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運、これって一番大事ですよね!?  作者: フクツノタロウ
メインストーリーってなんですか?
23/51

なんやねん!!こっち見んなや!!

「で、で、で・・・でたあああああああああああああ!!!」


グリーン大佐と狩人の悲鳴が、響き渡る。


「あのなぁ~しばらくぶりやからって、テイクツーとかいらんねん。なんで、同じこと2回も繰り返してんねん。自分ら、もうボケ始まっとんちゃうか。・・・ハァ~ホンマ勘弁せえちゅーねん。わしはな、くたびれとんねん。そういうのは、ええ加減にして~や。」と生首は反応する。


「す、すみません・・・」と狩人は謝る。


「わしはな、そんなようけわけのわからん、”暗黙の了解”は遠慮なく切り捨てるで。・・・ええか?魔法少女がキラキラ空間で変身してる最中でも、わしは、どつきにいくし。・・・日本の高校生なら、問答無用で髪と瞳の色、イカ墨黒に染め直したるわ。黒以外、認めへん・・・よろしく頼むで。」


(もはや、何も成立しねぇ・・・)


その時だった。


「そ、そうだった・・・!!」


グリーン大佐が思い出したかのように、一枚の名刺を取り出す。


「私は今から、キャバクラに行ったときに紹介してもらった、生首駆除業者を呼んでくるッ!!新兵!!それまで、この生首を相手にしておいてくれ!!・・・貴様の初の任務だ。た、頼んだぞ・・・ォッ!!」


「(うさん臭さしか感じねぇよ・・・)じゃなくて!!あっ、ちょ、ちょっと!!俺だけを置いてッ!!・・・くっ、なんて逃げ足の速さだ・・・!」


グリーン大佐は、そう言い残し、その場から逃げてしまった。

狩人と生首だけになってしまう。


「ハァ~わしかて、好き好んで、生首になったわけちゃうんやけどな~・・・ホンマ、外見だけで判断されるちゅーもんは、悲しいもんやで・・・生首だけで、バケモン扱いかいな・・・世も末や。」


(バケモノ以外何者でもねぇよ・・・)


「まぁ、せっかくや・・・兄ちゃんになんで、わしが生首だけになったか語ったるわ。ここで会ったのも、何かの縁やろ。なぁ?・・・聞きたいやろ?」


「・・・は、はぃ・・・(くっ、この状況、どうやって切り抜ける・・・!?)」


「そしたら、語ろか~」


そこから生首の語りが始まる。


「せやな、確か~今から百年前や。あの日、わしは合戦にいく準備しとったわけや。ちょうど、昼時でな。腹ごしらえとして、ナマズを丸飲みしたんや。これが、後に数殊みたいに繋がってくるわけやけど~・・・」


(や、やべぇ・・・最初からついていけねぇ・・・)


「ほんで~ナマズを腹にこしらえた状態で、出発したんや。・・・元凶はここからやねん。その道中でな、・・・ハァ、ホンマ思い出しただけで腹立つわ。・・・道中に、占い師のババアがおったんや。」


「・・・・・・。」


狩人は、黙って聞くしかなかった。


「でや、合戦前のゲン担ぎとして、わし自身を占ってみることにしたんや。・・・そしたら、そのババアなんていったと思う?」


「さ、さぁ・・・な、なんでしょう」


「こう言ったんや。『あなた死相が見えているわ。それも死んだあと地獄に落ちるわね』・・・これ聞いた瞬間、わしな、もう地獄の底から煮えたぎるような怒りが沸いてな、そのババアを足蹴りでどついて、すぐ後ろの川に、落としたったんや。いや~ホンマあの時は爽快やったで・・・何、人様の人生で商売しとんねん、舐めんなやボケェっ!!ってな。」


(占ったのはアンタ自身だろ・・・)


