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運、これって一番大事ですよね!?  作者: フクツノタロウ
メインストーリーってなんですか?
34/51

(テイク2)ゾンビ「今日は(生存者の)皆さんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます」

―次回の運、これって一番大事ですよね!?―

某合衆国第X代大統領就任式の日。某FBI本部高層ビルのヘリポートで就職一次面接試験(集団面接)が行われ、そこで多くの就活生が落とされていった。そして某合衆国独立記念日の今日、そんな倍率1000倍の一次面接を突破した者が受ける二次面接試験(個人面接)が行われようとしていた…


――FBI就職二次面接試験会場・某オーディション番組G〇D・TALENT


ゾンビ化した面接官「はい。では次の方どうぞ~」


コンコン、ガチャ・・・トットットットッ…


スラっとした体形にイケメンで有能そうな若い男性が革靴を響かせて、ステージ上に現れた。

この男性の名は、ジョンピースフル。自信たっぷりのジョンピースフルは観察眼で冷静に会場を見渡す。


ジョンピースフル「・・・。(フッ、なるほど。二次面接は審査員席と客席に大量のゾンビ面接官がいる圧迫面接といったところか。さすがFBI。会場の雰囲気に受験者が動揺しないか見ているんだな。・・・一次面接が高層ビルを階段で上った後の強風吹き荒れるヘリポートで行われたのを見るに、やはり一次面接は単純に体力が問われていたのに対し、今日の二次面接は心理面が問われているといった所だな。フッ、つまり受け答えの内容はここからが本番だ・・・!おもしろい。これぞFBIの就職試験だ!)


ジョンピースフルはその場でFBIの試験意図までを分析し、把握したのだった。驚異の頭脳明晰力と回転スピード。


ゾンビ面接官「では、その椅子に座ってください。」

ジョンピースフル「えぇ」


スッ


ジョンピースフルが一つの置かれた椅子に座った瞬間だった。


ビビビビビ…‼


ジョンピースフル「ウゥ‼・・・(こ、これはFBIが容疑者を尋問する際に使用する電気椅子!フッ、なるほど。・・・常に電気を浴びた状態でしっかりと受け答えができるのかどうか。FBI捜査官の資質としての難事件に挑む際のメンタルをはかろうというわけだな。・・・ざっと流れる電流は100000Vといったところか。フッ、おもしろい某ポケモン並みの電流だ。さすがFBI。あらゆる所に試験意図が見られる。)」


そして電流を受け続けるジョンピースフルに対して、面接が始まる。


ゾンビ面接官「はい。えっとでは今から面接を始めていきますが…まず、」


そこでゾンビ面接官は手元のジョンピースフルの履歴書を見る。


ゾンビ面接官「あなたはなぜFBIの捜査官になりたいと思ったのですか?」


ジョンピースフル「えぇそれは、私が生まれ持った素質からFBIの捜査官が天命だとわかったからです。私は神からFBI捜査官としてのギフテッドをもらったのです。」


ゾンビ面接官はシャーペンを回し始める。


ゾンビ面接官「Fnnn…なるほど。では自分がFBI捜査官としてのギフテッドだと気づいた具体的なエピソードや裏付けるものは何かありますか?」


ジョンピースフル「はい。それは・・・私が小学生の時でした。それはなんでもない日の朝。器に入ったコーンフレークにミルクを注ごうと冷蔵庫を開けてミルクを取ろうとした瞬間に、頭によぎったのです。・・・『今日、僕が乗るスクールバスで犯罪が起こる』と。そう予感した私はミルクを手に取るのを止めて隣で冷蔵していた拳銃、グロック17を持っていく事にしました。それから、予感は見事的中。その日乗っていたスクールバスに風船を持ったピエロのおじさんが乗ってきたのです。ですから小学生だった私は迷わず、被害が出る前にピエロのおじさんをグロック17で射殺しました。・・・素早い判断と危機察知能力によって児童たちを守ることができたのです。この私の犯罪予知と犯罪防止ができた成功エピソードが初めて、私のFBI捜査官としてのギフテッドだと把握した瞬間でした。」


