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20話 長いものって事はないですよね

クロッサとフリーに連れられて、ハクゾーの店にライは入っていく


「あれ?先に茶葉を買うんですか?」

「やっぱ聞いてなかった」

「隠しといて良かった」

「もしかしてココが?」

「そうなんです!」

「もうすぐ義実家になる!

ハクゾー工房へようこそ!」


ライは改めて周りを見るが、壁には茶葉が入った引き出しが、かなり付いているだけのハクゾーさんのお店だ

カウンターの方に行くと奥の部屋からハクゾーが出てくる


「おう、来たか

今日は工房の客だな」

「工房なんですか」

「そうなんだが

ちょっとだけ待ってやってくれ

もうすぐ終わると思うからよ

それまで、茶でも飲むか?良い菓子を持ってきてくれたんでな」

「手伝います」


ハクゾーとライは一緒になって奥の方へ入っていく

ライはキッチンでお盆にお茶のセットを乗せてから、カウンターに持っていく

ハクゾーが紙袋とポットをカウンターに置いて、紙袋からダイフクを取り出す


「ダイフクですか」

「おう、色が違うとか焼く?とかもあるみたいでな

お茶を飲むようになってからはよく食べるぜ」

「そういえば

さっきカルナ様達にも出しましたよ」

「えっ!えっ!」


クロッサが驚きの声を上げてライの両肩をガシッと掴む


「どう?どうって?」

「えっ‥‥これからも出しても良いよって

お茶は‥‥ちょ‥‥なんですか」

「やったー!イェーイ!ライちゃん大ちゅき!」

「ちょ‥‥やめてく‥‥フリーさん!」


ライは抱きつかれるのを阻止していたが、抵抗虚しくクロッサに抱きつかれて、フリーに助けを求める


「最短ルートだ」

「そうなるか

という事は、お前らも結婚か

一気に片付いて、アイツらとは親戚になるのか」

「お父さんが片付いてない」

「セバスはまぁ、認めるしかねぇだろ

こうなっちまったんだし、ライちゃんが絡んでるんだからよ」

「ちょ‥‥クロッサさん!落ち着いて!訳がわかんないですって!」


クロッサから離れたライが説明を求めるとクロッサは両手でブイサインをライに見せ、興奮気味に語る


「結婚を待ってくれって言われてたのがさ!

まだ、どこにも認められてないからだって

今回ね、公爵家に認められたって事になるから

できるの!結婚!」

「お相手はダイフクを作った人ですか?」

「そうそう!ソウジって名前でぇ‥‥私の旦那様になります!」

「ああ‥‥あのカフェの人」

「エヘヘ

聞きたい?聞きたい?」

「そ‥‥そういえば、最近はセバス様とサマンサ様もお茶を飲んで和菓子を食べてますよね」

「えっ?そうなの!

なにそれ!言ってくれればいいのに!

そしたら、買ってくるのに!なによ!

