

 『不可思議な現象』の一つとして挙げられている。農民からは「天の恵み」と称され、人体についても悪影響は無い事から調査などは差ほど行われていない。


「そうなの? 『光の雨』が降った後はいつもこんな感じだよ」


「『光の雨』は地面に落ちれば直ぐに消え、葉に落ちても直ぐに消える。これも森特有なのか?」

 降る。それは同じだ。過程は同じ。だが、矢張り違う。


「へぇ、同じ『光の雨』でも違うんだね」

 センは感心する様に頷く。


「………まぁ、私はその辺の専門的知識が無いから何とも言えないが、専門職が見たら発狂しながら喜ぶだろうな」

 その姿を想像し、苦笑を浮かべながら歩き出す。


 この【森】は未知だ。

 それも宝に変換出来る未知だ。


 知識的な宝。歴史的な宝。

 与太話で済ませる事が出来ない。


『さっさと行くぞ。余り遅いと『見回り』が動く』


「見回り?」

 ディガーの言ったクエスチョンワードに首を傾げる。


『決まった時間に森を徘徊して異物を排除する奴等だ。コイツ等は決められ、命令された事以外に考える事も、行動する事も出来ない』


「それは危険なのか?」


『アイツ等の仕事は森の異物の排除って言っただろ? 考えてみろや。この森での異物って何だ?』

 ナイトメアーの問いにバルデトが笑みを浮かべる。


「森の………異物? ………侵入者。詰まる所、私か」


『その通りだ。森の異物。つまりは侵入者。そして侵入者の定義は森の加護を受けていない物全てだ。奴等は話が出来る程の知能を持っていない。見つかれば即座に貴様の排除に動く。そうなれば、面倒な事になるからな』

 ディガーは既にこの説明を言う事すら億劫なのか、所々で欠伸をしている。


「お前の態度に些か腹立つが………ん? 待てよ。此所の掟で森に住まう物の事を言ってはいけないのではないのか? 今思いっきり説明しているが」


「それは大丈夫。『見回り』自体も異物だから」


「ちゃんと説明してくれないか? 全く解らないのだが」


 現段階で、セン達はナイトメアーに詳しい説明が出来ない。

 その為か、話が全て知っている体で話される。

 全くの無知状態のナイトメアーにしては、首を傾げるだけでは足りない程に困惑してしまう。


「まぁ、色々省いた説明になっちゃうけど、要するに『見回り』も実は異物で、誰かに何かによって何かしらの事をされてる訳」


「………省いているのかどうなのか。まぁ、その何たら言っている所は森の掟に触れる部分だから説明出来ないのだろ?」

 大体慣れてきたのか、頭を掻きながら溜息を吐く。


「うん。詳しい説明は後だね」

 センは腰に手を当て、笑みを浮かべている。


「…………………………」

 改めて。ナイトメアーは思う。

 この「少年」は何者だと?

 純粋無垢なこの笑みは、到底血の臭いを知っている人間の笑みではない。

 「王」としての素質はあるのだろう。

 現に初めて会った時や戦闘中の彼は、まさしく「王」そのものだ。


 だが、今の彼からは「少年」以外の何も感じない。

 今此所で鎌を造り攻撃を仕掛けても一瞬で首を刎ねる事が出来そうな程に、彼は無防備だ。

 だが、解っている。

 それは私を信用しているのではない。警戒する必要が無い程に、力量差があるからだ。


 私が一瞬でも、鎌を造り出す為に魔力を手に集め出したものならば、彼含め二頭の狼も私の喉笛を食い千切るだろう。


 泣き出したい程に嫌な状況だ。

 今日は何だ? 私を惨めにする日か?

