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歴戦の万引き犯はこう言った。「スーパーマーケットは実にシンプルです。狩るか狩られるか。」主婦歴30年の主婦はこう言った。「スーパーマーケット?そんなの単純じゃない。殺るか殺られるか。」

ある日の狩人は、ママチャリを立ち漕ぎしながらスーパーへと急いでいた。


「ゼェ、ゼェ、ゼェ・・・(急げ急げェ~もうあと30秒でタイムセールが始まっちまう~、やばい、これ間に合うかなぁ・・・!?いやッ!!ここを逃がせば絶対に100年先は後悔する・・・ッ!何としてでもたどり着く!信号が赤なら青に変えるほどに!)ゼェゼェゼェ・・・」


どうやらタイムセールを目当てに、かなり急いでいたようだった。

いつになく、負けるわけにはいかないという主人公の目つきをしている。


キイイィィ「ゼェ、ゼェ、ゼェ15秒、10びょうぅぅ・・・3,2,おしィ~ギリ間に合ったァ~・・・急げっ急げっ」ピピピピピッピピピピッ・・・


そして、息を切らしながらも何とかスーパーに到着した狩人は、ブレーキと共に駐輪しママチャリから降りて店内へと駆けだす。

同時にタイムセール開始予定時間を告げる、狩人が身に着けていた腕時計C-shockが鳴ったのだった。

今日の狩人の本気度が伝わるだろう。


ブィィィン


そして店の自動ドアを通って狩人はスーパーの中へと入る。


「・・・タイムセール!タイムセール!・・・ん?あれ、タイムセールがない!!えぇええ嘘だろ!!・・・しかも店内に警官だらけ?何が!(もしやタイムセールをめぐって何か事件でもあったのか・・・)」


そこで狩人が目にした光景は、スーパーマーケットの店内に大勢の警官がいて、何やら物騒がしい雰囲気だった。

気になった狩人は近くにいた刑事らしい男にちょっと尋ねる事にした。


「あのーすみません。何か事件でもあったんですか?」


刑事「・・・おう、勇者ドラゴンか。あーまぁ事件が起きたというよりは、これから起こるかもしれないって所だな。」


「え、起こるかもしれないって、もしかして爆破予告を受けたとかそんな感じですか・・・?(嘘だろ・・・せっかくのタイムセールの日だってのに・・・ぐぬぬ、何でよりによって今日なんだよ・・・!タイムセールの日ぐらいは避けてくれよぉ・・・)」


今日の狩人の頭の中はタイムセールの事しかなかった。


刑事「バカ言え!!爆破予告とかそんなかわいいもんじゃねぇよ!!お前タイムセールの事ばっかり考えて平和ボケしてんじゃねぇのか!?チッ、この警官の数見たらわかんだろォ・・・警察なめんなよ~まったく。」


「ご、ごめんなさい。そういうつもりで言ったんじゃなくて(お、怒られてしまった・・・)」


刑事「あのなぁ、万引き予告を受けたからこうして早朝から張ってんだよ。わかんだろ~が」


「いやいや!!むしろかわいくなってんじゃねぇか!!余計に理解から遠のいちまったよ!!」


刑事「あぁ?勇者ドラゴン、お前もしかして知らないのか?今、世間を騒がせている“怪盗J”のスーパーマーケット連続万引き予告を。」


「な、なんですか・・・それ。怪盗J、万引き・・・(スケールが大きいような小さいような)」


刑事「ったくそんな事も知らねぇとはな。ハァ、説明してやるとだな。実は3か月程前から、この市内にある10万店舗のすべてのスーパーマーケットを標的に、万引き予告状が届いてな。最初はただのいたずらかと署内でも軽い扱いだったんだが――」


(ちょちょちょっこの市内どんだけ店舗あるんだよ・・・いや、気づかなかった・・・)


刑事「実際、予告状の通りの日付と指定された店舗で最初の万引き被害が出たんだよ。そこから最初の店舗を皮切りにその後も予告状の通り次々と市内のスーパーマーケットで万引き被害が発生。その被害総額は2兆円にも上ってな・・・――」


(やべぇ・・・額が・・・)


刑事「さすがに署内でも至急対策本部を立ち上げる事になってな。で、予告状の今日の標的の店舗はここだっつんで厳重に警備にあたっているというわけだ。これ以上、スーパーで万引きされるわけにはいかん!俺らの昼飯もおじゃんになっちまうだろ?それにおちょくってくる怪盗Jを必ず捕まえる必要がある。絶対にムショにぶちこんでやる。」