「どうやら、その時みたいやな。」


「え?ど、どういうことですか・・・?」


「呪印」


「へ?」


「呪印や!!呪印!!自分わからんのか!?ちゃんとわしの話聞いとんのか!?」


「あ、わぁぁぁああわ、わかります!わかります!呪、呪印ですよね!呪印!(理不尽すぎる・・・)」


「せやせや。あのババアな、奈落に落ちる瞬間に、わしの体を呪ったんや。カァ~ホンマこればっかりはやられてもうたわ。」


「な、なるほどぉ~!だから、生首だけになってしまったのですね!それはさぞかし大変だったことで!(なんで、俺はお姫様みたいな言い方してんだ・・・)」


狩人はそういって、話を切り上げる方向に持っていこうとし始める。


「いや~その状態で合戦で戦っとんたんや。・・・」


だが、終わらなかった。


(ク、クソォ・・・これは、手ごわいぞ・・・)


「ええ感じに、次々敵の首もってさらっていってたんやけどな、その時やった。昼食で食べたナマズがなぁ~腹の中で暴れ始めたんや。ホンマ、こればっかりは困ったもんやったで。」


(た、確かに繋がった・・・)


「でな。わしはその時、大人しくせいっ!!てな。持ってた刀で切腹したんや。」


(何から何まで自滅だな・・・)


「そのかいあってか~ナマズは大人しくなりおった・・・けどな、ハァ~ホンマよそ見はあかんわ。その時に敵に首持っていかれたんや。・・・それでや。呪印の影響で、首から下は死んだんやけど、首から上は、生きおった・・・そんな状態が今のこのわしや・・・悲しいやろ?」


「え~ということは、生首のまま死ねなくなったってことですか・・・?」


「せや。首から下はそのまま成仏しよって、この有様や・・・わしの体は理にならって待機雲にいったはずなんやけどなぁ~行方知れずや。」


「ご愁傷様です・・・」


そこで静かになる。


ーー(お、終わったか・・・!?)


「そうや。兄ちゃん、名前はなんて言うんや?」


「・・・・・・ゆ、勇者ドラゴンです・・・(なんか嫌な予感が・・・)」


「あぁん!?なんやねん!!あほボケナスカスゥゥッ!!兄ちゃんの名前も横文字かいな!!・・・ハァ~ホンマ、また異国の言葉かいな~舐めとんのかボケェ!!ここをどこやと思ってんねん!?異世界やぞ!?・・・日本語でしゃべれや!!」


(ダメだ・・・地雷踏んじまったよぉ(泣)


狩人は涙目になり始める。


「あかんわ・・・もういよいよ世の末も極まってきたわ・・・もう終わりやね。・・・末法退散、末法退散・・・」


生首は少し唱える。

そして喋り始める。


「ええか?わしは、異国の言葉聞いてると、イラついてくんねん。」


(神経が衰弱でもしてるのかよ・・・不安定すぎる・・・)


「特に最近多いやろ?・・・わしな見かけた異国の者にはな、容赦なく斬りかかっとんねん。」


(やばい・・・)


「そしたらな。斬りつけられた異国者はな。スッテンコロリ尻もちつくわけや。そしたら、神がどうたら~とかいって、びびって逃げおんねん。」


(ちょっとは聞き取ってるな・・・)


「ハァ~それがな、その後でな。えらい困ったことになったんや。・・・どうやら~その斬りつけられた異国者の難病が治ったみたいなんや。後で知ったわ。」


「え?」


「それが一躍世界に広まりおったんや。・・・次の日から、群衆がな、わしの家に殺到してくんねん。ホンマ、布団から出て何事やねん!?って驚いたわ。」


「・・・・・・」


「わしはなんで、こないなことになったんかいなと、考えたんや。・・・そうや!この刀、えらいごっつい寺から盗み出したんやったわ。・・・これすなわち妖刀やったんやと。後でわかったわ。」


