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second Re:Life  作者: 天月シズク
2章「動き出す歯車」
26/41

目的

「…って事は、今回の襲撃も帝国絡みって訳か」


私が落ち着いた頃を見てジークが話しかけてくる。


リラから離れて、再び2人に向き合うと私は頷く。


「はい…村を襲って皆の命を奪った男は、帝国製の剣を使ってました……そしてその男は……私と同じ妖狐族です」


「「なっ……!!!」」


私が告げた真実に2人は驚いていた。


「……仲間を…同族を売ったって言うのか!」


ジークの語尾に力が籠ってる、本当にこの人達は優しい…。


「詳しい事は、まだなんとも…ただ今またあの男に私が生きてるのが分かると、今度こそ確実に殺されるので…私は皆の埋葬が終わり次第、姿を隠そうと思います、獣人の私なんかに色々と良くして下さりありがとうございました」


私は深々と頭を下げる。


「シオン?……めっ!」


「あいたっ⁈」


リラが拳を作って私の頭をポコンと軽く叩いたのだ、私は両手で頭を抑えてリラを見上げる。


「何で1人で行こうとしてるのよ?行くアテはあるの?」


「うぐぅ…そ、それは…」


「そうだぜ?それに戦える人数は多い方が良いだろ?」


私がしどろもどろに答えてると、ジークが問いかけてくる。……どうしてこの2人はこうも優しくするんだろう…私に関わると命の危険があると言うのに。



「それに!他人行儀な言い方はやめなさい?もう私達は仲間なんだから!ねっ?」


リラが私の肩に手を置いて微笑む。


「何でですか…?どうして獣人の私にそこまでしてくれるんですか……私に関わると死ぬかもしれないんですよ!!」


俯いて声を震わせながらそう叫んだ私の頭に、ポンと手を乗せたジークが話してくる。


「獣人だとか人間だとか関係ねーよ、子供を守るのが大人ってもんだろ?気なんて使わずに俺達を頼ればいい」


「嫌…なんです、もう…誰も私に関わって死んで欲しくないんです…」


私はイヤイヤと頭を振りジークの手を跳ね除けた。


2人の姿が村の人に重なって見える、アリシアやミラとロバート、アランに村長の顔が次々と出てくる。


みんな良い人だった…私が関わったばかりに死んでしまった…。


次はジークとリラの死んだ姿が頭の中に浮かんでくる。……また巻き込んで誰かを死なせるのが…怖い。


両腕を抱えて震える私を、リラが優しく包み込む。


「約束するわ、私達は死なない!だから安心して?1人で背負わないで?」


「あぁ!俺達は死なない!これでも俺達は騎士団やってたんだ、そう簡単にやられてたまるかっての!」


あぁ…この2人はどこまでお人好しなんだろう…そんな事を言われると……縋ってしまいたくなる。


「だとすると帝国の方に行くのは見つかる可能性があるし…ベーネチアから船で大陸を渡るのはどうかしら?」


「あ、わりぃ…俺、指名手配されてんだ…でも大陸を離れるのは良いかもな」


「ちょっと!それ聞いてないし!さっき居なかった間にもうまた問題起こしたの?!」


ジークが申し訳無さそうに懐から取り出した手配書を見たリラが、ジークを問い詰めている。


まだ私が答えてないのに…もう行き先を決め始めていた……本当に敵わないなぁ…頼ってもいいのかな?



「あ、あの…2人とも…ありがとうございます…えっと…よろしくお願いします…これからも…」


恐る恐る言い争う2人の手を取って私ははにかんだ。


「えぇ!」「おう!」


そう言って2人は私に笑ってくれたのだった。


その時、控えめにドアが開くと、先程の騎士が申し訳なさそうに顔を覗かせてきた。


「あの〜…お取り込み中で申し訳ないのですけど、あとは此方のご遺体の埋葬だけなので、進めても良いでしょうか…?」


私達が話し込んでいるうちに、村の人達の埋葬を進めてくれていたんだ…この人達にも感謝しないと。


「村のみんなを弔ってくれてありがとうございます、母もよろしくお願いしますね」


私は顔を覗かせた騎士の前に行くと、深くお辞儀してニコっと笑いかけた。


「いえっ!騎士として当然の事をしたまででしゅっ!は、運ぶので人を呼んできまーす!」


私の顔を見て、顔を真っ赤にした騎士が慌てて走って行った。


…どうしたんだろう?


「どうしたんだ?変なやつだな」


首を傾げるジークにリラがヒソヒソと耳打ちをする。


「あの人さっきクオンの着替え覗いちゃったのよ…だからきっとその…思い出しちゃったのよ」


「あぁ…なるほど…子供相手に何やってんだか…」


やれやれとジークが呆れてる…何を話したんだろう?


「そういえば、シオンは幾つなのかな?」


リラが尋ねてくる。


「12歳ですね」


私が答えると2人が再度ヒソヒソしだした。


「犯罪じゃねーか…」


「ま、まぁ事故みたいな事だったから…悪気は無いと思うから…」


「歪んでなきゃいいけどな…うん…色々と…」


「そうね…」


2人は騎士が消えて行った扉をなんとも言えないような顔で見つめていた。


一体どうしたんだろう…私はそんな2人を不思議そうに見つめていたのだった。

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