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9話 おや?もしかしてって事はないですよね

イザナが煙を吐いてタバコ消すとライを見てくる

ライは震えを抑え込もうと深呼吸をする


「まずは息子イッカクの失態を謝罪させて頂きたい」

「申し訳ありませんでした」


セバスが息子と呼んだ男性が頭を下げる

ライはわからない顔をして男性をみる

本当に申し訳なさそうな、少し涙目で頭を下げていた

その隣ではセバスも頭を下げていた


「エリザお嬢様とマリアお嬢様には謝罪してもしたりません」

「事の起こりは‥‥‥」


セバスが説明する内容は

息子が暗殺者を取り逃した

その後、暗殺者追って持ち場を離れた上に、暗殺者達が持っていたオトリ情報を信じて、人数を動かしてしまった

エリザ、マリアが攫われた時も焦ってオトリに釣られてしまい、お嬢様を見失った

捕らえた者から取引相手と場所を割り出したが、すべて時間がかかってしまい遅かった

との事を話していた


「取引相手はコチラで処理させていただきました

今回は協力要請を貰ってイッカクを派遣していたのに、混乱させた上に最悪の事態になった事

誠に申し訳ありません」

「申し訳ありません」


エリザとマリアは寒いのかライにくっついてくる

ライは確かにこんな所で、今しなきゃならない話でもないのではないかと思っているとイザナがアゴヒゲをさすりながら、難しい顔をして話す


「で、セバスさんはどうしたいんだ?

ケジメって話でいくとイッカクをどうにかしなきゃならんが、協力要請をしたのはコッチでもあるからな」

「エリザお嬢様とマリアお嬢様の事を考えると生きている間に目の前で謝罪させて頂きたいと私が願った事であります」

「別に最悪な事になってないからいいですよ」

「何を想像されているんでしょうか?」


イッカクが改めて頭を下げているがエリザとマリアは呆れていた

イッカクが顔を上げ、セバスを見ると、セバスも驚いている顔をしている

イッカクは肉親だからわかるが、周りには普通の顔に見えるだろう

それでも感情をわかりやすく顔に出すのは非常に珍しい事だ


「セバスさんが言ってたようにライちゃんを先に見つけて追っておけばよかったと思いましたよ

恐ろしい嗅覚の持ち主です」

「そういう事なんですよ」

「少し嫌な思いをしただけ

別に汚されてないですね」


マリアの汚されてない発言の時にライがピクッとして、エリザとマリアのスカートを横目で見たので、エリザとマリアにポニーテールの部分を掴まれる


「良い猟犬をお持ちですね

ウチに欲しいくらいですよ、セバスさん」

「妻や娘もそうですが

カルナお嬢様も執着しておりますので」

「それは怖いですね

ウチのお嬢様方にも狙われても大丈夫な上に、そちらに狙われて大丈夫、その上、良質な猟犬とは‥‥‥

いやぁ〜、ライちゃんを譲ってくれませんか」

「私の一存ではなんとも‥‥」


イザナとセバスが何やら不穏な事を話し合っている

エリザとマリアは少しニヤニヤとしながらライの青い髪をいじくり回している

ライとイッカクはどうしたらいいかわからないので、じっとしていた


「被害は軽微と報告を受けていますし、

セバスさんが急遽派遣してくださったライちゃんが間に合った訳ですから

結果だけ見ると協力して良かったとなります

キズ無くすべて取り返して、攫った者、そいつらの黒幕、取引相手の全てを

この1日で終わらせちまった訳ですからね

これ以上は望んでない、で良いと思いますぜ」

「そうですね、私達もありません」

「今度から派遣はそこのヤツよりライちゃんにして欲しいですね」

「それは賛成ですね」


エリザとマリアが何やら決めてしまったので、ハラハラとしているライは

どうなるんですか、どうなっていくんですかと混乱中だった


「ライ」

「はい」

「今から屋敷に帰り、明日の昼に必ず私の元に来なさい」

「いえ、しかし」

「昨日の事は使用人の試験です

もう一度言います

明日の昼に必ず私の元に来なさい」

「はい」


セバスとライの話を聞いてイザナはニヤニヤしながらセバスに話しかける


「なんだ、ライちゃんは使用人ではないのか

ならコッチにスカウトしても良いじゃないか

セバスさんも人が悪いぜ」

「いえ、そういう訳ではありませんが」

「俺らみたいな奴らに優良なもん見せたら駄目だぜ

にしても、試験って何したんだ」

「何故それを言わなければなりませんか?」

「ライちゃんよ

何させられたんだ」


ライは答えずにいるとエリザとマリアがクスクスと笑い出してライの頭を撫でる


「なんでも良いじゃないですか」

「もし、嫌になったりしたら

すぐにコッチに来るように

いい?給金も多めに出すからね」

「絶対に調子に乗ってイジメる子がいるから

そうなったらコッチに来る事」

「絶対ね」


ライはどっちも心が持たないが2人より1人の方が‥‥いやいや、逃げないといけないが

どうやってとも思う


「まぁ、ここいらで解散としや‥‥しましょうか

あんまり遅くなると私達が怒られますんで」

「そうですね、またねライちゃん」

「また行くからね、ライちゃん」


ライはどっちにも頭を下げて見送る

イザナはライに近寄ってきて片手を上げて頭を軽く下げてくる


「本当に助かった

なんかあったら言ってくれ」

「はい、よろしくお願いします」


ニヒルでちょっと悪そうなオジさんがニカッと笑ってライの肩をパンパンと叩いて離れていく

3人を見送ったら、背後の気配も無くなった


「我々も戻りましょう」

「親父、俺はどうしたら」

「自分で考えなさい

ライ、戻りますよ」

「はい」


ライとイッカクはトボトボと鉄扉から外へ出て止まっている馬車に乗り込んでいく



希望を持って良いのでしょうか

完全に偶然ですが、エリザ様とマリア様の窮地を助けた事になった事が良かったのでしょうか

まだ油断はしていませんが


しかし、セバス様の息子様、イッカク様とおっしゃいましたか

気配からするにやり合うのは得策ではないと思います

話の流れ的に実力とやる気はありますが、空回りすることが多いんでしょうか

けど、結果が酷い事にならなくて良かったです


イザナ様と背後にいた方もやり合いたくはありません

やり合いたくない方が多くなってきて、どうにかこうにか逃げたい

カルナ様とエリザ様とマリア様からも精神的に逃げたいです

公爵様と大商会、背後の力が強すぎて

どうしようもありません


帰って隙を見つけて逃げようと思います

絶対バレてます

むしろ、なんでバレないんですか?

黙って屋敷を出てきた事も含めて何本尻尾を出すんですか?出しすぎています

こんな獣がいたら、すぐに狩られています


そんな獣が馬車で狩人の巣に連れられていきます

売られます?料理されるんですか?

煮ても焼いても干しても蒸しても揚げても

美味しいとは思いません


考えすぎでしょうか

馬車に酔ったのでしょうか

頭が痛くて、関節も痛くて、息が荒くて

ヘックシュン!ヘックシュン!

失礼しました


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