「・・・へ、へぇ・・・」


「で、思い出したけど、えげつない広さの国立公園行ったときの出来事や。」


なんと生首の話は次の話に移る。


「そこで桜の花見しとる、ぬくぬく幸せ幸せ連中がおったんや、これを見てわしはな・・・あかん世も末やなって感じたんや。」


(やっぱ情緒不安定すぎる・・・)


「やからな。壺に入った粉末状の人骨をな。宴会しとるやつらに、振りまいたったし、さらにはブチュー接吻しとる雄雌には、納豆を口の中に放り込んだったし、桜の色も黒に着色したった。ほんで、最後はいっそのこと、もう人がこんように、全部伐採して、自然もろとも枯れさしたんや。」


(・・・・・・ハハハ)


「ところがや、その国立公園はな、服部はっとり砂丘っていう名前に変わってな、観光地になったんや。・・・ホンマ、ようやるわって、さすがのわしも関心してもうたわ。・・・ハゲ頭みたいな生命の欠片も感じへん砂場に人ってホンマかいな!?って感じやったわ・・・」


(ヤバい、ヤバい・・・)


暴走する生首の話に、狩人の鼓動が上がり始める。


「でや、その服部砂丘っていう名前なんやけど、聞いた話によると~なんやわけのわからん忍者からとったみたいやわ。ハァ~ホンマ、忍者とか、どうせ陰気くっさいオタクやろ?・・・情報を扱って、シコシコ溜めるとかようやるわ。」


(ヤバい・・・これは最高にヤバい・・・)


狩人は、目の前の生首が、過去最高の強敵だとわかり始める。


「それでや思い出したけど~、わしの家の隣にもな。引きこもりおるんやけど、毎晩毎晩、がちゃがちゃ・・・なんていうんやったかな・・・。あれや、あれ!機械や、機械!」


(・・・ゴクッ)


「・・・あかん、思い出せん。まぁ、ええわ・・・ファミリーピコピコやっとるオタクがおるんや。」


(・・・・・・)


狩人は汗だらだらになり始める。


「うるさいから~わしは、だまらせるために漬物石を窓に向かって放り投げたったんや。ガシャーン!!!・・・いうたで?」


「そしたらや、右左間違えとったみたいで、別の片方の隣人に投げてしもうてたんや。そしたらな・・・わしの苗字は、磯野いそのちゅうねんけど『コラー!磯野ー!』って怒号が飛んできたんや。・・・わしはこの瞬間、怒りが煮えたぎったわ。何、呼び捨てしてんねん、せめて『コラー!磯野様ー!』やろと。」


(・・・身内感・・・)


「ホンマ、最近のゆとりのある僕ちゃんは、教育がなってへんわって思ったんやけど・・・怒号を飛ばした旦那の苗字は中島なかしまちゅうんやけど、中島はんは、わしとおない年やったわ~全然最近じゃなかったわ~って、自分でノリツッコミしてもうたわ。あ~アホらしい。・・・あ、なかしま。はんやで」


(・・・・・・)


「それで言いあいの揉めあいしとったらや、花沢はなさわはんちゅなぁ、ババアが仲裁しにきてくれはったんや。あ、はなさわはんやで、はなさわはん・・・大事なことやから二度いうとくで。まぁ、二度漬けはしたらあかんけどな。」


(誰か・・・この生首を止めてくれー!泣)


「花沢はんは、まぁババアやけど・・・・・・ババア?ババア・・・!?」


生首はぶり返す。


「ババアはイジッてなんぼやねん。年老いていくことに憂いとるもんやから、わしがイジッて悲劇を喜劇に変えたろってちゅーやさしさやろが!!舐めとんのかアホ!!」


「(マズいマズいマズい!!このまま放っておくとマジのマジでやばい!!)ま、そそその~ちょっ、ちょっともう少し和らげていいいい頂いて・・・!」


「ハァ?なんやねん、思ったこと口に出して何が悪いねん!?ここは言論の自由すらもないって言いたいんかいな!?自由に物いって何が悪いねん?そもそも、お前とババアに何が関係あんねん!?ええカッコすんなや!!何をそない粋とっんねん!?・・・ホンマァ~どついたろか!!・・・しばいたろか~」