「・・・う~ん、でも被害額、に2兆円って・・・一体スーパーから何を盗んでるんだ・・・インフレにもほどがある・・・。」


刑事「あぁ、それが~怪盗Jは妙に変わった奴でな。奴の盗む商品はどこのスーパーでも決まって・・・ウエハースのみ。」


「・・・・・・」


狩人はコメントを失った。


刑事「うん?反応悪いな。・・・あ、勇者ドラゴン、てめぇまさか“ウエハース”も知らねぇのか!世間知らずも程々にしろよ~まったく。」


「それは知ってますよ!!お菓子でしょ!!菓子!!ほら、よくシールとかついてる~・・・」


刑事「おう、まさにそれだよ。子供のお菓子売り場とかによくある、シールつきウエハースだけを怪盗Jはスーパーから次々と万引きしていくんだ。誰も気づかないレベルでな。気づいたら無くなっていた。そういう高次元の窃盗犯だ。」


「うんやっぱり被害額バグってますよ。絶対。」


刑事「うん?そうか?・・・まぁ、被害額がどれくらいとかはどうだっていい。スーパーは間違いなく被害を受けてるし、犯罪は犯罪だ。米粒一粒、水滴一滴、空気一呼吸であろうがこれ以上の万引きは我々、警察は絶対に許すわけにはいかない。俺たちの昼飯もかかってる。」


「確かにそれはそうですね・・・見過ごせない・・・(いやでも、さすがに空気は厳しすぎる気がする・・・)」


刑事「そのため、今は悪いがお菓子売り場だけは規制線を張って、誰も出入りできないようになっている。残念だが今日だけはお菓子の購入を諦めてくれ。」


刑事にそのように説明を受ける狩人は、実際にお菓子売り場を目にする。

入り口2カ所keep outの黄色い規制線が張られ、警官が腕を組んで立ち閉鎖している。


「にしても、そこまでしてシール付きウエハースは魅力があるんですか?わざわざ予告状まで出すって、相当ですよね。何が怪盗Jを引き付けるのか・・・」


刑事「だから俺たちも、怪盗Jの心理分析のために実際にウエハースを販売している企業から、実物を取り寄せてみた。ウエハース、サクッ。確かにうまい。・・・だが、特別変わった所はないお菓子だ。なので、我々は同じく封入しているシールに注目することにした。全538種類のシールがランダムで一枚封入されている。なるほど、これは一つの動機になり得るのではないかっていう捜査段階だ。」


「(メッチャ種類多いな・・・)う~んまぁいわゆるガチャみたいってことですかね?だから、窃盗を繰り返すと。ちなみにやっぱりキャラクター系のシールとかですかね?」


刑事「あぁ。キャラクターだ。ウエハースを販売している企業の全従業員がシール化されたもので、一番のレアは歴代の社長とかがシールになっているのだ。」


「キャラクター!!?」


刑事「ほら、ここに実物があるだろ。このキラキラのラミネート加工されたものが最上級レアで・・・裏に連絡先とか簡単なプロフィールがあってだな・・・それにこの、創業者?とか白黒で構図とか完全に坂本竜馬カットみたいで渋くてだな・・・」


刑事はポッケから何枚かのシールを狩人に見せてくる。


(まったく知らない人がキラキラしてても、興味そそらねぇ・・・)


刑事「ちなみに俺は、幻のウルトラレア・用務員さんも持ってるんだ。フッ、どうだすごいだろ?」


「いや、もうシールの話題はいいですよ」


刑事は狩人の食いつかない反応に、首をかしげてシールをポッケにしまう。


刑事「・・・とこんな感じで、なかなかハマるんだな。俺たちは捜査という名目で企業から取り寄せるというチートを使い一瞬でコンプリートしたが、子供たちは悪戦苦闘しながらコンプリートを目指しているそうだ。」


「へ、へぇ~そうなんですか。」


刑事「で、長々と会話しちまったが犯人像は見えたか?やっぱり警察がお手上げなら探偵さんの出番だろ。」


「えっ、さ、さぁ~ちょっとわかりませんね~」


刑事「バカ野郎ッ!!結局テメェもわかんねぇのかよ!!わかんねぇならさっさっと言えよ!!時間無駄に食っちまったじゃねぇか!!チッ、警察なめんなよ~ったく。最近の探偵は推理もできねぇのかよ・・・勘弁しろよォ」


(や、八つ当たり・・・つーかいつから俺は探偵に・・・)


