家族
『君は今日からシェリーだよ!シ・ェ・リー』
アリシアさんが俺を指差して何かを伝えてくる。
何だろう?
『シェリー・アリシア・シェリー』
耳をピコピコと動かして何を伝えたいのか聞き取っていると、今度は俺と自分を交互に差しながら伝えてくる。
「しぇり…?」
『そう!シェリー!君は今から私の娘!シェリー・エスポワールよ!よろしくね!』
アリシアさんは俺が言葉を繰り返すと嬉しそうに抱きしめた。どうやらこの世界の俺の新しい名前みたいだ。
俺が名前だと理解すると不思議な事が起きた。俺の身体とアリシアさんの身体が淡く光だすと2人の左手の甲に同じ紋章が浮かび始めた。
そして紋章が浮かび上がると身体の光は徐々に治っていった。
『今のは…一体?』
『分からん…2人とも身体は大丈夫か?』
爺さんはいきなり光だしだ俺等に一瞬驚いたみたいだけど直ぐに駆け寄り異変が無いと分かるとホッとしていた。
うん、身体に痛みはないし気分も悪く無い、手に紋章が付いた以外何にも無さそうだ。
『大丈夫みたい…シェリーも平気みたいね、何だったのでしょう?』
『ううむ…お前さんがシェリーに名前を付けたら起こったようにワシには見えたが…その紋章に見覚えは無いか?』
『うーん…紋章と言えば聖典なんだろうけど…こんな紋章は初めて見たわね』
アリシアさんが手に出来た紋章を見ながら何か考え始めたので、俺も見てみる。
紋章は手の甲の中心部に勾玉が2つ組み合ったようなマークがあり、それを囲むように五芒星が描かれていた。
五芒星と言えば陰陽師や魔除けのイメージがあるけど何か関係があるのか…?
それにアリシアさんにも同じ紋章があるのも気になる…名前を付けたら出来た…ん?アニメでは動物が使い魔として契約すると紋章が刻まれてうんぬんとか見た気もするけど…
俺 ケモノっ娘
アリシアさん 名前くれた
紋 章 爆 誕
いやぁ〜まっさかぁ〜??
ペット枠の次は使い魔ってか…?
つか、いつの間にか俺がドナドナされる感じだったのにそうじゃなくなってるし!
まぁ…アリシアさんとお別れしなくて良かったとしよう!うん!
『次から次へと謎が深まるわい…』
『まぁまぁ!分かんない物は考えても仕方ないし!きっと女神エステリア様が私達を祝福して下さったんですよ!』
『お前さんは相変わらずじゃのぅ、とりあえずこの事は進展があるまではワシらの中だけにしておくのじゃ…皆には要らぬ心配はかけない方が良かろう』
『そうね!そうしましょう!にへへ〜シェリーちゃんとお揃いの紋章♪』
アリシアさんが俺の手をとって自分の手の紋章と並べて喜んでる。何だか幸せそうだし俺は暫くの間されるがままアリシアさんの好きにさせてた。
『さてと…そろそろ皆も集まってる頃じゃろう…皆にシェリーを紹介するとしようかの』
『はい!シェリー行こう!』