そこまで聞いたゾンビ面接官はボールペンに持ち替えて、手元の書類に何か書き込んだ。


ゾンビ面接官「Fnnn…はいはいはい、はい。なるほど。この履歴書の資格欄にも書いてありますが・・・つまり~あなたは犯罪予知ができる『シックスセンス(第六感)』のスキルをお持ちであるということが、そうした自認に繋がったと。」


ジョンピースフル「はい。」


ゾンビ面接官は、シャーペンに持ち替えてシャー芯を補充しながら続ける。


ゾンビ面接官「なるほど。確かにFBI捜査官として有用なスキルですね。非常に興味深いエピソードです。・・・そのピエロのおじさんを銃殺したエピソードの後日談とかありますか?」


ジョンピースフル「はい。それから小学生だった私は地元の新聞にニュースとして取り上げられました。確か”グロック17少年!ピエロを殺害し、犯罪防ぐ!”といった見出しでしたが、・・・実を言うと、かなり小さな欄で…。近所の人に少し褒められる程度に終わりましたが…」


HAHAHAHAHAHAHAHAHA‼‼


会場のゾンビ面接官たちは大爆笑!


ジョンピースフル「フッ!(よし!今のはかなりいいぞ!)」


ゾンビ面接官は、コンパスと定規を使って手元の書類に何か書き込んだ直後。


ゾンビ面接官「なるほど。あなたは非常にユーモアがありますね。いいオチでした。・・・では次の質問ですが、あなたはコロンブス大学の博士課程を修了したとありますが、大学では一体どのような事を学びあるいは研究したのか具体的に聞かせてください。」


ジョンピースフル「はい。その他のFラン職業訓練校とは一味違う名門コロンブス大学では主に犯罪心理学を中心に学びました。学科で特に記憶に残っていることは犯罪者の気持ちを理解するために、実際に犯罪を犯し刑務所に服役するという”服役留学”がとてもいい思い出として今でも心に残っています。大学のフレンドと一緒にどの犯罪を犯すのかという事を熱心に議論をし、時には愉快に話あったりして科目を決めていく作業が私の青春として、大学生活をとても彩ってくれました。それから・・・!」


ゾンビ面接官は腹時計を見る。


ゾンビ面接官「Fnnn…あなたがとても充実したキャンパスライフを送ったことはよくわかりました。ですがもう少し履修内容について詳しく話してください。それで実際にあなたが犯罪体験した科目はなんだったのですか?」


ジョンピースフル「(しまっ・・・!今のは私のうっかりミスだ。楽しすぎた大学生活を語り始めた故に面接官との対話を遠ざけてしまった!しかも質問意図的に学科の内容を話す場面だったのに、人物エピソード的な話をつい中心にくちずさんでしまった!・・・くっマイナス・・・。もう少し丁寧に誘導尋問に乗るべきだった・・・)あ、え、えぇ・・・えっと私が履修した犯罪は合成麻薬の製造と極東島への密輸でした。」


ゾンビ面接官はドーナツをひとかじりした。


ゾンビ面接官「なるほど。そうですか。少し私が期待したのと違った内容でした。・・・ではコロンブス大学での犯罪心理学での専門分野に関して何か話していただけますか?」


ジョンピースフル「(なっ!しまっ・・・!今のは正直に答えるべきではなかった場面だ!これは面接試験!なんでもかんでも正直に話していてはポイントを稼げない。・・・多少取り繕う所は取り繕って、事前に相手の趣向を想定してこれを話せば場が冷えるなという話題は伏せなければならなかった・・・!準備不足が少しでてしまったか・・・!さすがFBI。真と偽を巧みに運用する能力がみられているんだな)」


マイナスの動揺を少し隠せなくなったジョンピースフルは、汗を一滴流す。

すると、すかさずゾンビ面接官が手元の書類に赤ボールペンで何かを書き込んだ。

高度な心理戦が行われていた、その時!


ドン!!


