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second Re:Life  作者: 天月シズク
2章「動き出す歯車」
18/41

衝突

「ライトニングブレイク!」


私は森への門に向かいながら、真上に魔法を唱えた。


魔法の弾は真上に跳ね上がり、破裂音とともに空中で爆発した。


これは村に何かあった時に、みんながすぐ分かるようにと事前に決めていた事だった。


音や光を見た村の人は、すぐさま広場へ向かい出した。


シェリーが1人の時に紋章を使うのはこれが初めてだ、あの子の気配察知は敏感で、余程の事が無い限り見つかるような事は無いはずなのに。


嫌な予感がする……シェリー!無事で居て!

















私が門に辿り着き、扉を開くとそこにはローブを纏った男が立っていた。


「こんにちは、トトラ村の人、お届け物ですよ」


男はそう言い指を鳴らすと、ドシャッっと言う音と共に何かが降ってきた。

















それは、血に塗れた銀髪の妖狐族の女の子だった。



















「シェリーーーーーーー!!」


私は叫ぶ。


すぐさま駆け寄ろうすると、男が話しかけてきた。


「おっと、まだ渡せないなぁ…?焦らなくても良いよ?…まだ…生きてるから」


私はジッとシェリーを見ると、微かに胸が上下していた…良かった生きてる!!!




「…何のつもりですか?」


私は男を睨み付けながら唸るような声で呟く。


「お届け物って言ったんだけどなぁ…?条件付のだけど」


男と対治していると、村の人達も次々と集まって来た。


「これはこれは…皆さんお揃いで?」


みんなは、門の前に倒れているシェリーを見て、絶句したり、殺気を放つ人など様々な様子だ。


「では条件を伝えよう…貴様らの命でこのガキ、クオンを解放しよう」


「巫山戯ないで!その子はクオンじゃない!私の娘だっ!!」


私は叫ぶ。


門の奥にアランが見える…機会を伺ってる見たいだ。


気を引きつけないと…。


「はぁぁぁぁ……まぁ良いけどさ…別に…このガキがどれだけ生きてるかは知らないけどね?」


男は大きな溜め息を吐いて呟く、そして更に続ける。


「このガキは大和の現当主、帝の娘のクオン・キサラギであるぞ?…まぁ…もう大和は無いけどなぁ、それで?死ぬの?死なないのどっち?」


「死ぬのは貴様だ…!」


アランが飛びだし剣を振るう、しかし男は腰の剣を素早く引き抜き剣先を滑らせてアランを切り裂く。


「ガハァ…」


地面に倒れ伏すアラン。


その男の剣には、帝国軍の紋章が彫られていた。


「帝国の人間が……なぜ…?」


アランがくぐもった声で呟く


「はぁぁぁぁぁ…バレちゃったんならしょうがないや…もういいや…殺っちまうか…」


男がもう一度ため息をついて話すと、膨大な殺気を解放する。


「来るぞ全員構え……ゴフゥ」


村長が言いきるまえに、村長の身体から鮮血が舞った。


男が物凄い速さで切り裂いたのだった。


そのまま次々と人々を切り裂いて行く。


それはただの惨殺だった。


「エクストロームアロー!」


私も魔法を唱える。


無数の光の矢が男に目掛けて飛び交うが剣を振り払うと全て霧散した。


「お前は最後だよ」


男はそう呟くと、ロバート達に走り出す。


「アリシア!シェリーちゃん抱えて逃げ………」


ロバートの首が飛んだ。


「いやぁぁぁロバート!!このっ!……シア行って!!」


ミラは泣き叫びながら剣を抜き放ち、男に突き進む。


「ロバート…ミラ…みんな…ごめん!!」


私はシェリーを抱き抱えると刻印に魔力を通す。


「シア…ごめ…」


後ろで何かが崩れ落ちる音がする。


身体強化を行い走りだした瞬間だった。


私の胸には剣が生えていた。


「ゔっ……ぐぅあぁ…」


焼けるように痛い、足の力が抜けて倒れる。


駄目だ逃げきれない…私は咄嗟にポケットの中のロケットを取り出して、シェリーの胸元にねじ込む。


お願いシェリーもう少しだけ堪えてね…


「これでSランクねぇ…」


「化け物…」


「正解だよ…俺はな…」


俺はフードをめくる。


そこには、漆黒のような真っ黒の髪をした赤い瞳の妖狐族が顔を見せた。


「お前が抱えてるガキと同じ…化け物さ」


私はどんどん霞んで行く意識の中、抱えているシェリーの頭を撫でて言葉を紡ぐ。


「ゲゥ……シェリー………大好き」


男は剣を突き刺す、剣は私を貫いてシェリーも突き刺した。


男は剣を引き抜くと、アリシアを蹴飛ばす。


そしてアリシアとシェリーの紋章が消えてるのを確認する。


「死んだか…」


男は2人が死んだのを確認して立ち去ろうしたが、1人の男が村の中に飛び込んできた。


その男は燃えるような真っ赤な髪に緑の目をした妖狐族の男だった。


「間に合わなかったか…!」


「よぉ…遅かったじゃねぇぇかぁ…」


赤髪の男はローブの男に一度目を向けその後に地面を見て、変わり果てた姿になったシェリーを見ると、めを見開く。


「お主…殺したのか!!」


「…あぁ」


「相わかった……推して参る!」


赤髪の男が刀を引き抜くと、ローブの男に切り掛かる。


ローブの男は剣で受け止めると呟く。


「時間切れだな…今度は遅れるよ?」


そう言うとローブの男は、赤髪の男を跳ね飛ばすと門を通り抜けて森へ駆け出して行く。


「逃しはせん、必ず仕留める!」


赤髪の男もローブの男を追いかけて、森へ消えた。






沢山の屍だけがそこには残ったのだった……その中で一瞬、1つの屍が淡く発光した。

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