微かな違和感 Strange day
前回より長めに書こうと頑張ってみました!
あたりはもうすっかり薄暗くなり、蛍光灯がぽつりぽつりと点灯し小さな羽虫の大群が集まってきている。
周りに乱立しているマンションの間からうっすらと星が見えるそんなありふれた景色のを背景に、頼城 託真は憂鬱な表情をして猫背になりながらレジ袋を二つ持ち歩いていた。
「やめだやめ! あまり気にしてもダメだ」
落ち込んでいるばかりでは人生真っ暗だと自分に言い聞かせ元気をだす。
「よお、そんなに悩んでどうしたんだ? 少年」
「え、えっとあんたは…じゃなくて、おたくはどちらさまでしょう…か? 」
気づいたら、黒いハット帽子に黒のコートを身に纏い十字架や数珠など規則性のないものをたくさん身につけている、はっきり言って胡散臭い男が目の前に立っていた。
「おっと、そんな警戒しなさんな別に怪しいもんじゃねぇよ、ただ悩める若人がいるのなら導かなければっていうただのお節介だよ。」
「えっと、悩みなら自力で解決したから大丈夫ですけど」
「なら良かった、悩みが解決するってのはいい事だからなじゃあな坊主、たくさん悩み、たくさん考えろよっ! 」
男は初対面の若者の悩みが晴れていたことを嬉しそうにしながら立ち去っていく。
「そういや坊主、ここら辺で金髪で小柄な女の子を見かけてないか?」
男は体をひねり上半身をこちらに向けて急に思い出したように尋ねてきた。
「いや、全く見かけてない金髪なんて目立つ髪色見たら暫くは覚えてるはずだ。」
少し記憶を探り思い当たる人物がいなかったので素直に男の質問に答える。
「そうか、ならいいんだ引き留めて悪いな、じゃあな。」
男は手をひらひら振りながら立ち去っていった。
「いったい何だったんだ? 」
最後の質問の意図が気になったが話してるうちに完璧に暗くなってしまったので急いで帰路についた。
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翌日の昼休み、教室の端にある武比古の机に北条と集まりながらさし当りのない話をしていた。
だんだんと話す内容がなくなってきたので昨日会った男のことを話題にあげた。
「変な格好の男? 」
胡散臭いものを見るかのように顔を歪めて北条が言葉を反復する。
「ああそんでもって金髪で小柄な女の子を探してるみたいだったけど…」
「わざわざそんな条件で女の子を探すって危ないやつじゃねーのか?」
面白そうな話題を見つけたとばかりに武比古が乗ってくる。
「なに面白そうにしてんだよ…お前楽しそうだとなんでも首突っ込むからな、気をつけろよ? 」
「あんたらどっちも大概よ 」
「は? いったいど言うことだよ」
よくわからないが同類として扱われたみたいだ、心外な。
「お、そろそろ5限目が始まるぞ、ほら早く席に戻った戻った!」
言葉につられ時計を見る授業始まりまで五分をきっている。
「本当だ」
ボソッとと小さく呟き自分の机に向けて足を動かした。
次話でようやく戦闘シーンに入れそうです!ただ戦闘って初めて書くのでうまく書けるか心配ですが頑張ります!