まだまだとか!こんなんでは認めてやれないとか!ライちゃんがお茶を買ってから道具とか揃えてると思ったら!飲んでんじゃん!食べてんじゃん!」


クロッサの話で火傷しそうなのをライは回避する為に話題を変えるが、なんかクロッサが違う方向に燃え上がってしまった


「まぁなんだ

和菓子はライちゃん経由でかもしれんが

認められたって事だ」

「おめでとう、クー」

「そういや、ライちゃんは会った事なかったか

会ってくか?今、工房で息子と話してるぜ」

「また?話すと長いからなぁ!もう!」


クロッサが拗ねながら、ライの手を掴んでカウンターの奥へと引っ張っていく

その後をフリーとハクゾーはカウンターの上を少し片付けてからついて行った


ライはクロッサに連れられて、カウンターの奥にある扉から一旦外に出て、狭い道を挟んで向かいにある家に入る

家というか、中に入ると鍛冶場となっており、奥には石で囲まれた炉がある

その手前で座ってナイフを研いでいる男性

黒髪の短髪で無精髭、良い体格をしているので、研いでる包丁と石が小さく見える

向かい合うように座る男性

黒髪で、髪は頭の後ろでくくっている

初めて見るゆったりとした服を着ていて体格がわかりづらいが、細身で痩せているという事もなく、しっかりした体格をしている


2人とも研いでる包丁を真剣に見つめている

クロッサはライの手を離して2人の男の方に歩いていく


「ソウジさぁ、話せそう?」


ライは後ろから来たフリーにぶつかる所まで、両腕を顔の前で十字にしておもっきり飛び退いていた

細身の男性ソウジが座りながらコッチを向いた瞬間に何かされる、主に頭から胸あたりに何か来る

油断していたのもあって、後ろの状況も考えずにおもっきり飛び退いてしまった為、フリーにぶつかるというか、フリーに抱きしめられた


「ほう、良い反のッ‥‥痛いぞ、クロッサ」

「何してんだ!そんな事しなくてもいいって!

