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17話 ゴマかされてるって事はないですよね

ライは頭を下げてままで考えていた

なんでこの場に呼ばれた

セバス様はなんで殴られている

イザナ様は

サマンサ様は


「頭を上げてくれや、ライ

俺は突き詰めれば商人だ

金もはらってねぇ、雇ってもない奴に助けられれば、ソイツは恩人って事になる

恩人に頭を下げてもらうのは忍びないからな」

「しかしながら」

「じゃあ、俺が言うぜ

頭を上げろ、ライ」


ダルに言われれば命令になる

考えがまとまらないライはとりあえず頭を上げて、改めて4人を見る

本当に孫がいるのか疑わしいくらいに若く見える

気力に満ち溢れているというか、まだ現役で当主や社長でも良いのではないかと思う

そんな4人がライを見ている

ルドラは倒れているセバスに背を向け、杖を床に放り投げてダルの横にある椅子にドカッと腰掛ける

座ったルドラの後ろにはレプンがいつの間にか立っており、ワゴンの上にある紅茶を準備していた


「さて、恩人のライ

あまり畏まらんで欲しいと言っても無理があるわな

怖い雇い主達がいるし、そこに転がってる奴も立場が上な訳だしな」

「お前がやったんだろうが!

しかし、カマクからも聞いた

よくやってくれたと思っているのは事実だ」

「ありがとうございます」

「ちっこいのに、腕も立つって話を聞いている

猛剣のカマクが言うんだったら疑いようもねぇ」

「ああ、レプンはどうだ?やれそうか?」

「言葉を選ばずに言えば、かなり楽しめそうかと思われます」


レプンがそう言うとウルが笑顔でライを手招きする

ライはどうしたらいいのか悩むが、ダルが頭を掻いてからアゴで行けっと命じて来たので、ライはゆっくりと歩いてウルの前に立つ


「いいわ、いいわね!

レプンがあんな事を言ったのはいつ以来かしら

こんな小さいのにスゴイわね

孫達が気に入っているから、私は賛成よ」

「立場も、わきまえているように見えますし、何より考えて喋っているのがいいわね

私もウルと同じでいいわ」

「本当に強いのかしら

こんなに可愛らしいのに」

「カルナが大人しくしているのもアナタのおかげかしらね

なんかイジリがいが、ありそうだもの」


ウルとユキに頭を撫でられたり、ほっぺをつままれたりしてライは混乱して頭がどうにかなりそうだった

ダルやルドラはしょうがないかといった感じで溜め息を吐く

レプンが微笑みながらルドラの前に紅茶の入ったカップを置く

ルドラは紅茶を飲んでカップを置くと剣呑な目付きになり、セバス、サマンサ、イザナを見る


「失敗をした

それはいいが、こんな短期間で何回目だ

俺は金でどうにかなるなら、経験だと思って見ない事もあるが、コレはなんだ」

「それについては申開きもございません」

「ハッハッハッ!ルドラ!ハッキリ言ってやったらどうだ?

セバス!サマンサ!

お前らとは昔のよしみでと目を瞑る事もできるが、それでは周りに示しがつかんだろう」

「ごもっともでございます」

「ダルが言った通りだ、イザナ

オメェには悪いが、一族で責任を取ってもらう」

「‥‥承知してやす」


ライは何が起きているのか、全くわからなかった

わからないが、何かが決まろうとしている

理由も全くわからないまま、怒られているのを見ていた

えっ!えっ!って混乱の極みで、もがいているとウルに小声で静かにしておくのよって言われる

ルドラはチラッとライの様子を伺ってから、一息ついてレプンに話しかける


「怒りすぎて、事の起こりがわからなくなっちまった

整理してくれ」

「かしこまりました、では簡潔に‥‥」


ライはエリザ、マリアのハクゾーさんの所での事と倉庫での事を聞かされた

そして


「警備に穴があり、内通者が操る馬車、スノウお嬢様、ミカエル夫人を乗せた馬車を乗っ取られてしまいました

別の馬車に乗っておられたカマク様が馬車より馬を切り離して単身で追われましたので、我々も急ぎ追いかけましたが、ライによって全てが終わっておりました」

「警備の穴って言うのを説明してやれ」

「イッカクとリーナによる失態です」

「詳しく言ってやれ」

「前日からイッカクとリーナは情事に夢中になっており、警備についていなかった事が判明しました」


空気が重くなったような気がして、沈黙が場を支配した

ライはまたイッカク様ですかぁと思いながら、沈黙の中、混乱しながら天井を見たり、足元を見たりしていた


「どうしたの?」

「お手洗いかしらね?」


ライはちがっ!違いますっていう感じで顔を振る

沈黙を妙な形で破られたので、ダルとルドラもライを見て質問する


「なんだ、聞きたいことがあったら聞いとけ

どんな事でもいいぜ、許してやる」

「そうだな、レプンも答えてやれ」

「承知しました」

「あの」



再びストップです

待ってくださ‥‥なんですか再生って

させませんよ

ちょっと心の準備とか言い訳とか

いや、本当!知らなかったんですって!

