第五話「アニマ」
(この世界の人間じゃない? 私が強調して"外側の世界"の話をしているのにそう言わないということは何か隠したい理由があるのかも。それとも、本当に知らない.....?)
「さっきから言っている外側の世界とはなんなのです? ミーファ様」
(私の名前もミーファと認識している)
ヨミは、『システム』とかいうメタ発言しているのにも関わらず、名前だけはしっかりミーファと呼んでいるアニマに対して少し違和感を感じていた。
「だんまりですか。まあ思考を読み取ることはできますが......」
だんまりを続けていても情報を得られないことはわかるのでヨミは話を合わせることにした。
「たしかに私はこの世界の人々ではないよ。だからこの世界について、そのシステムについて教えてほしいの」
アニマはしばらく何か考え込んでいたようだがどうやら敵対するつもりはないようだ。
「あなたがどんな目的でこの世界にきたのかはわかりません。しかし、我々は悠久の時を生きるシステムの片割れです。少しばかり力を貸してあげましょう。なにやら面白いことになりそうなのでね。まあ、システムに関する情報には規制がかかっていますが」
「あなたたちのルールに抵触しない範囲で協力を仰ぐから安心して」
「ご理解ありがとうございます」
「そのかわり! 私が許可するまで思考を読み取るのは禁止! いっつも心を読まれてたら生きづらいから!」
ヨミは勝手に思考を読まれたことに対して少し怒っていた。
そんな時、キーッと立て付けの悪いドアが開く音がした。
「「ただいま! ミーファ!」」