「いいいいやああぁぁ、そ、そういうつもりで言ったんじゃなくて、ひょう、ひょうげんをもう少し、クールダウンといいますか~・・・アァッ!!」


狩人は閃く。


「あ、味付けがちょっと濃すぎるといいますか・・・マイルドに!!二度漬けはき、きき禁止ですから!」


そう汗だくだくで、狩人は生首に申し上げる。


「・・・・・・。」


一旦生首は黙る。


(・・・ゴクッ)


「せやな・・・濃い味は、わしももう結構年いっとるからな・・・嫌いやねん。・・・オバはんやな。オバはんって呼ぼか。」


(よし!これでちょっとはッ・・・!)


「・・・でや。・・・いうてオバはんもメスやろ」


「ぎゃああああああああああああ!!!(マジで止めてくれえええぇぇぇぇぇぇ!!」


「オバはんどもは、大人しく”春の米祭り”でもやっとけばええねん。好きやろ?あぁいうの。米粒シコシコ集めて、アヘとったらええねん。・・・ホンマ、意味のわからん生態しとるで・・・なんやねんふざけて生きるのも大概にせいや。」


(ヤバすぎるヤバすぎるヤバすぎるゥゥゥゥッ・・・!!)


狩人はこの時、見えていた。


作品の看板・・・それは間違いなく主人公である。

その世界で起きたこと、いや起きたことの責任はすべて主人公が背負うが常・・・定め!


つまり!!


(責任取って主人公降板・・・ッ!!ダメだ・・・それだけはダメだやめて、止めてくれぇぇぇぇぇぇ!!薄暗い部屋、上下グレーパジャマ姿で、自分の会見が映ったテレビを死んだ目で見てる光景しか浮かばねぇぇぇ!!)


そこから狩人の頭の中に情報がなだれ込む。


(この目の前にいる生首、いやコイツは生首なんて生やさしいもんじゃねぇ!!いうなれば、全国の中でトップの不良校において、ヤバい奴らを束ねていながらも、街に繰り出せば、至る所で道行く通行人に喧嘩を売っていく・・・地上最恐の二つ名・・・その名はいそクレイジードッグッ!!!」


「あとはせやな~なんやブランド?もんちゅぅ異国のもんを放り投げたったら、そのへんにオバはんが発生するやろ。あるときなわしの家の台所で、アリが大量発生したんやけど、そこに砂糖盛ったら、すごいおもろい光景やったわ。そら、もう必死の必死で、あんたらどうしたんかいなってぐらいの変わりようで、結局あれとおない程度ってことで、それにさらに追加しようちゅもんなら、わしはよう鳩に餌やっとるんやけど、結局餌をほしがるもんやから、わしのことはどうでもよくても、けどそれに反して、わしが餌をいつ投げるかちゅうのを見とかなあかんから、結果的にわしを見なあかんってことで、ホンマどこまでいっても悲しい、存在が地を這っとるんかっていうぐらいで、地獄に落ちるのは・・・オバはん、あんたのほうやで・・・」


「ぐぎゃあああああああああああああああ!!」


狩人が涙と鼻水を流し、崩壊したときだった。


(・・・アハハハハハハハハハ・・・・・・終わった~・・・・・・アヘヘヘヘヘヘ・・・・・・


ドタン!!


その時、扉が開くーー


「・・・待たせたな」


ーーなんとグリーン大佐が戻ってきた。


「・・・・・・さぁ、反撃の時ですわよ、よろしゅう。」


ーーそれも、後ろに占い師のおばさんを連れて。


「・・・ババアやんけ!!」


生首はそう叫んだのだった。


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