3秒だ(キラン!
「武器も決まったわけだし・・・さて、私とやらないか?」
ビジュアルジューシーが狩人に言う。
「は・・はぁ!?おま・・いきなり何言ってるんだよ!俺は違うからな!」
「ん?私と戦わないのか?一応武器の確認はしておいたほうがいいと思ったのだが・・。仕方ないな。」
(勘違いさせるような言い方するなよ・・。)
狩人はホッとしたのだった。
(でも、たぶんこれはチュートリアルてところだな。この世界で自分がどれだけ動けるか確認しておくか。)
「おっと!やっぱり戦おうぜ。騎士さんよぉ。3秒で終わらしてやるよ。」
「フフ・・そうでなくてはな。勇者ドラゴンよ。ではあれを準備しろ!」
ビジュアルジューシーは指ぱっちんをする。
憲兵が持ってきたのはコンポだった。
そしてそれを再生する。
「よし、準備は整った。いつでも来い!ドラゴンよ!」
ビジュアルジューシーは剣を抜いて構える。
(コンポの音質が悪すぎて雑音しか聞こえねぇ・・・。戦闘BGMのつもりなの・・か?)
「いまいち盛り上がらねぇが・・。細かいこと気にせず行くぜ!」
狩人はカッターナイフの刃を出してビジュアルジューシーに近づき、攻撃する。
「ひでぶっ!!」
そんな声と同時にビジュアルジューシーの鎧は全壊し、体は粘性の高い白い液体となって王室の間に飛び散った。
「・・・・えっ?・・えっ?・・・ええっ!?
うおおおおおおおおおおおおおお!!殺ちまったーーーーー!!!」
(この液体なぜ白いのかわからないがどうみても俺の攻撃で体が破裂したよな・・。
つーか俺、今すげー強かったんだけど。自分でも驚くほど体が軽かった。いやいやそうじゃなくて!
あぁお母さん僕は遂に殺人に手を染めてしまいました。残りの人生は償いにあてることにします。
さよなら・・・・。)
「ちょ・・ちょっとぉ・・もう・・ぬるぬるよぉ~。」
そこでそんな色っぽい声を出したのはソージだった。
狩人は視線を向ける。
「・・・ん?・・・・・うおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
(ソージさんの顔、体中に白い液体がぁ!!しかもす、透けてる・・!こ・・これはなんかす、すごい
な、なんと言ったらいいんだ・・・・・・あーそのすごいセクシーだ!や、やべぇ!)
狩人は罪悪感などすでに忘れ、興奮。いや王の間にいる憲兵全員がソージの姿に興奮していた!けしからん。けしからん。
「ソージさんもう一度お願いします。」
「ちょ・・ちょっとぉ・・もう・・ぬるぬるよぉ~。」
「うおおおおおおおおおおぉぉ!!ありがとうございます。ありが・・・?
てっ!お前じゃねぇぇぇぇぇ!!」
その声の主は同じように白い液体が、かかったナハハ王だった。
「なに!ワシが液体まみれでもどうでもいいというのか!ドラゴンよ!」
(メタボのおっさんが白い液体まみれとかもはや視覚の暴力だな・・。)
「国王様これで拭くといいでゲス。」
「おぉ。大臣よぉ。助かるわい。」
(あのバスタオルなにかをつなぎあわせているな・・。うーんあれはなんか見たことあるぞ・・。
諭吉札じゃねーか!!な・・なんて使い方しやがる・・。)
それから少し間が落ち着く。
「あの~俺ビジュアルジューシーさんを殺したことになるんですよねー?
あ・・あの逮捕とかしないんですか?(震え声)」
狩人がソージにおそるおそる、聞く。
「あら。そういえば言ってなかったわね。ビジュアルジューシーは人ではなくモンスターなのよ。」
「そうだよ~。実は僕、モンスターなんだ。」
(今、ソージさんが言った後にどこからか声が聞こえたような・・。)
「あれソージさんて腹話術できるんですか?」
「?」
「?」
(あれ・・おかしいな。なんか変な空気になってるぞ・・。)
「ねぇ?聞いてる~?ここだよ。」
(俺の足元から声が聞こえてくるぞ・・。幻聴でも聞こえてるのかな・・。)
「ねぇ!てば!」
(いや!本当に聞こえる!)
狩人は自分の足元を見る。
(なんだこの白い水たまりのようなものに目がついたものは・・今度は幻覚か・・。)
「無視しないでよ!」
「水たまりが喋った!?」
「だからさっきから言ってるじゃん!僕はビジュアルジューシーでモンスターだって!」
(そうだ・・ここは俺のいた世界と違う。すべてを受け入れるんだ。俺。)
「つまりあの高身長イケメン騎士の正体はモンスターだったてことか?」
「うんそうだよ。僕は変身モンスターなんだ!あの時、君の攻撃を受けて耐えきれず破裂してしまったんだけどね。白い液体はみんな僕の体。でも安心して!時間がたてば、元に戻るんだ!」
「へ、へー。そ、そうだったのかー(棒)」