ライちゃんは敏感なんだからね!」

「そんなに怒らないように

僕が笑ったクロッサが好きなのは知っているだろうに」

「待って!そういう事、言って、そんなのに、ヤダ、うん」

「ほら、良いだろうクロッサ

よく顔を見せて、な?」

「コッチをほったらかすな」


クロッサとソウジが抱き合って、2人の世界に入ろうとするのを

フリーがライの頭頂部にアゴを乗せながら2人を止める

クロッサとソウジは、照れながら離れると、ソウジはライに頭を下げる


「すまない、ライさんの話は聞いていたのだが

この状態から、どのような反応をするのかを見たくなってしまった」

「いえ、ビックリしただけです

あ、フリーさんすいません‥‥あの‥‥ちょ」

「聞いていた通り、クロッサやフリーさんのように素晴らしい才の持ち主だ」

「フリーさん!くる‥しって、ちょ‥‥」

「暖かぁい、動くな、逃げんな」


ライがもがけばもがくほど、フリーがガッチリと後ろから抱きついて離してくれない

包丁を研いでいた男は作業を止めて、包丁を水が入っている桶に入れてから、立ち上がるとライとフリーの前に歩いてくる


「何?イナゾー?今、忙しいのって!汚れてるって、その手!近づけてくんなぁ!」

「‥‥ありがとうございます」

「フリー、あんまりいじめてやるな」


イナゾーが手を近づけるとフリーがライを離して遠ざかる

ライはクロッサやフリーより頭1つ、ライより2つ分大きいイナゾーを見上げながらお礼を言う

体も大きい為、なんかクマって感じがするが、危険な感じはしないとライは思う


「もうそんな時間か?すまなかったな、ソウジと話しながらやってるとついつい長くなってしまう」

「僕もすまなかった

試したのも悪かったし、時間の方は

イナゾーと話してると楽しくてさ」

「来たら、試したいと何度も言っていただろう」

「待て待て!それは互いに言わんと言ったろう

約束を守らんとは、見損なったぞ」

「そうか、なら、この包丁はここで仕上げだな」

「いや、それこそ違う話であろう」

「もう少しで、出来上がるんだ黙ってろ」

「そこまでにしろ!約束って話を出すなら

ライちゃんの約束が守られてねぇだろうが!」


ハクゾーが言うと、言い合っていたソウジとイナゾーはバツが悪そうに黙る

少しため息をついたイナゾーは再び座って、包丁を取るとハクゾーがライの頭をポンポンと叩いて少し笑う

怖いとライは初めてハクゾーに思ってしまった


「お前がそうならいい

いつまでもそうやってろ

せっかく、イザナはともかくとして

レプンがルドラ会長の名まで出してきた仕事を回してやったって言うのにな」

「会長が?」

「何を驚いてやがる

人を選んで仕事をすんなって教えたって言うのに、ちょっと認められればコレだ

ライちゃん、ちょっと奥に行こうぜ」

「親父、聞いてないぞ」

「言ってなかったからな

客を試すような事、約束を守らねぇ、怒られりゃ不貞腐れて、客の前で別の仕事をしやがる」

「それは‥‥」

「ライちゃんよ、すまねぇな

見苦しいったら、ありゃしねぇ

楽しみにしてくれてたってのによぉ

お詫びに俺が注文の3本を作らせてもらっていいか?」

「ハクゾーさんが?」


ハクゾーの作ると言う言葉に、戸惑っていたイナゾーを含めて全員が、奥の炉に向かって歩いているハクゾーとライを驚いて見る

ライも驚いているが、他の4人とは違う驚きだった


「茶葉だけじゃなかったんですね」

「おお、そうよ

世を忍ぶ仮の姿ってヤツ?いや、そうか?

まぁ、いいか

で、なんか希望はあるか?」

「3本もどうしたらいいかわからないです」

「とりあえず2本は普段使いにして

残りの1本はスゲェのにしてみたらどうだ?」


スゲェの響きで、ライはピクッとするが、しばらくう〜んと考える


「まぁ、そうだな

いきなりで思いつかねぇわな

いつもはどんなモン使ってんだ」

「拾ったのを使ってますから

大きくなければ、どんなモノでも使います」

「じゃあ、イメージでどうだ?

どんな感じでとかあるか?」

「じゃあ、持ちやすくて、軽くて、隠れられて、騙しやすくて、先が尖ってて、持ち主がすぐわかって、音が鳴らなくて、キレ味が落ちなくて、折れなくて、カッコよくて、スッゲェのがいいです!」

「‥‥‥」

「お任せにします」

「おう‥‥すまねぇな」


ハクゾーは頭をガシガシとかきながら申し訳なさそうにライに頭を下げてから、炉の近くの椅子にドカッと座る


「職人泣かせな依頼が来たんだ

たまには本気でやってみるか

おい!表の店はしばらく任せた!

しばらく工房は出入り禁止だ!わかったな!」


そう言うと全員が頷きながら、工房を出ていく

ライが1番最後に出ていく時にハクゾーが呟くのが聞こえた


「持ちやすくて‥‥あん?なんだっけかな

まぁ、どうにかこうにかやって‥‥」


ライは聞かなかった事にした



3本も貰えるとなると

1本は部屋に飾って置くのも良いかもです

でも、それがカッコよかったらどうしたら良いんでしょうか

あ‥‥ライと申します


クロッサさんの旦那様はソウジ様

フリーさんの旦那様はイナゾー様


どちらも職人気質な方達ですし、クロッサさんとフリーさんを大事にしている感じがします

それに買った物であるダイフクをカルナ様、エリザ様、マリア様に出して良いってすごく信頼していると思います

おそらくはセバス様もサマンサ様も認めているんでしょうね


ですが、ハクゾーさんが怒ってしまったので、微妙な空気になっておりました

まぁ、ナイフが貰えるからようになったから良いんです

しかも3本も!

レプン様やイザナ様には後でお礼を言わないといけません

なんか嬉しい事があると落ち着きません


そう言えば、なんで3本なんですかね?

レプン様かイザナ様のどちらかが2本頼んでくれたんでしょうか?

‥‥‥なんでも、良い事があったら、その分悪い事があると聞いた事があります


考えすぎはよくないですよね

たぶん、考えすぎなんですよね


そういえば、ソウジ様が着ている服は和服というそうです

薄着のように見えますが、寒さとかは気合いと根性でなんとかなるそうです

何かを貫き通すには耐え抜く精神力も‥‥?

‥‥寒い時は上からコートを羽織るそうです


コートとマフラーが暖かいので包まれて帰ります

気付きましたが、前のマフラーより2回ほど多く巻くんです

マフラーですし、多く巻かれるのは暖かくていいですね

サラサラだし、気持ちいいです


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