春の章その3:わたくしとうたたね
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「魔法なんて大嫌い!」
「よしよし。いいこいいこ。
どうしたの?」
「・・・魔法が失敗するたびに
みんな、わたくしを怒るから。」
「怒るから嫌い?」
「・・・魔法が嫌い!」
「じゃあ、私のお菓子の魔法も
レシラ様は嫌い?」
「・・・それはすき。」
「よかった!」
「お菓子と魔法と、どっちが好き?」
「・・・お菓子がいい。」
「じゃあ、お菓子を作りましょう!」
「だから、わたくしは、そんな魔法使えないの。」
「あはは。お菓子を作るのには
実は魔法なんかいらないんですよ!」
「えっ。でも、みんな魔法で
お菓子を作ってるよ。」
「それが最近のはやりですからね!
でも、レシラ様も一緒につくってみましょう?
楽しいですよ!」
「・・・うん、教えて!」
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レシラ「・・・あれ。ずいぶんと懐かしい夢を。
どうしてでしょう。」
課題がはじまって、ほんの少しだというのに。
昔のことが恋しくなったのか。
ふふ、お菓子作り、楽しかったな。
・・・いえ、いまは課題の最中。
舞さまを幸せにしなくては。