再生は待っ



「ジョージって誰でしょうか?」


再び沈黙が支配した

そんな中、口をワナワナとさせながらウルとユキが声を出す


「どうしてそう思うのかしらん?」

「全部聞かせて欲しいわ、ライちゃん」

「イッカク様もリーナ様も余程の事がない限り、不覚は取られないかと思いますので、そんな方達が夢中になるジョージ、もしかして2人のお子様で育児‥‥」


ウルに手で口を塞がれる

途端にウルとユキが笑い出し、レプンとサマンサは肩を揺らして横を向いている

ダルとルドラはライを見ながら


「そうなるのか」

「近からず遠からずだな」

「このぐらいの子は発想がすげぇな」

「商売に必要な要素だな」


ライは周りの反応を見て、絶対違う、もっと慎重に聞くべきだったと顔を真っ赤にする


「ライちゃんはジョージが手間のかかる男の子だと思う?」

「手間がかかって可愛いのは男の子よね

女の子は可愛すぎて構っちゃうから、さらに手間がかかるけど」

「‥‥‥」

「むくれないの」

「拗ねないの、夢中にさせたいの?」


ウルとユキがライをツンツンしながらおちょくっている

ライは顔を真っ赤にしながら、何も喋らなくなる


「なんかそんな空気じゃなくなっちまったな」

「雰囲気で処罰与えてたりしたら組織が成り立たなくなるだろうが、今は賛成だな」

「おい、ライ

ちょっとコッチに来い」

「そうだな、屁理屈もできたし、結論にいっちまうか」


ライは呼ばれたので、ユキとウルに礼をしてダルとルドラの前に立つ

真剣な目付きになったダルとルドラにライは少し息を整えて見つめ返すが、次の言葉で息が止まる


「俺はお前の事を知る事ができたんでな

お前が言うなら俺らはそうしようと思う」

「単純な話だ

お前をダシにして、俺らの昔馴染みを庇いたいって話だ」

「すまないが、こんな時間に呼んだのも

俺らが馴れ馴れしく接してるのも打算あっての事だ」

「また他で報酬は用意する

なので、今は俺らに助命を嘆願してく」

「させて頂きます」

「お前が‥‥あん?」

「いや、理由は‥‥まぁいいのか

即決とは気持ちが良い奴だな」

「おう、そ‥そうか

だが、確認はさせてくれ」

「前回はセバスとイザナに、今回の事はサマンサに言われて行った事で良いか?」

「はい」

「そうか、理解が早くて助かる」


ユキとウルはクスクスと笑いながらダル達のやり取りを見ていた

こんな演技までして、私達まで呼んで、少し手の内をバラしてやり込めようとしたのに

かき混ぜられた上に速攻のカウンターを決められて戸惑ってる


「本当に天然って怖いわね」

「あら、あれは勘違いじゃないかしら」

「どっちも計算外って事よ」

「従順な猟犬なのにスパイって面白いわね」

「楽しいの勘違いじゃないかしら」

「どちらにせよ、勘違いは解いておかないと

この状況で逃げ出されたら孫達になんて言われるか」

「そうね、ライちゃん!コッチにいらっしゃい!飴ちゃんをあげるわよ」


扇を広げて口元を隠して小声で、聞こえてはいけない所は口パクで喋っていたユキとウルがライを呼ぶ

ライは頭がパンクした状態で、ダル、ルドラに答えていたが、呼ばれて行く前に少し涙目でダルとルドラに聞く


「本当に助かるんですか?」


ライの言葉にダルとルドラはお互いを見て、快活に笑いだした



飴ちゃんをもらいました!ライちゃんです!

‥‥違いますね

最近、何か根本的に間違ってきているような

そんな気がするのです

ですが、それが心地良いような


あまりにも色んな事がありすぎて

考えれば考えるほど‥‥んっ

飴ちゃんをもう一個口に入れられました

美味しいですね


考えるのを放棄した訳ではありません

公爵様にスパイである事を知っているなんて言われた時には生きたいしか考えれなくなりました

すぐに助命をしてくれると言われましたので

そりゃもう、すぐに慈悲に縋りました

スパイに選択肢なんてありません

全てに頷きました

助かりますかって聞いたら

笑っておられました

あのような‥‥んっ

飴ちゃんを口に入れられました

色々な味が混ざって美味しいです


公爵夫人様、会長夫人様から

過去の事を聞かれました

とっさに組織から作られた過去の経歴を言ってしまいます

時折、ハンカチで目元、口元を押さえながら震えて聞いてくださいました

辛かったのッねん、そう言ッそうなのね、それは無理がッ大変だったのねとかを言ってくださっています

信じてもらえた?

と言う事はバレてないんですか?

じゃあ、バレたってのは勘違いで本当に?

でも、やっぱり‥‥あっ!ちょっと!待って!


考えようとすると飴ちゃんを口に入れられます

もう入りません!リスちゃんみたいって、遊ばれてます

噛もうとすると歯を立てちゃ駄目って言われたので口の中で何個もコロコロとします

えっ!もう一個?両方から?

でも、断ったら嘘がバレるのかな?どうやって?何がバレましたっけ?

嘘!待って!もう入りません!そんなにいっぱいは無理です!頑張ればってなんですか!押し込まないでください!指が口に!ヨダレが!溢れて!いや!汚れちゃいます!


何か違う気がします

本当に間違っている気がします

この後は予定通りに夜の警備に行きました

何か忘れて‥‥飴ちゃん美味しいです


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