或る少女の毒吐く
え...これ誰かに見られるんですか?
「私の物語はこれからどんどんつまらなくなる」
そんな気がした。
幼稚園のお遊戯の出来事を、何か思い出した。
とてもつまらない思い出、私はお姫様の役、
でもお姫様役は他にも沢山いて、王子様役も沢山いた。
もう誰が誰だか分からない、木の役や住人A、B的な
役もない、正直私は木の役の方がやりたかった、もしくは
観客役とか、役じゃないけど。
みんな口をそろえて餌を欲しがるコイみたいにパクパクして
お歌を歌ってた、私は周りの全員が何の疑いや疑問も持たずに、
歌っている姿を見て気持ち悪くて、歌えなかった。
すると隣のジャガイモのお姫様が私に心配そうに話しかけてきた。
「どうしたの?、胡桃ちゃん、お腹痛いの?」
「お腹は痛くない」
「どこが痛いの?」
「別に大丈夫...」
「ふーん」
心配してそうで、こちらの反応が悪いと、どこか素っ気ない返事、
そういえばこのジャガイモ(♀)は他人の心配をよくしている、
それも親や保育士が見ている時に限って、
このジャガイモ(♀)は他人を心配しているフリをして自分を見て
して欲しいだけなんだ、あなたはもう立派な役者だよ。
私は冷めた目でジャガイモ(♀)を一瞥した。
「ふう、何か思い出すのも疲れる」
何か、普通に恥ずかしいんでけど。