第34話 聖獣の森で遊ぼう 1
朝食も、食休みタイムも終えた子どもが何をするか?
(もう遊ぶしかないよね)
サラはピカードの背中にもたれ掛かりながら、1人でウンウンと頷く。
(3歳児の体に恵まれた住環境。衣・食・住の心配は要らず、ここにいるのはモフモフの獣たち。こんなの夏休みよりサイコーの遊興タイムが期待できるでしょ!)
酒も要らなきゃ、女も要らぬ。
ましてや男なんてコリゴリだ。
とはいえ聖獣の森では、どんな遊びができるというのか。
分からないことは聞くのが一番である。
「サラちゃん3歳は遊びたいっ!!!」
唐突に立ち上がって右腕を高く上げ宣言するサラに、ウトウトしていた聖獣たちはびくぅぅぅぅぅぅっと若干飛び上がり気味になりながら目を開けた。
サラの頭の上ではオカメちゃんが、ワタクシはさっきから起きておりましたが何か?、とでも言いたげに「ぴぎゃっ!」と間抜け凛々しく鳴いている。
寄りかかられていたピカードは唐突に重みが消えたことに気付いて「うぉっ?」と小さな声を上げながらモソリと上半身を起こした。
ぬいぐるみのようなクマさん座りをしながら目元をこすり、軽くあくびしながら聞く。
『ん……遊ぶって、サラは何をしたいの?』
半分寝ぼけて聞いてくるピカードに、サラは聞き返した。
「聖獣の森って何ができるの?」
『ん? 色々できるけど……』
ピカードがモソモソと答えると、クロがモゾモゾと身を起こした。
『んー、サラ。何を騒いでるの』
「わたしは遊びたいっ。聖獣の森お勧めの遊びってなに?」
『んー……なんだろう?』
クロは首を傾げた。
『騒がしいわねぇ。遊びなんて、お子ちゃまのすることよ』
「サラは子どもだもんっ。サラは3歳児なのでっ!」
サラはシローネに向かって右手を伸ばし、ちっこくて短い指を三本立てた。
『んー、遊び? 遊びか』
バーンズもムクリと起き上がって首をひねっている。
(もしや遊びという概念が、聖獣の森にはない?)
サラが立ったまま両腕を組んで基本的なところに疑問を持ち始めたころ、銀色オオカミがモソリと言う。
『森の奥のほう……春のキノコ祭りの時期じゃないか?』
(なに? キノコ祭り?)
『ああ、そう言われればそうね。ワタシはキノコじゃなくてタケノコ派だけど』
(なに? タケノコ派?)
『そうだね。じゃ、今日は森の奥の方へ行ってみようか』
クロに提案されて、サラは細かく何度もコクコクと頷いた。




