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25話 抗えないって事はないですよね

ホウから別れを告げられたので

お礼を言ってから、サキをカマクとミカエルに預けた

長旅で疲れただろうという事で商会の3階にある来客用の部屋に泊めてもらう事になった

広い部屋で個室の大きいベッドにライは少し怯えながら座っている

こんな扱いは初めてなので、どうすればいいのかわからない

とりあえずは部屋にあるシャワーを浴びて着替える


なんか久々のシャワーだったので

ベッドに座ると毛布に包まって、半目で座りながら寝てしまう

ドアの向こうから聞こえてくる足音で目を覚ますとドアをノックされる

食事が用意されたので、部屋で食べるとまた眠気がきたので、今度はベッドの上で布団に包まって寝る


疲れていたのか、安心していたのか

ドアが開く音で飛び起きる


「ライ!来てくれたのね!」

「えっ!スノウ様!」

「そうよ!やっとカルナ姉様が嫌になったのね」

「いえ、そういう訳では」

「大丈夫!嫌な思いはさせないわよ」

「あの‥‥ミカエル様まで」

「おはよう、いい朝ね、ライ」


飛び起きた瞬間に枕元のワキザシに手を伸ばすが、相手がスノウだったので、動きを止めるとスノウにされたい放題になっていた

スノウはライの手を握るとワキザシに目が止まって、笑顔になる

ライはこの笑顔をよく知っている

カルナがイタズラを思いついた時の笑顔とそっくりだった


「ねぇ、ライ?」

「はい、スノウおね‥‥様」

「おね?何?」

「スノウお姉ちゃん」

「はい!正解!

お姉ちゃんの贈り物は嬉しかった?」

「贈り物‥‥3本目のナイフって、スノウ様が?」

「スノウ‥‥なに?」

「‥‥スノウお姉ちゃんがくれたの?‥ですか?」

「そうよ、嬉しかったのよね

枕元にまで置いて、寝る時まで離れたくなかったのね」

「警戒の為に‥‥ありがとうございます

スノウお姉ち‥‥様」

「あら、やっぱりもう少し足らないみたいね」


ミカエルが楽しそうにスノウとライの会話を聞いていると、ドアの所にいるメイドが食事の用意ができた事を告げる

ライは2人に先に行ってもらい、身支度を整えて、メイド服に着替える

ドアから出るとメイドに食堂へと案内され、先に来ていたミカエルとスノウに礼をしてから、メイドに椅子を引かれて座ると変な気分になる


朝食が目の前に並べられていくのを見ていると食堂のドアが開いて金髪で短髪、ガッチリした体格の男性が、ウェーブのかかった金髪が腰まであり、紫のドレスを着た女性と腕を組みながら入ってきた

