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狂乱の王

王国編はまだまだ続く!


これからまだまだお話が続きます。

本当に100話超えるかもしれない。

玉座の間までの道は、エレンの言った通りに誰一人としていなかった。どうやら本当に王族以外はどこかへ飛ばしてしまったらしい。


そして現在、私たちは豪華な扉の前にいる。

「ここが玉座の間の扉…無駄に豪華だな。」

「……だね。」

扉には金色の鳥や紫色の花などの装飾で埋め尽くされ、扉なのか壁画なのかわからなくなってしまっている。

「あ!お姉ちゃん!」

「…やっと追いつきましたね。」

「おう、早かったな。」

扉を眺めていると、シェリア達が追いついて来た。彼女達も戦闘なしでここまで来れたらしい。

「アンナ、私こんな扉…見たことない。」

「シェリア様は玉座の間に来たことはありませんでしたので、国王とお会いする際はいつも国王の自室に行っておられました。」

「…そう、だったの。」

「はい、それ故に国王の異変にも気づかれなかったのでしょう…あの方は玉座の間に来た途端に虚空へ話しかけたり、癇癪を起こすのです。……まるで国王の地位そのものを憎んでいるみたいに。」

…皆、何も言わなかった。


「……行くか。」

「…うん。」

ミルドの言葉に同意し、扉に手をかける。

しかし、

「そこまでだ!」

扉に触れたと同時に大きな声が響き、5本の氷でできた矢が私に向かって飛んできた。

「ナナ、動くな!」

ミルドが私と矢の間に立ち、矢を自身の体で受け止める。

パキパキッ とかん高い音を立てて矢が弾かれた…さすがミルドだ、肉体の硬さはどの人間をも超えている。

「…あなたは、兄上様。」

「お久しぶりでございます、キールズ王子。」

シェリアとアンナが矢を放った男に挨拶する、どうやらシェリアの今世での兄らしい。

「お久しぶり、シュリエ。…大きくなったね。」

キールズと呼ばれた王子はシェリアに微笑みかける、しかし目は笑っていない。

アンナが警戒してシェリアの前に立つ。

ミルドと私も同じように警戒する。

「キールズ王子、先ほどの魔術は私たちへの攻撃でございますね?」

「そうだよ、ネリアナ。君たちのしていることは国家反逆罪だ、みすみす見逃すわけにはいかない。」

「…それは私たちと戦う、ということになりますがよろしいのですか?」

「……。」

アンナの言葉にキールズ王子は何も言わなかった。

そこにアンナが畳み掛ける。

「私たちは国王を殺すことは絶対にしません、あなた方の安全も保証いたします。ですのでどうかここは見逃していただくわけには…。」


「…黙れよ、クソが。」


その瞬間、空気が凍った。

比喩表現ではない、文字通りキールズ王子の周囲に霜が降り、壁や床が凍り始めたのだ。

「おいおい、マジかよ…魔術ってレベルじゃねぇぞ。これじゃまるで『魔法』だ。」


魔法…詠唱も魔術陣も使わず、魔術の常識を超えた現象を起こしてしまう究極の奥義。

彼は、アンナよりも年下なのにそれほどの境地に達しているのか。


「ナナさん、ミルドさん、ここは私たちが食い止めます!行ってください!」

アンナが私たちに叫ぶ。

「おい!魔法を使うやつに2人で敵うのかよ!」

「ここは4人で戦った方が…。」

ミルドと私がアンナ達にそう言うが、シェリアの言葉が先に進む決め手になった。


「ミルドさん!お兄ちゃん!ここは大丈夫だから!……信じて!」


…お兄ちゃん、シェリアがそう言ったのはもう結構前になる。お姉ちゃん呼びに慣れてしまってからは言うことはなくなったから…。

今回は…『お兄ちゃん』が頑張れってことか。

「…ミルド、行くよ。」

「ナナ…そうだな、信じろって言われたら…信じるしかねぇか。」


私たちは、扉を開けた。

「くそっ!待て!」

キールズ王子が空中に数十本の氷の矢を生み出し、シェリア達を超えて私たちに向かっていく。

アンナはそれを無視し、武器である小振りのナイフを構え、シェリアはアンナの横に立つ。

私たちへの心配は無い、なぜなら……。

「それが効かねぇのは知ってるぜ!」

ミルドが盾となり氷の矢を弾きながら扉を閉めた。


若干危険はあったが、予定通りに私たちは玉座の間へとたどり着いた。


そこには…。

「マリア、なんだか今日は騒がしいね。」

玉座に座り、こちらを睨みつけている現国王。


しかし、その目は私たちを見ているようで見ていない。

「私たちの会話の邪魔をするなんて、無礼千万な輩だ…マリア、どんな罰を与えようか。」

そして、玉座の間に国王以外の人間は私たちしかいない。


…狂瀾にまみれた男が、そこには居た。


「国王…あんたを倒し、今すぐシェリア嬢を王にするためにここに来た。」

ミルドの言葉に国王が不気味に笑う。

「…シェリアって子が誰かは知らないが、私は王の地位を譲る気は無い、永遠に私がこの国の王だ!私は永遠にマリアとここで暮らす、死んでもずっと永遠に……それを邪魔する輩は誰1人として許さん!」

国王が立ち上がり、腰に差していた宝剣を抜く。

「皇室に侵入した輩が何人いるかは知らないが、玉座の間に入り次第撫で斬りにしてやる。」

「やってみろ!立派な剣みてぇだが、この俺を切れるような切れ味があるといいな!」

「…ミルド!焦らないで…相手は一国の王、どんな手があるのかわからない。」

ミルドとアンナが国王と向かい合う。


「マリア…少し待っていてくれ、すぐにかたをつける。」


戦いの火蓋が切って落とされた。

次回!国王との戦い!(ネタバレ)


ミルドとナナが国王に立ち向かう!(重大なネタバレ)


……すまんかった。(スライディング土下座)


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