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second Re:Life  作者: 天月シズク
3章 「帝都騒乱」
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回想 上陸

「やっと着いたぁー!」


船を降りたリア姉がそう叫んで伸びをする。


「思ったより早く着けたな、それもこれもシオンのお陰だな!」


そう言ってルー兄は、グローブをはめてる右手を見せてくる。


「そうね、あれだけ撃ったのにまだまだ行けるわ!」


リア姉もグローブをはめた左手を見せてくる。


「リア姉はやり過ぎ…後半なんて魔物がビビって全然出会わなくなるんだもん」


そうぶーたれながら私も船から降りる。


「まぁ、そういじけるなって…シオンは確実に強くなってるって、焦っても仕方ない…だろ?」


ルー兄はそう言って宥めてくる。


「そうよ?無理は駄目だからね?そ れ よ り も、まずはギルドに行きましょう?」


リア姉もそう言って私を嗜める。


2人はいいよね、ある程度戦闘の経験がある状態で印の力を得たからスムーズに使いこなせてるから。


ゲームで例えると、レベルが50だとして、印の力でステータスが50%上がったような感じ。


それに比べてわたしは、レベル10でステータスが50%上がっても微々たるものだ。


100が150になるのと、10が15になるのじゃ全然違う。


2人が強くなったのは素直に嬉しい、だけど私が足手纏いな状態が嫌なのだ…2人の足枷になりたくない。


「そうだな、アルヴィンの情報も欲しいし、冒険者登録もしないといけないしな」


「む〜……登録したら魔物倒しに行く!」


「はいはい、1人で先走っちゃ駄目だからね?約束できる?」


「約束する!」


そんなやり取りをしている私達を見る周りの人達の目が優しい。


「にいちゃん達ギルドに行くなら階段を上がって右に行きな!」


定期船の荷下ろしをしていたおじさんがルー兄に道を教えてくれる、会話を聞いていたのだろう。


「おっ、サンキュ!助かるわ!」


「良いってことよ!嬢ちゃんも気をつけてな!これ食べて頑張りな!」


おじさんは袋からビスケットを取り出すと私にくれた。


「ありがとう…ございます」


ペコリと頭を下げてお礼をしてからビスケットを貰う。


「おう!どういたしまして、それじゃ引き留めて悪かったな!」


そう言って手を振りながら見送ってくれるおじさん。


良い人だ、私も手を振っておこう。フリフリ


おじさんに言われた通りの道を進むと、大きな建物が見えてきた。


ここがギルドなのだろう。


中に入ると沢山の人が居た。


依頼を受ける人や出す人、テーブルに座り情報を交換する人など様々だ。


その中で大きな態度で椅子に座るスキンヘッドの男と目が合った。


見るからにガラが悪そうだったので慌てて私は目を逸らす。


「おいおい…ギルドにガキが来やがった、ここは孤児院じゃねーぞ?」


ルー兄とリア姉が男の方を見たが、無視して通り過ぎるので私もそれに続く。


「お前だよ、獣人のお前…ガキは家に帰ってママの乳でも飲んでな!!」


流石にちょっとイラっとしたけど抑える、いきなり問題を起こすのも良くない。


帰る家も母親もいねーよハゲ。


「お?なんだその目は…俺とやり合おうってか?」


やっべ睨んでるのバレた。


「大都市にあるギルドだから立派な冒険者が居ると思ったら、なんだ…子供にしか威張れないチンピラの集まりだったとはな」


ルー兄がそう吐き捨てる。


あちゃー…ルー兄ぷっちんしちゃったかぁ…。


「んだとてめぇ!もう一回言ってみろ!」


ハゲのチンピラがテーブルを蹴り飛ばしてルー兄に近づく。


リア姉に止めて貰おうとそっちを向くと…リア姉もぷっちんしてた…。


ハゲピラさんご愁傷様です……ナムナム。


「ここはチンピラの来る所じゃねぇって言ってるんだよ!」


「上等だぁ!表に出な!ぶっ飛ばしてやる!!」


周りの人は、面倒はごめんだと言わんばかりに避けていく。


隅っこの方に居るおじさんは、面白そうにこっちを見てるけど…止めては来れなさそう。


ルー兄見たり、ハゲピラ見たりと、ぐりんぐりん首をうごして周りを見ていたら、リア姉に後ろから引き寄せらた。


真上を向いてリア姉を見ると、笑顔なのに目が笑ってない。


この中で1番怖いの間違い無くリア姉だ…。


私は毛を逆立てて怯える。プルプル


ルー兄とハゲピラが外に出ようとした時だった。


「何やっとるんだ!この馬鹿タレがぁぁ!」


空気を震わす怒号がギルドに響き渡る。


あまりの声の大きさに私は耳が飛んで行ったかと思った。


尻尾もピーーンと伸びてる。


「だ、旦那…こりゃ違うんすよ、こいつがナマ言って…ぶべらぁ!?」


私は耳が飛んで行って無いか、両手を頭の上に当てて耳を探していたら、2メートルはありそうな熊みたいな大男がハゲピラを殴り飛ばした。


ハゲピラは壁に穴を空けて突き刺さりピクピクしている。


流石にこれには、ルー兄もリア姉もポカーンとしてる。

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