第31話 聖獣の森見学会 3
(至れり尽くせり女神さま。出来すぎ女神さま。聖獣の森、サイコー!)
朝食を終えたサラは、ピカードに寄りかかってウトウトしていた。
食堂樹には和朝食メニューもあったが、甘みを求める3歳児の体は洋風朝食メニューを選んだ。
(フレンチトーストうまー。回りがカリカリで中しっとり。朝っぱらからスイーツかよ⁉ というのも贅沢でいい)
食堂樹は至れり尽くせりなので、フルーツも既にカットされた状態で実っている。
葉っぱのお皿に乗っかったカットフルーツが実っている光景はシュールだ。
木としてのプライドは大丈夫なのだろうか、とサラは思ったが、聖獣の森とはいえ木は話せないので分からない。
(でも幼児向けの絵本を現実化したらこうなるか。しかもカトラリーが葉っぱとか木だからサスティナブル)
サスティナブルってなんだよ⁉ と自分で自分に突っ込みつつ、木にくっついている葉っぱをジッと見つめる。
聖獣の森ではスプーンやフォークなども葉っぱにくっついていて、簡単に手に取ることができるシステムになっていた。
(だけど、わたしの目では、パッと見て分からないんだよねぇ。間違い探しみたい)
聖獣たちにはパッと分かることも、サラには分からないという場合もれば、その逆もある。
(ということは、協力して生きていけるということだね。頼るのも楽しいけど、頼りっぱなしになると自己肯定感下がりそうだし。女神さまの加護がいっぱいで甘やかされるけど、多分、どっかでその分、頑張らないといけなくなるんだ。わたしは知ってるんだから……)
ちょいちょい懐疑的な前世の社畜根性が顔を出すが、だからといってどうということもない。
(今のわたしは女神さまにいっぱい力をもらった、やれば出来る子!)
ムンッとやる気爆発する瞬間はある。
だがサラは、すぐに体の力を抜いた。
(今はゆるゆるした食休みターイム)
聖獣の森では、体のなかの不要な物は勝手に循環システムに乗っていく。
いちいちトイレに行く必要がないということは、その辺に臭う落とし物もないということだ。
動物の落としたアレコレを気にすることなく過ごせる森は、実質室内のようなものである。
(汚れも気にしなくてもいいし、虫刺されも気にすることないし、危険な動物の心配もない。なんて気楽な自然環境!)
ピカードの体に寄りかかっているサラのお腹に、クロが頭を乗っけてくる。
サラの頭の上にはオカメちゃんが乗っているし、広ーい聖獣の森の中で、なんとなく集まって過ごしている。
(ホカホカのモフモフな上に風が心地よくて、すぐ眠くなる~)
サラがゆるゆると至上の楽園を楽しんでいる頃、王都はとんでもない騒ぎになっていた。




