3話 厄介って事はないですよね
ライは街にやってきていた
目的は紅茶の茶葉を買う事と
前の指令から1か月、指令を遂行出来ずにいたら、どうなるのかわからなかったが
もしかしたら、次の命令が、きているのかもしれないと探しに来ている
命令を聞かなかった、指令を遂行出来なかったのに
次の命令が、きていないかを期待している
都合の良い事だとわかっているが
何かできる命令が欲しい
当分は街に来れなさそうだから、今回見つけれなかったらとライは焦っていた
ライが街に行く前日の事
いつものようにカルナがお茶会を開いていた
エリザとマリアが出されたクッキーシュークリームを食べながら、カルナを少し睨む
「どうなの?美味しい?」
「毎回聞かないで欲しいわ」
「美味しいわぁ、ライちゃん
ホントに私達の所に来ない?カルナより良い待遇を出すわよ」
ライは少し微笑んで紅茶のおかわりを作っていく
カルナが夜のお茶会に来てから、学校帰りのお茶会で出すものはライが作るようになった
お菓子を作るのはわかる‥‥わかんないけど
紅茶の茶葉まで準備しなきゃならなくなった
発端はシェフと夕飯のデザートの件で話をした時だ
もちろんカルナがなんと言おうとシェフ達にもプライドある
ライの作ったお菓子をシェフ達は食べて、まだまだと言うものが大半だったが、シェフ長が最後まで食べて、紅茶を飲み切ってから
お菓子は譲れない、俺たちの修行の場でもあるからな‥‥だが、何を作るかは教えるからそれに合う紅茶を準備して欲しい
ライの作るお菓子は確かに美味し工夫も見られるが、紅茶があってねぇ
お茶会の方のお菓子を譲ってやるが、夕食に合うデザートは俺らが作る
俺らは紅茶が門外漢とは言わねぇが、短期間でお菓子に関してこの腕前だ
ライにお菓子やデザートに合う紅茶を任せたい
こんなに喋る人だっけと思いながら聞いてると
シェフ長の次に偉そうだと思う2人が声をかけてきて、今後のメニューとお菓子をどうやって作っているかとか、実際に一緒に作ってみないかとかを言われた
ちなみにライはシェフの偉い順番は帽子の長さで決まっていると思っているので、帽子が1番長いシェフ長がおそらく隊長で次に長い帽子の2人が副隊長なんだろうと思っている
「ライって、明日のお休みは何をするの」
「セバス様とサマンサ様に教えて頂いた紅茶のお店に行ってこようかと思っています」
「セバス達のオススメって事はハクゾーさんの所かしら?」
「確かにあそこなら何でも揃ってるし、揃えてくれるものね」
カルナの問いかけにライは答えると
エリザ、マリアが何かを考えながら言って2人は目を合わせて、少し笑う
「じゃあ、明日はハクゾーさんの所で待ち合わせしない?」
「えっ!」
「学校帰りによるからちょうどお茶会が始まるくらいの時間で良いからしら」
エリザ、マリアがいう事をライは淀みなく動いて聞いていたが、カルナが驚いて抗議する
「何で!私も‥‥」
「明日は商人との打ち合わせがございます」
後ろに控えているサマンサから言われてカルナは黙り込む
目の前でライがエリザとマリアに言いくるめられて段々と予定が決まっていくのを聞きながら少しだけイジワルをしてやろうとライに話しかける
「勉強は進んでるの、ライ?」
ライがピクッと動く
その反応をカルナはもちろん、エリザ、マリアも見逃さなかった
「駄目よ、ライちゃん
そんなんじゃ、受からないわよ」
「ホントに駄目なら手はいくつかあるけど、公爵家の者が使うような事ではないわよ」
「そうね、遊んでいる暇があるのかしら」
「あら、余暇は必要よね」
「そうそう、明日くらいは良いわよね」
「駄目よ!明日からやらないと」
エリザ、マリア、カルナは同盟したかと思えば、明日の事では譲らなくなる
ライは目を伏せて、あまり発言しないようにしていたが、困る質問が来る
「ライはどうしたいの?
もちろんここで勉強よね」
「駄目よ、ライちゃんの
明日は予約してあるのよ」
「アナタはお菓子を毎日出来立てで食べてるんでしょ
紅茶の好みくらいはライちゃんに教えてもバチは当たらないんじゃないの」
3人に見つめられてライが困っていると
サマンサが咳払いをしてから
「ライの休みと街へ行く事は、前から申請をもらっていたものです
それよりもエリザ様、マリア様の寄り道等は大丈夫なのでしょうか?
何かあった場合に当家の使用人が対応できれば良いのですが」
「そこは大丈夫ですよ」
「セバスとかサマンサに比べたら駄目に見えるけど、結構頼りになるのよ」
ライはこの流れでサマンサがなんとか断ってくれると思っていたが、サマンサがライを一瞬見た時に不穏な気配を出したのがわかった
おそらくライが理由をつけて直接断らないと
この話は終わらないわよと言いたいんだろうが、その理由が見当たらないし、街に行く本当の理由は言うわけにはいかない
「明日はいいわ
ライを貸したあげる」
「やった!」
「明日は服も見たかったのよね」
「ちょっと、上乗せしてこないで
貸さないわよ」
カルナが観念したようにライの行き先を決めてしまった
ライは顔を上げて、サマンサを見るが、諦めなさいと言うように目を瞑っている
「ライちゃん、明日のこの時間ぐらいにハクゾーさんの所で待っててね」
「その後、ちょっと付き合ってね
大丈夫!ホントにちょっとだけだから」
エリザとマリアは笑顔でライに告げると笑い合いながら紅茶を飲んで、カルナも交えてどうしようかなっと相談を始める
いや、待ってよ
エリザ様とマリア様はパラケイア大国の
武器商人スコーパー・アーケロン様の御息女様ですよ
材料の仕入れ、製造、販売を一手に行い、他には流さないパラケイア軍のお抱え
ボーゲン公爵様とは幼馴染の現当主がいる
ボーゲン公爵様の次男とアーケロン商会の長女は、オシドリ夫婦で社交会でも有名です
切っても切れない関係、言うなればズブズブです
商会っていうぐらいですから、色々な物を扱っているんですが武器が1番有名です
アーケロン商会のナイフと銃っていいですよね
値段は高いので買えないんですが
さらにオーダーメイドは笑うくらいの値段です
なんか職人の手作りってヤツは良いらしいです
スゴイ人気なんですよね
そんな事より、危ない事になりません?
恨みとか買ってません?
街で紅茶の茶葉を買って終わりですよね
それにしても勉強は嫌です
大体は組織より教え込まれていますが、大陸の歴史とか科学反応とか、沢山の暗号みたいな数式はわかりません
早く次の指令をください
このままでは学生になる為に勉強ばかりになりそうです