突如ジョンピースフルは立ち上がって強く地団太を一発踏み入れた。


ゾンビ面接官「・・・どうかされましたか?」


ジョンピースフル「いえ、そこの床にちょっと犯罪虫が這っていたので。踏みつぶした所です。さぁ、面接を続けましょう。」


ゾンビ面接官「そうですか。ではお願いします。」


ゾンビ面接官は紙コップに入ったコーラを手元の書類にこぼしていた。大惨事を起こしていたのだった。


ジョンピースフル「はい。専門分野の研究では(フゥ~~アブね~~~~ちょうどゴ〇ブリが這っててよかった~。なんとか場の空気を変えることができたぞ。私も少し落ち着…いや、待てよあのゴ〇ブリ・・・よく見ると潜入捜査などで使うFBI仕様のゴ〇ブリだ・・・!そうか。面接会場というフォーマルな場で突然の危機にも冷静に対処できるか。そしてそこから後も、すぐに切り替えることができるか。そういうテストだったのか。フゥ、何とかマイナス続きは抑えることができた。ここから挽回だ。)」――


ジョンピースフル「私は自身の強みをさらに伸ばすために”犯罪予知”の研究を進めていく事にしました。そこで私が着目したのは人の一分あたりの瞬きの回数で犯罪者かどうかを判定する『クライム・アイ』でした。具体的にどういうものかと言いますと一分間で3回以上の瞬きをする人は犯罪者もしくはテロリスト。2回で犯罪準備中の予備軍。1回で将来犯罪を犯す犯罪思想者。0回、瞬きをしない人は健全な市民だという、いわば犯罪発見眼です。このスキルを身に着けた私は、人を見る目が変わりさらにFBI捜査官としての素質をより深めることができたと自負しています。」


ゾンビ面接官は大惨事の処理を諦め、開き直ってピザにビーズチョコを振りかけて食らいつく。


ゾンビ面接官「クチャクチャクチャ(咀嚼)なるほど。いいですね。あなたのFBI捜査官としてのポテンシャルが大いに感じられる研究です。コロンブス大学での研究は仮にFBI捜査官になった場合でもきっと大いに役立つでしょうね。・・・・・・では、次に。そうですね。これまで行ってきたボランティア活動の内容を教えてください」


ジョンピースフル「(・・・ぼ、ボランティア活動!?まさかの質問だ。これは想定していなかった・・・!くっ、何より私はボランティア活動なんてしたことが・・・!というより誰もボランティア活動なんてするわけ・・・ッ!そうか。さすがFBI。この質問は度胸を試そうという質問だ。これはおそらく就活生にとっては大きなボーナスタイム。ここで大きくホラを吹けば大きく加点できるに違いない。時には大胆に。そして大胆ながらも冷静な頭で即席で矛盾のない自然なエピソードを組み立てることができるか。さらに社会貢献をしようという心意気を評価しようというわけか。フッ、おもしろい。言ってやる・・・!)」


ジョンピースフル「もちろんボランティア活動は息をするのと同じようにしていました。特に印象に残っている出来事といえば・・・国境なき医師団に加わり紛争地帯の子供たちの精神的ケアを行い、他にも見回りなどをして空爆が激しい紛争地域の治安改善に貢献できたことはもっとも大きな喜びでした。私自身この経験によって、もっと社会を、世界を、かけがえのない地球を、一つに捉え、永久的に平和に貢献しようという姿勢に目覚めた事、そして子供たちの笑顔を未来永劫守っていこうと決意しました。犯罪撲滅。犯罪発生率を0%へ!よりそういう理想に近づこうと努力していきます。そしてFBI捜査官になった暁には、平和な社会とFBIのトロトロの潤滑油になって見せます。つまり、ラブ&ピースで私は、私は、FBIの!ラブローションになるッ!(すげーいい事言ったぞ!これは、決まった・・・!)」


ゾンビ面接官は机のものをすべて口に飲み込んで片付けた。


ゾンビ面接官「・・・ボランティア活動から培った、大変、素晴らしい心がけだと思います。ぜひ、その調子でがんばってみてください。期待しています。・・・え~では最後に何か言いたいことや質問などはありますか?」


ジョンピースフル「えっと~FBIってぶっちゃけ給料とかどんな感じですか?あ、あと完全週休2日制ですよね?」


ゾンビ面接官「(いいムードの中でも決して現実を忘れない、素晴らしい。程よいサイコパスだ。感動した。フィーリングが合わないので落とそうと思っていたがやっぱりこの人を採用しておこう。・・・今のFBIは程よいサイコパスが少ない。真面目な者ばかりだ。)・・・FBI捜査官は解決した事件によって給料が決まる出来高制です。なので給料は自分のがんばり次第です。そしてFBIはホワイトなので完全週休5日制で、もちろんその他福利厚生も完備していますよ。」


