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なろうラジオ大賞4

伝説の武器として渡されたのがえんぴつなんだが、これでどうしろと?

掲載日:2022/11/30

「おお、勇者よ。よくぞ参った。おぬしにはこれをやろう」


 ある日突然、勇者として城に呼び出された俺は魔王討伐の命を下された。

 旅に必要な物資は一式そろえてくれると言う。


 まずは軍資金100ゴールド。

 100日働いた給料分の金額だ。


 次に鎧。

 カラーリングが違うだけで、一般兵士が身に着けているものとほぼ変わらない。


「うむ、これで以上じゃな」


 一人で納得するよぼよぼじじいの王様。

 肝心なものが足りなさすぎる。


「いや……まってくれよ。

 まだ武器をもらってないぞ」

「うむ……わしとしたことが、ぬかっておった」


 じじいの王様はぽけっとから鉛筆をとりだした。


「ほい、これ」


 手渡されたのは何の変哲もない六角形の鉛筆だった。


「え? なにこれ?」

「伝説の鉛筆じゃ。

 適当に好きなダメージを書け。

 戦う時に転がすのじゃ」

「え? 剣とかじゃないの?」

「このご時世、残酷描写は規制が厳しくてな。

 今回はR15はNGなのでそれで戦ってくれ」

「は?」


 剣の代わりに手渡された鉛筆だったが、どうやらこれで戦うシステムらしい。

 仕方なく俺は言われた通り、鉛筆の各面にダメージを書いた。


『致命的なダメージ。敵は即死する』


 全ての面にそう書いた俺は、さっそく雑魚モンスターと戦うことにした。


「きえええええええええええええ!」

「敵だな! くらえ! コロコロ」

「ぎゃああああああああああ!」


 襲ってきた敵は爆発四散。

 R18指定相当のグロ描写全開な死に方をする。


「やべぇ……これ最強じゃねーか」


 俺は最強の兵器と化した鉛筆を握りしめる。

 これがあれば魔王だって楽勝だ。


 こうして俺は最強の武器を手に入れ、三日で魔王を倒した。

 さっさと故郷の城へ帰還する。


「ありがとう、王様。

 このえんぴつ最強だったぜ」

「うむ、ではそのえんぴつを返してもらおう」


 俺は王様に鉛筆を返し――


「あっ」

「あっ」


 渡そうとしたところで、えんぴつを落としてしまった。

 ころころ。















「ということがあってな」


 同じ牢屋に入れられたよぼよぼのジジイは昔話を終え、満足そうにしていた。


「じいさん、大変だったんだな」

「ああ……即死だなんて小学生みたいなことは書かず、

 ひん死とかにしておけばよかったわい。

 最後の一撃くらい自分でやらなければ戦ったことにならんのじゃ」


 確かに、じじいの言う通り。

 ちょっとくらいは自分の力を使うべきだ。


 強力すぎる力に頼ったところで幸せにはなれないのかもしれない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「なろうラジオ大賞4」から拝読させていただきました。 いや、王様、そんな凄い武器があるなら、自分で戦えよという気も。
[良い点] 〝えんぴつコロコロが最強〟というアイデア、めっちゃ面白かったです! 「ひん死とかにしておけばよかったわい」←後悔はしても、考える改善ポイントが「即死」を「ひん死」にする程度なのが、あんまり…
[良い点] 今回はR15がNGだからって発言がメタすぎて笑いました(*´∀`*)アハハ バトエン的な使いみち、大好きです。
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