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second Re:Life  作者: 天月シズク
3章 「帝都騒乱」
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熊の傷

〈sideアルヴィン〉


アメリア周辺の草原で仕留めた獲物に腰かけながら俺は、1枚の写真を眺めている。


そこには、此方を向きながら微笑む赤茶色の髪に、青い瞳をした狼人族の女性と、女性に良く似た少女が笑ってる姿が写っていた。


「…俺は、何をやってるんだろうな…」


メアリー…カミナ…俺はどうしたらいい?


「…なんて顔してるんですかい…」


そう声が聞こえたので、写真から目線を上げるとジローがこちらに歩いていた。


「ジローか、ちょっとな…」


少し離れた所には少年も居た、見ない顔だ、新米の付き添いだろう。


「それを見てるってこたぁ…お嬢ちゃん絡みかねぇ…重ねて見えるんでしょう?」


写真に気付いたジローは、居た堪れない顔になってタバコを取り出すと火を付ける。


鋭い奴め…


ジローは、煙を吐き出して王都の方を見つめる。



「ふぅー……別に悪いとは思いませんがねぇ…旦那がお嬢ちゃんと会ってからは、楽しそうにやってて安心したんすよ?昔の旦那は、居た堪れ無さすぎて見てられなかったってもんよ…」


どうやら話すまで、逃してくれ無さそうだな…。


「チッ…その通りだよ…日に日に成長する嬢ちゃんを観ているとな、それが成長したメアリーの姿によ…見える時があるんだ…」


俺はそう言ってジローに、力無く笑う。


「旦那は、お嬢ちゃんをメアリーとして扱いたいんです?」


「違う!!」


堪らず立ち上がって叫んだ。


「でしょう?見ていて分かりますよ、旦那はお嬢ちゃんをお嬢ちゃん(シオン)として、ただ娘みたいに大切に接してあげてる、それだけですよ…」


「だが俺は!…俺は…メアリーも…カミナも…救えなかった!!そんな俺に…資格が…」


震える両手を見つめると、今でも2人の血で染まってる様に見える。


「誰が決めるんですかい?その資格は?…いいですかい旦那?…あの時とは違うんです、お嬢ちゃんも親を亡くしてるんです…お嬢ちゃんも旦那も…表には出さないですけど…お互いに傷ついた心を癒すのの何が駄目なんです?」


ジローが涙ながらにそう訴えてくる、俺の目にも涙が流れる。


「……許してくれるだろうか」


そんな言葉がポツリと漏れる。


「俺はぁ辛そうに生きる旦那より、楽しく笑ってる旦那が良いっすけどねぇ…それは2人も同じだと思いますよ?」


ジローの言葉が胸に沁みる。


本当にコイツには叶わない。


「ジロー…すまないな、そして…ありがとう」


「よして下さいよ旦那…俺だって、あの時の事は…悔やんでも悔やみきれないんすから…!」


「ジローお前は悪く無い…全ては俺が…俺の不始末が招いた事だ…」


あの悲劇が始まったのは、俺がカミナと出会った時から始まって居たのだ…。


あの時にもっと気を付けていたら…あんな悲劇は起こらなかった。


俺はあの時の事を思い出す。

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