 此所まで来て何だが、矢張り私は何処かで何かの選択肢を間違えて選択したのだろう。


 まぁ、所詮は過去だ。

 悔やみもするし後悔もするが、戻りたいとは思わない。


「さて、そろそろ向かわないとね。本当に『見回り』が現れたら100%と戦闘になっちゃうし、『見回り』相手だと本気出した所で無駄になるし」


 センが気になる事を言っているのだが、当然尋ねても答えてくれない事を知っている。

 ナイトメアーは知りたい欲を必死に押さえながら自身に言い聞かす。


 後々だ。後々になれば。


『何を悶えている? 気色悪い』

 まるでゲテモノを見るかの様な目でナイトメアーを見ながらディガーが吐き捨てた。


「悶えている様に見えたのか? そうか、そうか。どうやらお前の目は末期の様だ。素直にそこら辺の木の枝で目玉を抉りだした方が良いんじゃないのか?」

 無表情で木の枝を指さしながらナイトメアーは歩き出す。


 ディガーはナイトメアーを睨みながら何かを言いそうになるが、その前に欠伸が口から出る。

『………………………………』

 反論も次の罵声も言う気を失ったのか、何も言わずに歩き出す。


 ディガーの後ろを歩くバルデトはそのやり取りを見ながら笑おうとするが、開きかけた口が止まる。

『………チッ!』


 舌打ちが耳に届いたのか、ナイトメアーが振り返りバルデトを見る。

「何だ? 私が何かしたか?」


『………一応言っておく………ヤバイと思ったら逃げるか攻撃するかしろよ?』

 バルデトの口から出たその言葉は、ナイトメアーの問いに掠りもしない。


「………何を言っ―――!!?」

 眉間に皺を寄せ、首を傾げようとしたその瞬間。


『招かれざる黒き女よ』

 その声は響いた。


 一瞬。声が聞こえた一瞬に、ナイトメアーの膝は笑った。

 それと同時に心臓を、命を、全てを握られる感覚に陥る。


 終わる。終わる。終わる。終わる。終わる。

 本能が告げる。理性が諦める。

 このままだと、死ぬ、と。


『未熟な王よ。捉えられぬ獣よ』


「『!!?』」

 その声に遅れて反応したのはセンとディガーだった。

 そして直ぐさまセンは自身の指を噛んだ。

 血が流れ出し、食い千切るのではと思う程に。


「!? 何をして………い、る」

 いきなりの行動にナイトメアーは困惑するが、センの表情を見て表情が強張る。


「………まさか俺にまで掛けるとは、な」

 その声は既に「少年」ではなく「王」。

 目に浮かぶのは明らかな怒り。


『………眠いから気付くのが遅れたか。どうやら『森神樹グランドツリー』は森に火が放たれるのを防げなかった俺等に対してもご立腹らしい』


『眠たいから気付くのが遅れたって、間抜け過ぎやしねぇか?』

 ディガーの言い訳にバルデトが口角を上げ喜ぶ。


「ディガーをからかうのは後にしろバルデト」

 センは静かに命令する。

 表情は先程の笑みとは打って変わっての無表情。


『あぁ、解ってる。解ってるぜ』

 それ以上バルデトは何も言わない。


 ナイトメアーはこの場の空気を感じ取っていた。

 先程の声、あれは明らかに異常だ。


 声だけ。声だけで、私を殺そうとした・・・・・・

 向けられたのは殺気ではない。唯々排除するだけのモノ。

 殺意など微塵も込められていない言葉に、私は一瞬持って行かれた。


 センの突然の行動を見ていなければ、完全に堕ちていた。

 一瞬だけ見た黄泉の世界。

 ナイトメアーは額を流れる汗を拭う。


「い、今………のは?」


「………森の神、『森神樹』。どうやら、此方から向かわなくても向こうから出迎えてくれたらしい」

 冗談を言わないセンが、この状況で笑みを作る。


『………いつもならば、その口調に対して何か言う所だが、今回は些かいきなりでそして俺の勘に障った。まさか俺等も一緒に捲き込むとはな。一瞬全てが弾け飛ぶかと思ったぞ』

 ディガーも笑みを作るが、その目はセン同様に怒りが灯っていた。


「この声が………『森神樹』」

 センとディガーの会話を聞きながら、ナイトメアーはその名を口にする。

 森の神と名に記す、この【森】そのもの。


「………ハハッ………規格外過ぎるだろ?」

 勝てる勝てないの次元ではない。

 楽に死ねるか苦しんで死ぬかの二択しかないではないか。


 顔を片手で覆いながら、溜息を吐く。

 自身の浅はかさと、今日死ぬかもしれないと言う気持ちで一杯であったナイトメアーは、気付くのに遅れた。


「!? メア!!」

 センが叫んだ。


 突然名前を呼ばれた事、この場で叫ぶとは思わなかった人物が叫んだ事。

 目まぐるしく変化する状況にナイトメアーの思考回路は完全に麻痺していた。


「ん? !!!??」

 視界に入る。それは足下。


 何故か光輝く足下。

 既に汗と先程の気持ちは消え飛んでいた。


 動け!

 そう自分の足に対して命令を出すが、両脚は動かない。


パンッ!!!


