こ、これが権威!!
「でもなんで高身長イケメン騎士に変身なんかしてたんだ?」
狩人は疑問をぶつける。
「ドラゴンよ。ビジュアルジューシーの正体がモンスターの変身と言いふらさなければ、その理由教えてやってもいいぞ?」
(すんごいゲス顔だな・・・。)
ナハハ王は勝手にしゃべりだす。
「それはな・・・権威じゃよ・・・権威。この世は権威があれば楽勝なんじゃ。
”こ”う身長、イ”ケ”メン、”き”士の3大権威を3Kと言うんじゃ。覚えておくといいぞ。
これがあれば、みなが頭を下げよるからな!!ナハハハハハハハハ!!!」
(う・・うわぁ・・・)
「ちなみに僕の時給は1100円だよ。変身することだけを考えたら簡単な仕事だよ。ドラゴンも僕といっしょにどう?」
「や、やらねぇよ!!・・・はぁ、もうここにいたら疲れるだけだな・・。もう全部済んだし行くわ。さっさと魔王倒してクリアしねぇと。」
「あっ!待って。さっきの君との戦闘で気になる点があるんだ。」
「気になる点だと?」
「うん!それはね、ドラゴンのステータスのこと。君は強すぎる。本来、さっきの戦いで僕を倒すことはできないものなんだ。」
「へーそうだったんだな。じゃあ速攻クリアも!?」
「うん。たぶん君ならできるね。だからステータスがどうなっているか知りたいんだ。」
(ステータスを知っとくのは大事だもんなぁ。)
「よし!んじゃあ・・測ってくれ。俺も見たいし。」
「うん!わかった。じゃあ舌を切らないように食いしばって。」
「えっ?」
するとビジュアルジューシーは水たまり状から白衣を着た幼女へ変身し、でっかい注射器を取り出す。
「ちょっちょっ!!何をする気だよ!?そんなでっかい注射器をだして!つーか変身する意味あんの!?」
(正直かわいいけど。)
「こらえてください。」
ビジュアルジューシーは躊躇なくでっかい注射器を刺す。刺した場所は想像に任せよう!!
「・・・し、死ぬかと思ったぜぇ・・・まさかステータス確認の方法が採血とは・・。」
「うーん・・・すごいのです、これは。みてください。」
ビジュアルジューシーが示したのは、レントゲンのように移るステータス表だった。
それを狩人は見る。
「9が欄外に、はみ出しているんですが・・。」
「そう。みてのとおりなのです。すうちが、かんすとをこえて、てんもんがくてきなすうじになっているのです!
ただひとつをのぞいてですけど。」
「なになにぃ・・・運が0!!」
「だからきをつけなさいと、いしとしてちゅうこくしときますね。」
(よくある帰り際にお大事に~て言う軽さのレベルの忠告だな・・・。)
狩人はその後、いろいろ城の中で情報を集め、城を出た。
(情報を整理すると・・運が0だから、こんな王国からスタートしたみたいだなぁ。
登場人物のクセは強いし、魔王から一番離れているし、何よりロクなものももらえなかった(泣)
はぁ・・・・。大丈夫かなぁ、この先。)
勇者ドラゴンの旅が今、始まる!!