刑事「あーまぁいいや。とりあえず今日はキモイ行動はすんなよ。いらぬ容疑かけられたくねぇだろ。」


「してねーよ!!いつもはしてるみたいな言い方やめてもらえますッ!?」


ブィィィン


そこで新たに客が入店してきた。

見た感じ主婦のおばさんだった。


主婦「は~いごめんあそばせ~。・・・店長ー!店長ー!ワタクシが来ましたわよ~。店長ー!」


するとスーパーの店長が急いで主婦のもとにかけつける。


店長「い、いつもお世話になっております。主婦K様。このたびはご足労頂き・・・」


店長は引きつったスマイルであいさつし、ガタガタと震えていた。


主婦K「ちょっと!店長!何よその顔色!お客に見せる顔色じゃないんじゃない?」


店長「あ、あ、はひぃも、申し訳ありません!」


店長はスマイルを修正した。


主婦K「そうよ。その顔よ。ワタクシは一番の常連なんだからいい対応を見せないとねぇ~?・・・何と言ってもワタクシはこの町内会のインフルエンサーでございますのよ。こんなスーパーいつでも廃業に追いやることなんて出来るのですから!オ~ホッホッホッ!」


(やべぇ客が来たぞ・・・)


店長「さ、左様でございます!精進の日々でございます!これもすべて主婦K様の献身的なご購入のおかげで小売り業を続けさせて頂いております身分であります!あ、ありがとうございます!」


主婦K「ふ~~~~~~んじゃあ~今日は、野菜コーナーから周ろうかしら。」


店長「は、はい!付き添いさせて頂きます!」


すると、主婦Kの買い物に店長がついて回り始める。


「どういう力関係だよ!・・・あのー刑事さん。あぁいうのって営業妨害とかじゃないんですか・・・?止めたりしないんですか。」


刑事「あ~、やめとけやめとけ。勇者ドラゴンお前は一体何が見えてるんだ?見ろあのフィジカル。いつだったか、あの有名な主婦Kの身長と体重は225cm・201kgって署内のデーターベースで見た事あるな。前歯折られたくなかったら、黙って静観しとけ。クリーチャーだろ、あんなもん。」


(前歯だけじゃ済まなさそうだ・・・)


刑事「それにな、俺の身長と体重はたった198cm・147kgだぞ?取り押さえられるわけねぇだろ~」


「いや!アンタも中々だよ!!?」


というわけで狩人と刑事は傍観するしかなかった。


主婦K「あら、この白菜・・・」


店長「ひ、ひぃ・・・!」


主婦K「おいしそうじゃない。タダにしなさいよ」


(な、内面もクリーチャーだった・・・)


店長「ど、どうぞ・・・」


主婦K「ウフッいいものが手に入ったわ~・・・・・・あら、このニンジン・・・」


店長「ひ、ひやぁ・・・!」


主婦K「色がオレンジじゃない。タダにしなさいよ」


店長「ど、どうぞ・・・」


店長の震えがひどくなる。ここから主婦Kの怒涛の品定めが続く。


主婦K「あら、このカボチャ。形がいいじゃない。タダにしなさいよ。あら、このじゃがいも。じゃがいも味があるじゃない。タダにしなさいよ。あら。このブロッコリー・・・よく見たら水滴がついてるじゃない。タダにしなさいよ。あら、この大根。まずそうじゃない。タダにしなさいよ。あら、このパプリカ。・・・」


主婦Kの「あら、この○○。~(理由)。タダにしなさいよ。」という1フレーズごとに店長の体調が悪化していく。また眼鏡にヒビが広がっていくのだった。


「おいおいおい・・・根こそぎもらっていってるじゃねぇか・・・け、刑事さん!やっぱりあの主婦は止めた方がいいですよ!こ、このままじゃスーパーがッ大変なことに・・・!」


主婦Kの悪行を目の当たりにした狩人は正義感が刺激される。


刑事「まぁ、まぁ、もうちょっと見てなって。」


(えぇ・・・いいのかよ・・・)


主婦K「あら、このキャベツ。青虫がついてるじゃない。タダにしなさいよ。あら、このもやし。微生物がついてるじゃない、ココ!タダにしなさいよ。あら、このおなす!農薬が多すぎるじゃない。タダにしなさいよ。あら、このごぼう。遺伝子組み換えやりすぎじゃない。タダにしなさいよ。あら、このトマト。猿の噛み痕があるじゃない。タダにしなさいよ。あら、このレンコン。女の毛がついてるじゃない。タダにしなさいよ。あら、このアスパラガス。ハエがたかってるじゃない。タダにしなさいよ。あら、このオクラ。カビだらけじゃない。タダにしなさいよ。」