「クソが!!」

 センが顔を歪め吐き捨てる。


 この瞬間、ナイトメアーは一人と二頭の目の前で忽然と消えた。



















『おい。お前は何番目だ?』


『………4番目』


『既に2番は死んでるし、3番は発狂したまま監禁されてるし。てっ、事はお前が2番みたいなもんだな』


『………順番に何か興味無い』


『そうか? まぁ、番号っつても、ちゃんと生きてるのは4人しか居ねぇけどな』


『………どうでも良い』


『まぁ、1番の顔見た事無いし。7番も顔知らないし。こう考えてみると、確かにどうでも良いな』


『………………………』


『お、ついに無視か。まぁ、良いさ』


『………………………』


『んじゃ、俺は行くぜ? またな4番』









『………次が在るか解らないのに、「またな」?』

















【森】『中央』


「うっ………」

 地面の冷たさを感じ、襲う身に覚えの無い頭痛に顔を歪める。


 全身黒の女、ナイトメアーは何故か倒れていた。

 先程までは立っていた。


 いきなり倒れると言う事は大差問題でもないし、有り得ない事でもない。

 だが、立っていた先程と倒れている今とでは決定的に違う。


「………こ、此所は?」

 頭痛が酷いのか、体を起こしながらも頭を押さえている。

 眉間に険しい皺を寄せ、辺りを見渡す。


 居ない。


「………センや、狼は………」

 先程まで一緒に居た筈の一人と二頭が居ない。

 何処かへ行ったのか?


 記憶が混濁している。

 何故倒れているのか自体が解らない。


 この頭痛のせいか、上手く脳が考えを纏めてくれない。

「痛ッ! ………最悪な気分だ」

 吐き捨てる。

 頭痛のせいでもあるが、それ以前に何か、心底腹の立つ事をされた様な気がしてならない。


 地面に手を付き、四つん這いの様な格好になり膝を地面に付けたまま上半身を完全に起こす。

 一瞬目眩が襲ったが、気にせずに辺りを見渡す。


「さっきまで居た場所とは、違う場所みたいだな」

 一面木なのは変わらない。

 だが、周りの木の大きさや枝、木の量が違う。


「………私が移動したみたいだな」

 センやディガー、バルデトが移動したのではなく、自分が移動したのだと此所で解る。


 もし、あの場で倒れていたのならばきっと目が覚めるまで狼の一頭や二頭が見張りで近くに居る筈だ。

 それが居ないと言う事は、私がセン達に取って予想外の手段で移動したと言う事。

 追うタイミングも失う程に、一瞬で。


 残念な事に私にはそんな一瞬で何処かに行ける様な力は持っていない。

 と、なるとこれは他の奴が私を移動させたと言う事。

 しかも、無理矢理。セン達の目の前で。


「………誘拐か? それとも何か私がしたかな?」

 口角を上げ、立ち上がる。


 光が無い。

 『光の雨』は此所には降っていないらしい。


 動き出したいが、無闇矢鱈に動いた所でこの【森】の土地勘などない。

 道に迷って何かに出会して、最悪死ぬ。

 そんな格好悪い死に方は御免だな。


 ナイトメアーは自分の体に異常が無いか確かめる為、足・腰・手・肩・首と動かして行く。

「………どうやら、頭痛以外に異常はないらしいな」

 今でも鈍く痛みが走る頭。


「さて、どうしたもの―――」


『招かれざる黒き女よ』


「!?」

 声。聞き覚えのある声。


 倒れる前。確かに聞いた声。

 その声を聞き、ナイトメアーの口は動いていた。


「………『森神樹』」

 名に森の神と記す、【森】そのもの。


『運命を知らぬ女よ。自滅を歩む女よ。欠落した女よ』


 輝く。ナイトメアーの目の前。木が生い茂っていた筈の目の前には、木は無く。道が続いている。

 あんな道、在ったか?


 まるで暗闇の中で差す光の様に。

 何時の間にか現れた道の先が光輝いている。


「………誘っているのか?」

 この演出は、確実に私を誘っている。


 罠か? それとも、友好的なまさかのサプライズか?

 迂闊に動けない。


『来い。汝の価値。見定めてやろう』


 挑発。

 何時もならば引っかからない。安い挑発。


 だが、頭痛のせいか。いきなりの出来事のせいか。今日のハードさのせいか。

 ナイトメアーはその安い挑発に歯ぎしりをした。


「上等だ………!!」

 ゆっくりと足を前に出し、歩き出す。


『来い。招かれざる黒き女よ』















ゲームって、面白いですよね。

遅いかもしれませんが最近ペ○ソナにハマっています。

ゲームで冒険しない派なので、パッケージ見るだけだったんですけどね。

気がつくと店員が笑みを浮かべて袋に入ったゲームを渡してくれました。


薄くなっていく財布と言うのは矢張り悲しいものですね………。


さてさて、無駄話は切り上げ。

次回は少しでも早く投稿するよう努力します。

評価して下さる方や、お気に入りに登録してくれている片が増えているので。


………頑張りますので見捨てないで下さい。

それでは、それでは。



P.S.

TR○GUNの劇場版をDVDで視た。

あの世界観が好きなんですよねぇ~。




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