ライは立ち上がり、礼をする


「やめてくれ

こちらが先に礼をする所だ、ここは」

「そうよ、ライちゃんでよかったかしらね

頭を上げて欲しいわ」

「ライと申します」

「スコーパー・アーケロンだ

ありがとよ、娘達が世話になった」

「妻のヨミって言うの、よろしくね

ウチの娘達はどう?おとなしくしてる?」

「はい、よくしてもらっています」

「嘘はつかんでいい」

「嘘はつかないでいいわよ」

「ライちゃん

お父さんとお母さんに嘘は通じないわよ」


ミカエルが楽しそうにライに言う

スコーパーとヨミが椅子に座るとレプンがワゴンを押して食堂に入ってくる

ライは会釈をするとレプンは笑顔で軽く礼を返してくれる


「ライはレプンとも知り合いだったな」

「その時にミカエルとスノウちゃんともあったんでしょ?聞いてるわよ、色々と」


その後は朝食をとりながら、ミカエルとスノウがライとの出会いやその後を語り出す

ライはレプンから注いでもらった紅茶を飲みながら早く時間が過ぎないかと考えながら、偶に頷いているとワキザシの話になっていったので、ライはレプンにお礼を言う


「ハクゾー様からレプン様とイザナ様が頼んで頂いたと聞きました

今回は間に合わなかったので、工房の2番街で手紙を出すように言われました」

「私が注文したのを先に作って、間に合わなかったんだって」

「ハクゾーが作ったのか?それにしても間に合わないとはな

できたのを見せてもらってもいいか」

「はい、部屋にありますので、少し失礼します」


スノウが嬉しそうにライに微笑んでいるのをスコーパーは見ながら言ってくる

ライは部屋にワキザシを取りにいくついでに、部屋にあった大きな紙袋を覗くと社長、社長夫人と書いた小さな紙袋が入っていたので、それも持って食堂に戻る


入り口にいるレプンに紙袋とワキザシを渡し、一礼してから、席に戻る

スコーパーとヨミは紙袋に入っていた手紙を読んで色々と察した様子でライを見ていた


「ふぅ〜ん、ライちゃん

ヨ・ミ?」

「‥‥‥‥」

「ミ・カ・エ・ル」

「ス・ノ・ウ」

「ミカエルお姉ちゃん、スノウお姉ちゃん」

「あら、私はないの?寂しいわ

ヨ・ミ?」

「ヨミお姉ちゃん」

「嬉しいわ!でもね、ママの方がもっと嬉しいわ!」

「なんだ、あまりからかってやるな!

だが、俺のことはパパと呼べ!」

「‥‥ヨミママ!‥‥スコーパーパパン!」

「パパンッ‥‥って、もう!ライちゃんはいいわね!

私達が呼んだら怒るのよ、嫉妬しちゃう」


ミカエルが笑いながら、ヤケクソになっているライに対して頬を膨らますと、さらに周りは声を出して笑う

ライは、もういいからぁ〜

抵抗しても無駄ですよね

もういいですので早く終わってぇ〜っと思いながら顔を赤くして答えていく


ライがさらにおちょくられている間に

ワキザシの刀身や鞘、鞘についている革紐を見て、スコーパーとレプンは感心しながら、相談を始めて、周りの執事やメイドに声をかける


レプンは執事やメイドが持ってきた物を確認してから、おちょくられているライの後ろから立つ様に促す

ライは立つと両側からメイドに手首を持たれて腕を広げる様に立つ事になる

その時点になってライは

えっ?えっと‥‥えっ?と戸惑うが

そのまま周りに椅子が置かれてメイドや執事が座ってライの肩や腕、腰を触り始める


「俺は用事があるんでな、失礼する

明日の朝にダルの親父‥‥公爵が会ってくれるそうだ

それと‥‥ソイツはママとパパンからのプレゼントだ!大人しく受け取れ!ライ!

ハッハッハッ!じゃあな」

「あの‥‥」

「動かないのライちゃん」

「そうよ、手元が狂うわよ」


いつの間にかライの後ろにヨミとミカエルが参戦して、メイド達と一緒に布へ刺繍をしている

ライの前ではスノウがレプンとワキザシの鞘を持って笑い合っていた

肩や肘に布を縫い付けられていくので

ライは大人しく立っているしかなかった



言い訳を聞いて下さい!

なんで、どうしてでしょうか?

体が、いえ、口から勝手に出るんです!

頭ではわかっているんです

本当に!本当なんですよ!


わかっている?

わかってません!絶対に!

なんで、こんなに普通の使用人に構うんですか?

違う!間違いました!

普通の?‥‥スパイに構うんですか?


スコーパー・アーケロン社長

豪快な性格で、分け隔てなく接する態度で貴族から平民まで人気がある

商売に対しての嗅覚も鋭く

必要な物を理解し、売り出すのはもちろん、開発のアイデアもスゴイ人です


ヨミ・アーケロン社長夫人

平民出身で、社長とは幼馴染です

学生の頃に社長と婚約、結婚

美容関係での知識と商品開発で貴族関係に人脈をお持ちです


色々と使用人の方が教えてくれました

わかっています、わかってるんです

スゴイんですよね

どうスゴイかもわからないくらいにスゴイんです

そんな人達にわからないはずが‥‥バレてないはずがないって言いたいんですよね


おそらくは‥‥はい!動きません!

あっ、ちょっと髪をツンツンと引っ張るのはやめてください

はい!ヨミママの言う通りに今日からちゃんとケアします

え?ミカエルお姉ちゃん、スノウお姉ちゃんと同じシャンプーとリンス?

いや、でもそんな高価な物‥‥

はい、従います‥‥うん、嬉しいで‥‥

嬉しいよ!ヨミママ!


‥‥ハッ!いつの間にか

言われた事に素直に答えるように

これが躾ってヤツですか?

違います!言いません!

スパイかどうかを聞かれても言いません!

うん!ジッとしてるよ!ミカエルお姉ちゃん!


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