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23話 そんな長い事はねぇよ‥‥すよね

ライのお使いが決まった日の夜には、ほとんどの準備が整い馬車に荷物が積まれる

次の日になって、朝からサキに説明という名の命令が下され、サキはライに勢いよく言っていた時とは違って、何も言わずに従っていた

昼前に出発となった為に外にある馬車にサキが乗って、ライが前の行者が乗る所に毛布やら防寒具を整えている時にサマンサから声を掛けられる


「えっ?できたんですか」

「そうみたい

昼ギリギリになるから待って欲しいって、朝に連絡が来たんだけどね」

「もう出ますよ」

「なんだ?ライのが仕上がったのか

なら、待つか!虫の知らせの様なもんだ

こういうのは待つ方が良い!

そういうもんだからな」

「ありがとうございます」


ホウが笑いながらライに言ってから、少し待つと街の方から馬に乗ったハクゾーがやってくる

馬から降りると腹に巻いていた布を取りながら、ライに近づいてくる


「すまねぇ!待たせちまった!

その上で、もう1個謝らせてくれ!

これ1本しか出来なかったんだ

手紙は入れてあるからよ

向こうの工房2番街で俺の名前を出してくれ」

「えっ‥‥はい、ありがとうございます」

「良い所にいるな!ホウじゃねぇか!

コイツの事はホウに聞くといい

俺より詳しいからな」

「そうなんですか」

「ああ、初めて作ったが、最高に良い出来だ

苦労と失敗はあったがよ!楽しかったぜ!」

「ハッハッハッ!では、行くかライ!

こういう時はサッと別れんと長くなる」

「そうだな!またな!ライ!

生きてる内にまた来いよ!ホウ!」


ホウが笑いながら、馬車を出発させてしまったので

ライはハクゾーから受け取った布に包まれた物を持ち、走って行者台に乗り込んでホウの隣に座って振り返って手を振る



小さくなっていく馬車を見ながら、クロッサとフリーは伸びをしながら、屋敷に入っていく

見送りに来ていたシェフやメイドや執事も屋敷に入っていく

これから忙しくなるとかお菓子は誰が作るとかを話しながら


サマンサはハクゾーを見送ってから、馬車が見えなくなった方を見て、ゆっくりと息を吐いて


「次は王都でね、ライ」


白い息と共に呟いて屋敷に入っていった

次の日の明け方近くに屋敷では、前日まで上機嫌だったサマンサが怒り狂って、クロッサが笑い転げており、フリーが屋敷を飛び出していった



いやぁ〜良い仕事をさせてもらったぜ

ハクゾーだ

茶葉屋をやってるんだが、偶には鉄を打つのも良いもんだ

体は覚えていたが、勘を戻すのが手間取っちまってよ

その後にやりたかった事や色々と試しておきたかった事が出来ちまってよ

かなり遅くなって、ライちゃんには悪い事しちまった


その分、納得できる物ができたぜ

気に入ってくれるといいが

ホウがいたんで、上手い事言ってくれるだろう

昔からアイツは色々と知ってやがるし、俺の苦手な説明とかもしてくれるはずだ


最初にライちゃんを見た時は悪いけどよ

すぐに辞めると思っていたぜ

物を持つ姿も頼りなくて、ドアも開けれなさそうだったから手伝ってやるとよ

ビックリしたぜ!叫んで、銃声!物を放り投げる

俺は護衛共に店に押し込まれちまって、心配してたら、その後に来たフリーに笑われちまった

あの子は私達でも捉えきれないし、お父さんとお母さんが逃げない前提の有利条件で本気で仕留め損なったんだからって

驚くっていうか、何者だよ!そりゃあ!


イザナが来た時も褒めちぎりやがるから、ライちゃんの事を聞いてみたんだが

それがわかりゃ苦労しやせんぜってよ

渡しといてくれって預けられた物を見た時は2人で笑ったぜ

どうなってんだこりゃ!ってな

作るのは得意だが、ああいう偶然、自然の産物には参っちまう


次にライちゃんが来た時によくよく見たんだが、俺にはわからねぇ

こんなちっこいのがねぇ〜

茶に興味があったみたいだから

分けてやるとそれを理由にセバスが茶の道具を寄越せって言ってきやがった

和菓子の事もあるが、アレがキッカケでソウジとクロッサちゃん所も上手くいったんだろうな


何かイッカクとリーナちゃんも上手くいったみたいだしな

後、レプンのヤツも気に入ったみたいだしよ

会長の名前を出して‥‥いや、会長からのって言ってたっけな

それをイナゾーに回してやったのに、あの態度だ!また、ムカついてきたぜ!

いや、その後の改めた態度でだいぶ溜飲は下がったし、久しぶりに良い仕事ができたから良しとするか


リーナちゃんやクロッサちゃん、フリーが結婚する時にライちゃんがいない事をだいぶ悔しがっていたが、しょうがねぇよ仕事だ

本人も急だったんで、何もできなくてって謝ってたしよ

イッカクの傷が癒えたら、報告に王都?首都?にでも行ってやるといいさ


今年からは学校に行くって勉強もしてたが、従者で入るのに試験なんてあったっけか?

公爵家が一声かけりゃ従者の10人や20人くらい入れそうなもんだがな

まぁ、今は色々と変わってるんだろう

ライちゃんなら大丈夫だと思うけどよ

なんせ、あの気難しい婦人方にも気に入られてるんだろ


ん?誰か来やがった

そうだった

仕事が終わったら、父親最後の飲み会に誘われてたんだ

てか、なんだもう飲んでやんのかイザナ!

おいおい!セバス!そりゃあオメェの秘蔵の酒じゃねぇか!

しょうがねぇな!俺も出すか!なかなか手に入らねぇんだぜ!コイツはよ!


あん?んだよ?

ライちゃんはスパイ?酔いすぎだぜ!

俺もだいぶ飲んだが、セバスもイザナも飲み過ぎだろ!

えっ?これを知らないのは俺だけ?

周りは全員知っている?本人はバレてないと思ってる?

馬鹿言うなよ!そんなスパイがいるかってんだよ!


バレても‥‥‥マジかよ‥‥‥

ホントに何者だよ、ライちゃんは‥‥

ちゃんでもないって?バラすなって?

バラせるかよ、こんな事

こんなの本人にバレたらどうなるんだよ

スパイに気を遣ってバラせねぇって‥‥

その方が面白いって‥‥お前らなぁ!

そういう事は先に言えって

俺も混ぜろって昔から言ってんだろうが!

駄目だ!酒が足らねぇぞ!


大丈夫だっての!まだまだ飲むぞ!

なんせお前らとは腐れ縁が血縁になっちまったんだからな!

昔みたいにとはいかねぇが、まだまだいけるぜ!俺らはよ!

何が怖いんだってんだ!たらふく飲んだ事がバレてもいいじゃねぇか!

いい夜だぜ!本当にな!


悪かった‥‥

頭に響くから‥‥

すまねぇ‥‥いえ、申し訳ありません

はい、年を考えるから、だから‥‥

セバスはサマンサに?イザナはリーナに?

俺はフリーに?

バレるってのは怖いな‥‥本当に

え?はい、聞いてます

‥‥わかった‥‥いえ、わかりました

は?ライちゃんが飲めるようになるまで禁酒?

それは‥‥はい‥承知しました


言えた義理じゃねぇが

いい大人になれよ、ライ

そしたら、いえ、なんでもないです

‥‥せめて、水をもう一杯いただけませんか?

カッコつかねぇな、ホント

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