第九話「出発前夜」
(アニマ.....聞こえてる?)
【はい、聞こえております。ミーファさん】
(やっぱり思念波で会話できるんだ.....あ、呼びづらいからアニーって呼んでもいいかな?)
【ええ、どんな呼称でお呼びいただいても構いません。それと、私たちは基本不可視なので、通常怪しまれないためには今後は思念波で話すのが得策でしょう】
(確かにそうだね、他の人には一人で喋ってるみたいに見えちゃうから.....それじゃあこの世界について教えて)
【わかりました.....】
私はアニーにそこまでの詳細情報では無いが、この世界について教えてもらった。
(なるほどね.....そこで勇者が召喚されてこの世界を救済するってわけかな)
【勇者ですか.....そのようなものの到来を予言するとは.....やはりこの人間は上位システムと関係があるのでしょうか】
アニーは何やら考えているようだったが、お互いに詮索しすぎないことを決めたのでなにも言わなかった。
(うーん、大体のことは分かったからとりあえず寝るね、おやすみなさい.....)
この時、まだヨミは知らなかった。この世界がRPGに出てくるような普通の世界とは根本的に違うということを.....