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第49話 神殿と繋がる魔法陣

 納得はしていないが必要なことはする。

 それがサラの出した結論だ。

 家の外へと出てきたサラはウッドデッキから下りながら、ミハイルを睨むように見上げて言う。


「わたしはっ、まだっ、納得してないっ、から」

「ん、わかってるっ。悪かったっ」


 視線も合わせずに返事をするミハイルもまた何が納得できていない様子だ。

 サラに続いてゾロゾロと出てきた聖獣たちは、そんな2人を冷や冷やしながら眺めている。


『2人とも、仲良くして』

『そうだよ、怒ってると魔法陣が変なトコに飛んじゃうよ?』


 ピカードがたまらずに口を開けば、クロも同調して窘めるように言った。

 バーンズは話題を変えるためにミハイルへ質問した。


『そういえば、ミハイルはどうやってココに来たんだい? 聖獣の森は人間にとっては、簡単に入れる場所じゃないはずだが』

「この魔法陣を辿ってきたのです」


 ミハイルは草原の上に魔法陣を展開してみせた。

 聖獣たちはどよめいた。

 サラは意味が分からずにキョトンとした顔をして青白く浮かび上がる魔法陣を眺めた。


「この魔法陣は、神殿と聖獣の森を繋いでいます。本来は無かったものです。しかし召喚の儀を行った際には自動的にこの魔法陣が展開して、ここへ繋がるように細工されていました」

「だからわたしは、この森に……」


 サラは魔法陣を見つめてみたが、別段何も感じない。


(そもそも詳しい事情を知らずに召喚されるがままココに来たからなぁ。必要ないなら必要ないでどっちでもいいし。だけど必要なのに、一部の人たちの思惑で邪見にされてココに送られたのなら腹立つな)


 サラの力が必要だということは、誰かの命が危険にさらされているということだ。

 

(助けが必要なら助けるっ。シンドイのは嫌だけど、やれるならやるっ)


 サラが決意を固めている横で、ミハイルは説明を続けていた。


「私は神殿のシステムを探っていて、この魔法陣を見つけ出しました。だからこの魔法陣を辿ることで聖獣の森へ来られたのです。これを逆に辿れば、神殿へ行けます。今度は私が一緒ですから、変なところへ飛ばされる心配はありません」

『それなら安心だな。もう時間はあまりないかもしれない。空の色を見ろ、真っ赤だ。まだ昼日中だというのに聖獣の森の空からこの色ってことは、ニンゲンの世界の空は瘴気で真っ黒なんじゃないか?』


 空は綺麗な夕焼けのような色だ。

 だが聖獣たちは知っている。

 それがニンゲンたちにとって不吉の証だということを。

 

「そうかもしれません。急ぎましょう」


 表情をキュッと引き締めたミハイルと一緒に、サラと聖獣たちは転移魔法陣の中に飛び込んだ。

 

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