店長「は、はひぃ・・・」


刑事「主婦Kはいわばダークヒーローの面もあるのさ。だから俺ら警察も逮捕しない。彼女は、消費者の味方でもあるのさ。」


「そ、そうなのか・・・?う~ん、でもこうしてみるとスーパーの方にも落ち度を感じる・・・」


そうして買い物カートにたくさん野菜類を詰め終えた主婦Kは続けてお肉コーナーに行く。


主婦K「お肉ね。・・・う~んあんまり今日はいいのないわね。・・・あら、この牛肉。産地偽装してるじゃない。タダにしなさいよ。」


店長「ど、どうぞ・・・」


主婦K「あ、やっぱいらないわ~。どこのお肉かもわからないお肉なんて、危険だわ~」


「か、華麗にスルーした・・・」


刑事「まぁ、たまにはそういう事もあるだろう。主婦K一人ですべての粗悪品を抱え込むなんて無理な話だ。・・・おっと、ちょっとトイレ。」


主婦K「あら、この豚肉!ココ!致死率99%の病原菌がついてるじゃない!危険!・・・タダにしなさいよ。」


店長「は、はひぃ・・・」


主婦K「あ~~~~~~~いい豚肉が手に入ったわ~~~~~~~~!!お肉はこれだけで十分ね。ウフフフフフフフッ」


「病原菌は平気なのかよ!!」


その時だった。


警官「あーーーーー!!そこでなにしてる!!」


スーパーでそんな緊迫の声が響き渡った。


「え、何だろう・・・主婦Kですっかり忘れてたけど、ついに怪盗Jが・・・?」と狩人も声の方向に向かう。


警官「見たぞ!そのあんパンを万引きするところを!!来なさい!!・・・何してんだよ~あ、そのポケットの中の物も出しなさい。牛乳瓶も万引きしていたのか!こいつ~何やってんだ!!」


(えぇっ!?あんパンと牛乳の万引き!?ってことは、怪盗J以外の万引きが発生したって事かよ・・・ど、どういう日なんだ・・・)


狩人はおそるおそるパンコーナーへと覗く。


刑事「だって、朝から何も食ってないもん!!目にしたら欲しくなるのもしょうがないだろ!!おぉぉい!触んなァ!」


「いや!!よりによってあんたかよ!!」


警官「コラ!抵抗しない!もう見たんだから。ダメ、ダメダメ。ほら手出しなさい!」


刑事「おぉい!汚ねぇ手で触れんなァ!クソサツ!・・・ポッケにつっこんだだけで、会計しにいくところだったんだよ!!何が悪いんだ!」


「あんたもサツだろ!!」


警官「ハァ、往生際が悪いな・・・じゃあこれは?牛乳瓶はもう半分ぐらい減ってるけど。これでも会計に向かう途中だったんだ?もう、飲んだんだろ?」


刑事「しょうがねぇだろ!!張り込みに必要だったんだから!張り込み中に牛乳飲んで、あんパン欲しくなって何が悪いんだよ!言ってみろよ!オラァ!刑事の俺より身分低いクセによぉ!悔しかったら出世してみろよ!!できねぇよな~クソサツ!!」


「いやもう言ってることメチャクチャなんですけど!!?」


警官「くっ、何を~~~~!!いいよ、はい(ガチャッ)窃盗の疑いで9時37分現行犯逮捕ね。後の話は署で聞くから。じゃあいくよ。」


警官は刑事の両手に手錠をかけて、署へと連行していく。


刑事「や、やだ~~~~~~!!だって!だって僕!!あんパン!あんパン!がほしかった!ほしかっただけだも~~~~~んやだ~~~!!あさごはん~~食べてないんだも~~~んウェエエエエエエエエエエエエエン」


「よ、幼児化した・・・ッ」


警官「はいはい泣きべそをかく続きは署でね。えっと、ご家族の連絡先とかわかる?」


刑事「ウェエエエエエエエエエエエエエン!!ウェエエエエエエエエエエエエエエエン・・・僕、何もわからないでちゅう。ウェエエエエエエエエエエエン!!ウェエエエエエエン」


そうして刑事は連行されていった。


(な、何だったんだ・・・あの人は・・・なにしに・・・)


その時だった!