ジョンピースフル「よし!ホワイトキター!」


ゾンビ面接官「ということで採用ーーーーーーーー!!」


パチッ、パチパチパチパチ!!…


ゾンビ面接官がそう叫ぶと、会場は一体と化し、他のゾンビ面接官たちもまばらに拍手し始めて次第にスタンディングオベーションが巻き起こる。


スピーカー「USA!USA!USA!USA!…」


さらにFBIの粋な計らいで会場全体にUSAコールがかかり、清掃員まで含んだフラッシュモブで合格者を祝ったのだった。

こうしてジョンピースフルはFBIに採用されたという。

そして時を隔てることX年後…

----

そして、二回目のジャンケンが始まる。


ボブ「叩いて、」

(狩人)「かぶって」

ボブ、(狩人)「ジャンケン、」――


「ポン!!」


ドドン!!⇒結果:   次に続く。


ズコーーーーーー!!


狩人はずっこけた。


「いやなんで次週に続くんだよ!!もう俺、チョキだしてんだけどォオォ!?」


π「たぶん、コレ”引き延ばし”ですよ。引き延ばしに入りましたから気になりますが結果は出ませんね。」


(ひ、引き延ばし・・・って・・・ジャンケンで引き延ばしって聞いたことねぇよ・・・)


π「まぁ、今あなたが出したチョキもとりあえず次に持ち越しです。勝敗はどうなるかわかりませんが、とりあえず引き延ばしなので、結果はまた次。待ちましょう。時の、流れを。」


「いやだから俺はもうチョキ出してるって!!結果出てるよ!?」


π「勇者ドラゴンさん。それはあなたが早漏なだけで黒人が何を出したかはまた次の話になるんですよ?だからジャンケンの勝敗はわかりません。以上。」


πは冷たく、不満げな狩人をあしらった。


「い、意味がわかんねぇ…ジャンケンの手を出したはずなのにジャンケンがすぐに成立しないなんて・・・(てか、次の回の時、もしかして黒人に後出しとかされない・・・よ・ね??)」


π「まぁまぁ仕方ないですよ。次回予告で随分と尺を使いすぎてしまいましたからね。だから私たちの時間軸の方が引き延ばしされるんですよ。今回はゆっくりと時の、流れを、感じましょう・・・待ちましょう・・・」


「いやこの会話でも尺使ってるじゃねーか!!てかさっきからえらく達観した口ぶりだけどこんな状態で待てるのかよ!?ジャンケンだよ!?ジャンケン!!どう見ても引っ張るものじゃねぇだろ!」


π「・・・勇者ドラゴンさん。不満げなあなたに一つおもしろい事例を紹介しましょう。先ほどネット検索してみたのですが、特に1980年代~2000年代に極東島で作られたアニメは」


タカシ・モトジマ「極東島??オッ!オレの出身島じゃねぇーか。なつぃー!」


(急に何の話だよ・・・。それとい、一応・・・。に、日本のアニメね・・・)


π「次回予告でネタバレして次回の内容がわかってしまうことがあったようですよ。つまり、次回予告が本編で、次回予告を見れば本編を見なくても内容がだいたいわかってしまうのでタイパよくアニメを消化する事ができる。極東島のとある平凡なアニメ好きのブログにそう書いてあります。」(検索結果の最下層にあった情報なのでたどり着くのに苦労したのは秘密ですが)


(情報源がマイナーすぎる・・・)


π「とにかくそれと同じことですよ。この私たちが生きる作品も次回予告が本編で私たちも本編。それでいいじゃありませんか」


「もはや哲学になり始めてるけど大丈夫!?」


π「ふん、これでも納得しませんか。なら、先ほどのジャン・ケン教授はこう言っています。『ジャンケンとは無限に広がるのだ』と。この名言って今私たちが直面している引き延ばしもそうなんだと解釈できませんか?なんだか神秘的で、すごくないですか?どうですか?」


「うん。もうわかったから。・・・結果は次回(^ω^)」




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