別の警官「た、大変だ!と、トイレに・・・!か、怪盗Jがッ!!現れたッ!」


「急、急展開すぎる・・・つーかホントに刑事はあれでいいの・・・?」


そうして事件はスーパーのトイレへと移行する。


――スーパーのトイレ。

20人の警官たちが、扉が閉まった個室トイレの前にギュウギュウづめに集まる。


警官たち ドンドン!!「おい!そこで大便しているのは、怪盗Jか!?もし、そうだったら今すぐこの扉を開けなさい!」


怪盗J?「うぅ~・・・この一年間毎食すべてウエハースだったから~腹がァ、腹が~」ブリブリブリブリブリ(下痢便の音)


警官たち「うわっくっさ!ゴホッゴホッ!」


警官の1人「コレ、俺たちだけじゃダメ、くっさ!です。応援呼びましょう」


警官の1人「くっさ!そうだな、呼ぼう!・・・えぇ、至急応援、応援の方をお願いくっさ!・・・します。突入部隊と念のため化学部隊をくっさ!・・・待機願います。」


そこへ狩人もトイレに見に来る。


「うわっ何だクッサ!!・・・やべ、やべッヤベッ・・・これガチでマジなヤツだ・・・!なんで来ちゃったんだろ・・・」


ブリブリブリブリブリブリ(下痢便の音)


警官たち「突入部隊が来るまで拡声器で呼びかけしてみよう。じゃないと・・・くっさ!」


ブリブリブリブリブリブリ(下痢便の音)


警官たちは拡声器を取り出し、交渉を試みる。


「えーー!!怪盗J!!今すぐ下痢便を中断し、大人しく個室トイレから出てきなさい!!今すぐ下痢便を中断し、大人しく個室トイレから出てきなさい!!さもなければ~、うっ、くっさ!・・・」


(拡声器で呼びかけるなんて、羞恥プレイかよ・・・!それよりもく、くさい・・・!)


怪盗J?「中断なんて言ったって、もう始まったものはとまらない・・・あ~~~腹が~~~」ブリブリブリブリブリブリブリブリ(下痢便の音)


(くっ、タイムセールのノリからこんなとんでもなくクサい展開になるなんてお、思いもしなかった・・・ァ!タイムセールなんてやめときゃ・・・よかっ、)ドタッ


狩人はついに気絶してしまう。

その時突入部隊がやってくる。


突入部隊「どいて!どいて!・・・この個室?この個室でいいのね?いいの?いい、開けるよ?いいんだね?」


警官たち「そう、はやくして!くさいから下痢便中断させる!」


突入部隊は両手で使う施錠カッターを個室トイレに向ける。


突入部隊「いきまーす、じゃん・けん・ぽん・・・!」ガキィン!(カッターで施錠を破る)


警官たち「確保オオオォォおオオオオ!!怪盗J確保オオオオオオ!!ほら、下痢便引っ込めて!!引っ込めろ!!引っ込めろ!!」


個室トイレに一気に警官たちがなだれ込んだ。


怪盗J?「うっ、そんな~はら、腹が痛いのに~」


怪盗J?の姿は、ウサギの覆面を被った萌えキャラ(美少女)だった。


警官「下痢便の続きは署でしなさい!!はい、じゃあ10時00分。下痢便を用いた公務執行妨害と下痢便をスーパーで行った軽犯罪法違反の現行犯ね。それに窃盗の余罪もあとで追及させてもらうから。じゃあ、行くよ。あ、いいよ。そのままで、拭かなくていいから。」


怪盗J?「うぅ~~~なんで~~~」


そうして、怪盗J?は捕まったのだった。一件落着!


――主婦K「あら、このウエハース。品切れ中じゃない。タダにしなさいよ。」


「・・・は、はひぃ・・・えっ、(品切れ?おかしいな。今朝、かなりの数入荷したはずなんだけどなぁ。まぁ、いいか。)ど、どうぞ・・・。」


主婦K「んん~~~も~~~~う~~、テルオ(孫の名)のおやつのウエハースが品切れだなんて、憎い世の中だわ~~。しょうがないわ。今日は、代わりにモンスターシールがついたモンスターパンで我慢してもらうしかないわ。」


パン売り場。


主婦K「あら、このモンスターパン。パチモンじゃない!タダにしなさいよ。何なのよ。この色違いモンスターは。でんきタイプに見えないじゃない。」


店長「は、はひぃ・・・」


主婦Kがお菓子売り場を訪れるころにはすべてのウエハースはスーパーから消えていた・・・。

一体誰がいつ盗んだのだろうか。真相は果たして――


本物の怪盗J「楽しい余興をどうもありがとう。おかげで今回もすべてのウエハースの万引きに成功したよ。・・・えっ?僕の活動理由?・・・フッ、君はおもしろい事を聞くね。いいよ。君にだけ特別に教えてあげる。実を言うとね、僕は万引きで得たウエハースは僕一人のものじゃないんだ。・・・全国の孤児院にウエハースを配り回る。それが僕のただ一つの、唯一の正義なのさ。」


ー完ー

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